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紙の本
大きな、小さな、お友達になれるかな
2015/11/20 17:41
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦車や戦闘機で巨大な生き物を迎え撃ち、反対に完膚なきまでに叩かれる、そこに駆けつける正義の味方が登場しない、かと言って、人類が苦境に立たされ、謎の生命体が我が物顔に振舞う世界である、とも言い難い、共存共栄の途上を描く作品である。
この世界でヒーローの役目を果たすのは、怪獣とのコミュニケーション能力に長けた女性で、生まれつきの才能が物を言う、その技を磨く少女とその同級生や先輩、教師や研究者の卵の群像劇だと言える本作は、若い女の子が活躍する、男の血と汗と涙が一滴も大地に注がれない、牧歌的な女子校の日常が主体で、心休まる雰囲気が漲っている。
一巻だけでも複数の怪獣が登場し、身の危険を伴う騒動が巻き起こり、破壊された立ち入り制限区域などの穏やかとは言いがたい現実も散見するが、淡白な画面と語り口により、蚊やゴキブリ、蠅に狼狽えるのと何ら変わらず、長閑な、ほのぼのとした学園生活であり、そこが物足りなさを感じさせる一因であろう。
確かに、不遇な研究者の存在や、転職を余儀なくされる病状など、女の子の可愛らしさとは無縁の話題が、今後の伏線としてだけではなく、怪獣の生態や作品世界にリアリティーを与える役割を担い、逆に、ペットに出来そうなキャラクターの愛くるしさがアニメやゲームと同等のフィクションの世界を意識させる、不安定ではない微妙な緊張感も認められ、奥が深い。
あとがきを読めば、作者の意図は明瞭で、そこに重きを置き過ぎている嫌いがあり、また、その言葉とは裏腹な中途半端な性的嗜好と描写が、どこまで読者を満足させるのか、期待外れだと指弾されるか、どっちつかずで、次巻以降、新たな怪獣との関わり方が模索されるのか注意が必要だ。
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