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面白いのは間違いない。欲をいうなら…
2019/01/13 19:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おか - この投稿者のレビュー一覧を見る
終末期を迎えた世界の話。感情を持たない女性、ノトは、義兄弟の預言に導かれ、「救世主の守護者」を集める旅に出る。
展開が早く、ラストシーンまで一気に読んでしまいました。
ノトの純粋さ、高潔さはカッコいいですし、守護者たちのキャラクターも魅力的。それだけに、もっとひとつひとつのエピソードをじっくり読みたかったなーという気持ちが残ります。
多崎先生の描かれる世界にもっと浸っていたいのに、場面が切り替わるのが早すぎる…。
これは語り部であるノトの特殊性も関係しているのかもしれませんし、スムーズ過ぎるように思えた守護者探しにもラストでちゃんとオチがつくのですが。どこまで多崎先生の計算なのかな。
もだもだ、イライラする展開が苦手な私ですら、少し物足りなさを感じてしまいました。
お話は間違いなく面白いです。多崎先生ならではの話運びもさすが。
欲を言うなら、もっと焦らして欲しかった。
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長年の戦で荒廃した世界。
そこでは語り継がれる終末神話があった。
SFファンタジー…かな?
一人称が淡々としすぎてて、さらさらっと終わってしまった。
シリーズにしてもう少しゆっくり進めてくれてもいいのに…。仲間を集めるくだりだけでもあの倍はかけていいと思うし。
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救世主と、その守護者の伝説がある世界。感情のない主人公が守護者の一人として旅に出るが、自らが救世主として、人々を新世界(復興した地球)に導く話。
序盤の仲間集めが、予言にしたがって淡々と進んで行ってしまうが、終盤はちょっと盛り上がる。
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宮廷預言者にして『真実』の守護者たる義兄ホリディが、姿を消した。それは、終末神話の始まり。
救世主の『運命』の守護者となるべく育てられた少女ノト・ファーレは、義兄の残した預言をたどり、残り3人の守護者『勇気』『叡智』『恩寵』を探す旅に出る。
ノトの言葉に応じ集った守護者たちは、幼い頃の記憶と感情を持たないノトにとって、初めての大切な仲間となった。
しかし、預言の成就の時には、彼らは救世主とともに邪神と戦い、命を落とす事になる。
世界を救う一方で、仲間たちをも守る事は出来ないのか。
預言に、運命に、神に抗おうとするノトの選ぶ道は…
多崎礼さんの、ファンタジーのフリをしたSF…と書いただけでネタバレになりそう。
う〜〜、このストーリー、この世界がこの分量?!もったいない…!!
多崎作品は、個々の作品ごとに組み立てられた独特の世界観と結びついたストーリーが魅力なので、これだけの物語を描くなら、せめて倍くらいのボリュームがないと、長い長いあらすじみたい。
いつか、『完全版』が刊行されないかなぁ。
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多崎礼さんの本、2冊目。
世界の命運を分ける、ある責務を背負うことになった少女ノトのファンタジー。
独自の世界観を作り上げる才は見事。でも自分の理解力が未熟で前半はその世界観を把握するのに手間取った(個人的ファンタジーあるある)。だが後半に近づくにつれページを捲る手が止まらず一気にラストまで。ちょっと駆け足気味に感じました。
よかった、魅力的なキャラクター達も。せっかく魅力的な設定なのでもっと掘り下げてほしい。
ネタバレせずに書くと、最後の展開がまた複雑な重要ポイントなのに(いい意味で)わりとあっさり説明でボリューム割いてないのが勿体無いなぁと。
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デビュー作の興奮のまま2作目読みました。またテイストの違う感じですが、人の嫌なところと良いところの二面性を描くのは変わらず。
世界が終わるから、新たな世界へ(ノアの方舟のよう)という体で始まり、最後はちゃんと新たな世界に行けました。しかもこの話はファンタジーではなくSFで、こわれた地球が復旧した後の、適切な時期に地球に戻すために設定した伝説によって翻弄される話でした。色々示唆的な話なんでしょうが、宗教の知識があまりないゆえにSFとしてたのしく読み切った感じです。