紙の本
読み易い円城塔
2015/10/29 11:56
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投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやー、短編集は挫折したけどこれはわかりやすくて面白かった。とはいえじゃあどんな内容だったかって尋ねられても説明できる様なものじゃなくて、牧野修と野崎まどと西尾維新あたりを混ぜ合わせて、夏休みに理数系の勉強を一日15時間ずつくらい叩き込んだらこんな感じになりそうだよなぁっていう、理屈理論の綱渡りみたいな小説で、主な筋としては超知性との戦争ってことになるんだろうか。わからん。しかしモアレだとか偽色だとか、なんでそんな専門用語まで知ってるんだろう、この人。
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よくわからないですね、と言ってしまえばそれまで。
→https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12118505189.html
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吃驚するくらい意味が分からなかった。
これはもう、現生人類に向けて書かれたものはないのかも知れない、と思えるくらいわけが分からなかった。
では誰に向けて書かれたものなのか、というと、これは「次の文明に向けた神話」なのではないか、と思うのである。
例えば現在の文明が何らかの原因で滅亡したとして、その何万年後か何億年後か、あるいは何日後かに新しい文明が成立したとする。
その「次の文明」の霊長たる知性体に向けて書き残される現文明の終章、すなわちエピローグである。というわけである。
昔々、私たちはこの世界の成り立ちを神話という物語に求めて、物語の延長としての現実を生きていた。物語から現実への次元のシフトがこれであり、その先には現実から物語への回帰がある。
プログラムされた言語による物語中の人格が、自らを「肉体を持つ生命体である」と認識して増殖し、物語の中で形成していく文明。それが次の文明の姿なのかもしれない。
彼らにとっての創世記はもしかすると、こんな小説なのかもしれない。
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正直、頭の中で映像が構築できませんでした。
誰かに映画化してほしいな~と思います。
最後まで読み切ることができる内容ではあるのですが、内容が「もやもや」してて、読後の読み切った感があんまりないので星2つです。
多重世界と多重認識の層を重ねて展開されるので、「人間は関係代名詞が7つ以上あると文章が理解できない」に近いレベルの内容ではないでしょうか。
ある意味、作者は頭がいいのだろうな~、と思いますが、読者ではついていけない人が多いのでは?という気も。
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同じ話の流れで、言葉遊び、文字遊び、ジャンルのパロディ、作品のパロディ、メタファーと詰め込まれて、スケールも大小して、視点もコロコロかわりとやられたら、読むのが大変じゃないですか。そこが好きです。
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わかるかわからないかで言うとわからない。でもなんか読んでいるとときどきすごくわーおもしろいなあっておもって、わかってきたような気がしたところでわからなくなる。はぐらかされる。でも、結局これってただのラブストーリーですよね。違うの?
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今は無理だけど、10年後、20年後に、この小説を面白い(ないしは、つまらない)と思える程、言葉や時間や空間について分かる様になっていたらいいなと思う。
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その表現力は、現代のシェイクスピアだと思います。
考えるのではなく、感じる物語。
視点、時間、空間(宇宙)、物語が実に不安定、超越的知性によるストーリーラインの改竄、改訂。
紙面上で行われる形而上の戦いがなんとなく面白い。文字通り。
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心地よい「ちんぷんかんぷん」は、次第にただの「ちんぷんかんぷん」になり、いつしか苦痛の「ちんぷんかんぷん」となる。同じ「ちんぷんかんぷん」なのに読み進めるうちに形容詞が次第に変化するという貴重な体験をさせてもらった。という意味では読んだ価値はあるのかもしれないけれど。
ここには新しいビジョンがある。
でもそれを推進するエンジンはなかった。
円城塔に長編は向いてない。
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円城さんを読んだのは初めて。以前王城舞太郎読んだ時感じたものに近いものを感じた。SF?ミステリ?の最近のトレンドなのかな…?ナンセンス文学に片足突っ込んでるというか…。
ストーリーラインなり叙述トリックなり出てくる単語が、《こちら側》を意識させて物語の中の話をしているやら外の話をしているやら…みたいな…。これはこれで面白かった。
高島平図書館。新刊棚。
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膨張するデジタル宇宙で起こる法則の、および、ストーリーの主導権争い。朝戸連、榎室南緒と榎室春乃、アラクネとその妻。「生命とは、変更を続けるデータである。」一般読者には比較的読みやすいだろうが、そのおかげで、この作者の作品として最上だとは言えないものになっている。抽象画に具象的題材を持ち込むような愚である。編集者にでも圧力をかけられたたのであろう。
この作者の主題は、概念と現実の関係であり、そこに日常認識が入ってエピローグとなる。概念は理論物理学的概念、現実は記号で記述されるべき物理的現実。ペンローズ的ではある。
移動図書館で借りて。
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円城塔の作品は難解というか、時間をかけて読み進めていかないと迷子になってしまう感があるので、さすがに長編となると読み進めるのが若干しんどかったかな。
個人的には、人類滅亡の描写がとても好きだった。人類の理解を超えた美しさをもった世界を文章だけでここまで表現してしまうのはやはり素晴らしい。読んでいて本当に世界の美しさを感じとれた。