紙の本
大人の社会見学本。百聞は一見に如かず!
2015/11/17 11:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が国内外の巨大な施設を見学し、その概要をリポートする本。三菱重工長崎造船所(長崎)、国家石油備蓄基地(苫小牧)、東京ガス扇島工場(東京)、日本出版販売王子物流センター(東京)、海洋研究開発機構「ちきゅう」、など14箇所の巨大な施設が紹介されています。各施設は6ページずつのボリュームでオールカラーの印象的な写真も多数掲載され、その圧倒的なスケールを読者に伝えます。NHKの「探検バクモン」でも紹介された施設がありますが、まさにあの番組と同じ視点です。私自身が大学時代は土木工学を専攻し、ダムや橋梁といった巨大なインフラのスケール感はある程度把握していながら、黒部ダムや明石海峡大橋の実物を見た時の圧倒的な迫力に興奮した記憶が生々しく蘇りました。われわれの生活を支える施設、そして最先端科学には想像を絶する規模の構造物があると改めて実感します。社会人になって縁あって製鉄所の見学に行く機会に恵まれました。その時も感じましたが、いくら書籍やテレビなどでその規模が頭に入っていても自分の目や耳で感じる「本物」の迫力、スケール感は桁違いでした。規模の大きな物こそ「百聞は一見に如かず」、実際に感じることが何よりも記憶に残りますね。大人になってさえ、こんなに強く印象に残るのですから、是非子供たちにはこういう体験をたくさんさせてあげたいと思います。「理科嫌い」、「算数嫌い」なんか一気に解決しそうな気がするんですが。
投稿元:
レビューを見る
メガ! 巨大な技術探検リポート
2015/4/1付日本経済新聞 夕刊
「大人の社会見学」は、とにかくスケールがでかい。新幹線総合司令所はワクワクする秘密基地だし、世界最大容量のガスタンクは巨大な魔法瓶のようだ。一日200万冊の本を動かす流通センターに度肝を抜かれ、巨大なダンプトラックが無人で動くシステムに舌を巻く。あげくのはてには歌舞伎座の廻(まわ)り舞台まで登場してしまう。
でも、個人的には、やはり科学の最先端技術に心惹(ひ)かれる。それは夢のレーザー核融合だったり、次世代天体望遠鏡に使われる巨大なガラスだったり、長さ700メートルの顕微鏡だったり、地球深部探査船だったりする。
でっかいモノが、ただ単に大きいだけでなく、緻密にできている、という点が非常に面白かった。
著者は、ビル・ゲイツと一緒にでっかい仕事をした人物だが、昨今の日本のIT産業には苦言を呈している。
「世の中にはもっと巨大で精緻な構造物や基礎研究があるのだということを知るだけで、地球規模のビジネスが日本から生まれてくる可能性は高くなる」
子供の視点で世界を見る大切さを再認識させてくれる本。巻末に見学ガイド付き。
(竹内薫)
投稿元:
レビューを見る
艦船マニアのダンナが行きたがってる三菱重工長崎造船所が掲載されてたので図書館から借りてきました。何気に浜松ホトニクスも掲載されてる!!株主なので、こういう誌面に掲載され注目を浴び株が上昇すればいいなぁ〜なんて邪なこと考えた。^^;
投稿元:
レビューを見る
日常生活で目にする機会が少ない巨大建造物をみた時に、その現実を受け入れるまで一瞬思考が停止する。
本書で紹介されているものは、その巨大さだけではなく、それらを支える精密さや最先端技術にも焦点を当てている。
したがって、巨大建造物を見て一瞬思考停止をしたあとに、その精密さにスイッチを切り替える楽しさがあることを教えてくれている。巨大さゆえにグーグルマップで確認することができるものもあるが、やはり実物を見たい。スケール感は現場に行かなければわからないだろう。
投稿元:
レビューを見る
