【全1-4セット】ブレーメンII みんなのレビュー

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投稿者：かしこん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

もともとジェッツコミック版も持っているのですが・・・引っ越すタイミングで１巻しか出ていなくて、多分家に置いてきた。その後、引っ越し先で続きを買っていたのですが、文庫化に際してついでに購入（解説ついてるし）。　で、しばらくその文庫版を人に貸していたりしたので、ついでに電子版を購入。

あの当時は『アンドロイドはミスティ・ブルーの夢を見るか？』の続編、ということでニヤつき、「ダンテ君、ダンテ君、ダンテ君、三回呼ばれるとイヤだろ？」に「川原泉、シティボーイズライヴ観てるよ！」と盛り上がり、なつかしの王道ＳＦの流れに「ほほう、やっぱり大事なのはＳＦマインドだよな！」と思い、絵が変わりつつあることに「？」と感じながらも台詞は変わらない川原節なのでやっぱりニヤニヤしていた。で、うっかりと泣いてしまったり・・・ラストが駆け足な感じでちょっともったいない、と思っていた。

あらためて今回、読み返してみて・・・びっくりするほど胸に刺さってしまった。
あぁ、ヘイトであふれるこの世の中に、これほど必要な作品が他にあるだろうか！
まぁ、それもジャパン・エリア出身の人間だからそう思っちゃうのかもしれないんだけどさ・・・宗教に対するキモチが程よく薄い・慣習というものに縛られすぎない感覚があるからさらっとこの物語の設定を普通に受け入れられちゃうんだろうけど。
それでも、これを読んだ世界中の人の感想を知りたい。
人種の違いなんて科学的には否定されているんだし、多様性を尊重し、お互い楽しくやっていきましょう（そのためにはいろいろ苦労を潜り抜けなければならないけれど）、というのほほん言葉の奥にどれほどの覚悟が隠されているのか考えてみたらいい。

寛容とか赦しとか、そういうことじゃなくて、人間が人間として生きている意味のもっと根源的なモノ。大きいことを描いているけれど、つきつめれば個人的なことに帰するってことで。いや、個人的なことは普遍的なことに通じるんですよ。
だから、キラ・ナルセのような人にあたしはなりたい。