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戦後の混沌から、持ち前の運と才能を生かし、一代で日本有数の巨大企業を作り上げた男。不動産王との対決が見物でした。オチも好きです。
非常に読み応えのある作品。
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塙大吉は戦後の闇市で薬を売る商売を始め、そこから安売り薬店で成功し、その後関西でスーパー誠実屋を展開。差別化を計るため、豪州から若い牛を輸入し沖縄で育てた後、格安の国産牛として誠実屋で販売し大成功。その後東京へ進出する。
ビジネス立志伝であり、途中様々な困難を乗り越える場面が読ませる。妨害・脅し・立法・反対運動・跡取・・・一代で大企業を作り上げるには、当然これ位のリスクテイクと先見性が必要とされるのだろう。
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楡周平作品初読み。
なかなか読みごたえのある作品でした。
ダイエーの故中内氏をモデルにした作品とのこと。
戦後まもなくには出光興産の故出光佐三氏といい気骨溢れる商売人がいたからこそ今日の日本の経済があるのだなあと思わせるストーリーでした。
どんな逆境に置かれようが壊れることのない不屈の精神力には頭が下がります。
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楡周平さんの本 常に面白い。
『◯◯とよばれた・・・』的な部分もとても面白かったが 終わり方がエンターテーメントとしては 凄く良かった 。
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話がテンポよく進みあっという間に読み終わった。
瀬島と、もっと早く出会っていれば親子関係なしに違った人生を歩めたようにも思います。
ダイエーの創業者がモデルなんですね。
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戦後日本のエネルギー溢れる時代の野心に満ちた人たちの話し。
実際にあった事件が描かれたり、実在の人をモデルにした感じがリアリティあり読み応えがあり一気に読みきった。
最後も瀬島がああいう形で出てくることは都合がよいようでも違和感はなく、希望をもてる感じで好きだ。
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戦後の闇市から、巨大スーパーを立ち上げた企業家の一生。
人間関係や時事の流れを組み込んだストーリーがすごいと思いながら読んだ。
二代目の息子らが頼りなく、隠し子的な息子が才覚に溢れているというのは王道な展開で出来過ぎてるとちょっと思うけど、なぜか許せる不思議。そう思わせるように書いているのだろうな。
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途中、最後にかけてのちょっとしただれ感が感じられたものの、ダイエーが出来た頃の魅力を十分に感じ取ることが出来た。
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誠実屋というスーパーマーケット企業の経営者を中心とした誠実屋王国の発展と転落を描く。
心がないと言う向きもあるだろうが、商売である限り儲けなければ意味はない訳で、理想を語っても仕方ないことは非常に共感できるし、為になる部分もあると感じる。
どうやらダイエー創業者の中内さんがモチーフになっているらしい。
一企業の発展を描く中の商売のあり方は確かに経済小説だが、あくまで小説である訳で、王国が転落して行く様の方が圧倒的に面白い。
特に裏切りや裏の世界の住人、女性関係、隠し子、後継者問題、等々人の関わりは格別に面白い。
企業経営には人間関係のトラブルはつきもので、経済小説としてはそういった部分も為にはなるだろう。
冒頭のフカシンのくだりは光圀伝の紋太夫と重なる。
入りも抜群でサクサク読めてオススメの一作。
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一代でのし上がっていく前半は面白かった。
フカシン意外と小物だった感じ。
後半の瀬島がらみのはいまいちだったな。
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楡さん、
経済小説も書かれるのねぇと驚いたのが最初の感想だ。
私のイメージは
やはり薬物に関するハードボイルド小説、だから。
この作品は、
昭和22年の戦後の混乱期にある神戸三宮から商売をはじめ
やがて一大企業のスーパーを立ち上げた塙太吉を主人公とし、