著者が国内外の巨大な施設を見学し、その概要をリポートする本。三菱重工長崎造船所(長崎)、国家石油備蓄基地(苫小牧)、東京ガス扇島工場(東京)、日本出版販売王子物流センター(東京)、海洋研究開発機構「ちきゅう」、など14箇所の巨大な施設が紹介されています。各施設は6ページずつのボリュームでオールカラーの印象的な写真も多数掲載され、その圧倒的なスケールを読者に伝えます。NHKの「探検バクモン」でも紹介された施設がありますが、まさにあの番組と同じ視点です。私自身が大学時代は土木工学を専攻し、ダムや橋梁といった巨大なインフラのスケール感はある程度把握していながら、黒部ダムや明石海峡大橋の実物を見た時の圧倒的な迫力に興奮した記憶が生々しく蘇りました。われわれの生活を支える施設、そして最先端科学には想像を絶する規模の構造物があると改めて実感します。社会人になって縁あって製鉄所の見学に行く機会に恵まれました。その時も感じましたが、いくら書籍やテレビなどでその規模が頭に入っていても自分の目や耳で感じる「本物」の迫力、スケール感は桁違いでした。規模の大きな物こそ「百聞は一見に如かず」、実際に感じることが何よりも記憶に残りますね。大人になってさえ、こんなに強く印象に残るのですから、是非子供たちにはこういう体験をたくさんさせてあげたいと思います。「理科嫌い」、「算数嫌い」なんか一気に解決しそうな気がするんですが。
投稿元:
レビューを見る
大人が社会科見学をした感想文。純粋に施設を知りたいなら別の手段で。これら施設を礼賛するのは良いのですが、「何かあればオンラインパッチで対応」を前提にしているとしか思えない品質で出荷していた企業の日本法人トップだったのですよね。
投稿元:
レビューを見る
本書の中にもある「神は細部に宿る」。
シールド工法によるトンネル掘削のようにキロ単位の工事に許される誤差はミリ単位。
巨大なものを作ろうと思えば、極小誤差しか許されない。
著者が実地で感じた巨大さは、本書では十分の一も伝わらない。巻末に見学可能な現場リストがある所以である。
現場技術者の矜持やそれに対する著者の敬意は十分に伝わる。
投稿元:
レビューを見る
いい会社とは、語るべきものが多い会社であり、悪い会社とは語るべきものが、ない会社だ。そして、語るべきものとはなにかというと、平均からの逸脱だ。
投稿元:
レビューを見る
成毛真による現場探訪記。本人曰く、軽いノリで始めた現場歩き、ですが、現場の持つ迫力に圧倒される著者の熱い思いも伝わってきます。良いものを見ましたね、と。現物、現実、現場とよく言われますが、現場の持つ力、強いものがあるようです。で、その巨大な現場が、その成果や経済面でどのような貢献等をしているのかmへの考察も、続編として、欲しいな、と感じる次第です。
投稿元:
レビューを見る
巨大技術の現場を見て考えた、という本。「精密土木」という言葉が出てきた。10cmにとって1cmは1割だが、100mから見れば僅かな割合だ。大きいからといって誤差で良い場合と、そうでもない場合がある。大きくて精緻なものは、それはやはり人を感動させる。
僕はあまり大規模なしくみというのがどうも好きになれず(だが、自分が大規模なしくみに生かされているのもわかってはいる)、大きなものより小さなものがよい、と思う。それは、自分の目の届く範囲、生活の範囲、仕事の範囲がそんなに大きくないからかもしれない。
桁違いの何かがある、ということを知っておくことは、自らの視野を広げる。銀座の倶楽部に一度行っておく、みたいなもんだ(違う?)。
巻末には見に行ける巨大技術や、参考書籍が紹介されている。参考書籍は「桁違いになるための」と題したもので、はからずも結構読んでいるものが多かった。それらの書籍は、技術やオブジェクトのことを語るというよりも、そこに関わっている、ぶっちぎった人物が面白い、というものも少なくない。巨大技術の現場には、あまりぶっちぎった人がいなくて正確無比、というイメージがあるが、ほんとうはキーマンというか、ぶっちぎった人が少なからずいるに違いない。そういうアプローチだと、僕も大きなものがより好きになれそうだ。
ところで、断捨離主義者にはエネルギー戦略やインフラを任せられない、と著者はいう。断捨離というのは、外からの物流が滞り無くある、という根拠なき前提で、自分の周りだけものをもたないでおくこと、である。巨大技術は誰かのためのもの、断捨離は自分だけのもの。欲望のスタート地点が違うのだなあ。(けれど、その巨大技術に自らの欲望をぶつける人の話が、やっぱり好き)