ひとりの実業家の人生を描いた骨太の経済小説となっていた。
ヤミ屋のような薬問屋から
持ち前の商才を発揮して、
次にヒットしそうな流通経路や販売方法をかぎ分けて
どんどんと商売を発展させた塙。
才能は持つべきものなんだなあ、と感心するばかり。
でもその才能は確実に子孫に伝わるか、といえばそうではない。
太吉が一代で築いた王宮だが、
後継者である長男とはやり方も経営手腕も違っていて
太吉にはこれ以上の発展はないという気がし、
自分の築いた王宮は砂でできていた王宮で、
やがて崩れ去るんだなと、万感の思いで悟っていた。
なるほどね。
これがタイトルのいわれ、だった。
でもこの手のストーリーは人生誰もが味わうことではないだろうか。
栄枯盛衰・・・、永遠につづくもの、絶対的な繁栄、
そんなものはありえないだろう。
王にまで上りつけた人には、残念で仕方がないだろうが、
凡人でいまだに夢を追うことしかできない一人の庶民には
一代限りでも
夢の実現ができれば最高だと思えて仕方がない。
どんな最後が訪れても
それまでの軌跡は消えないものだ。
この物語の主人公、塙太吉の軌跡とその実績は
どこかで誰かが必ず紡いでいくのだろう。
そして崩れ去った砂の王宮は、
大きな砂山ぐらいにまでは、すぐに復帰できるに違いない。
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小説仕立てのノンフィクションかと思っていたが、実在の人物から着想を得たフィクション。それでも、闇市から商売を始めて、薬屋で全国規模の商いを広げ、そしてスーパーマーケットの立ち上げ、牛肉を核とした顧客の取り込み、という流れは史実と思われ、興味深く読んだ。
作者インタビュー
http://seidoku.shueisha.co.jp/1507/try01_nire.html
内容紹介
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戦後、神戸三宮の闇市で薬屋を営んでいた塙太吉は、進駐軍の将校相手に御用聞きをしている深町信介と出会う。薬を大量に売り捌くという深町の提案に乗った塙は、膨大な儲けを手にする。?
昭和32年、門真にスーパーマーケット「誠実屋」を開業。その後、格安の牛肉を店頭に並べることに成功し、業績は劇的に向上した。?
東京への進出計画も順調に進むが、不動産王・久島栄太郎に弱みを握られ、さらに意図せず深町の死に関わってしまい、塙は絶体絶命の危機に陥る。?
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主人公塙太吉、ダイエー創始者中内功が、モデル。
深町信介とのコンビで、闇市で薬の安売り店を成功させる。薬の定価販売を覆す。
現金商売で、スーパー1号店を開店。
レジスターの営業、川端安治が加わる。
店舗拡大に際し、深信がもどって来る。
オーストラリア産の子牛を沖縄で、生育。牛肉の安売りを目玉にする。
信頼していた深信が、やり手の不動産王にはめられ、生命線の沖縄の牛肉の会社の株が担保にとられていた。
深信は、口止めのため、ヤクザにさされる。致命傷でなかったのに、自ら命を断つ。
一大帝国を築いた塙太吉だが、後継者に恵まれない。
甘やかした長男は、商売人ではない。
リニアモーターカーの駅候補地に巨大モールを計画。
地元の反対運動のリーダー瀬島との対決。
瀬島は、ちかんの冤罪により、留置。
罪を認めないと保釈されない。
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戦後間もなく三ノ宮で薬屋を営んでいる塙は闇市で莫大な財を成したが戦後5年も経つと社会秩序や法整備等が厳しくなり闇の商売や安売り薬の商売が厳しくなってきた。根っからの商人である塙は次の一手をスーパーマーケットにした。大阪門真の大手家電メーカーの近所にスーパー''誠実屋''をオープンさせた。大量仕入でコストを下げ薄利多売が戦略で次々と出店しコストを下げ薄利多売その繰り返しで店舗数も急拡大した。
次なる目論みは、中部地区に出店し最終的には関東圏迄勢力を伸ばす事だが、大型店舗の出店には地元商店街の抵抗が激しい上に次期誠実屋塙の経営者候補の2人の息子はセンスが無さすぎる。
一代で築き上げたスーパーマーケット帝国の王、塙の人生、戦後のドサクサで儲け数々のアイディアを実践し帝国を築き上げたが気がつくと信頼出来る右腕や仲間が居なく孤独な老人だった。昨今、高齢者や過疎地の買い物難民と巨大資本の進出による弊害を描いた食品物流の物語です。
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★★★
今月10冊目
久々の楡周平。
ダイエー創業者のオマージュ系小説。
戦後闇市から始まりネットまで、面白かった。