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「海猫」の熱が冷めやらぬうちに手にとりました。
三カ国、戦前から現代へと舞台も時代設定も大がかりで面白そうだったのに読むのがかなり遅かったです。
「海猫」のように壮絶な愛憎劇ではなかったからかも。
相変わらずしっかり取材なさってるので、その時代や風景の描写だけでも楽しめます。
しかし肝心の恋愛描写では、また共感も感情移入もできませんでした。
「そこまでしなかったら、みんなが幸せになれたんじゃない?」「そんなことでこんなこと考えるの?」と、もやもやした感情ばかりが浮かびました。
不倫の話を読むべきではなかったのか、谷村さんの本を読むべきではなかったのか…。
自分が一番悪いとは思いますが。
「十四歳のエンゲージ」や「雪になる」は普通に面白いと思ったのに。
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第二次世界大戦の函館を舞台にした物語です。主人公に対してわかっていてどうしてと思いましたが、そこまで想いを懸ける相手と出会えたのは幸せなのかなと。
谷村さんの函館を舞台にした小説は良いです。私にとって函館が想い入れのある場所だから、余計にそう感じます。
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両親とは似ても似つかない自分の容姿に気づいて以来、生い立ちに疑問を持ちながら育ったりえ。
その疑問を解くカギが、60を過ぎたある日りえの手元に届いた。
居ても立っても居られず、家族の反対を押し切り謎を追うため函館へと通うりえの前に、そのルーツが少しずつ姿を現わし始める…。
戦争に翻弄されながらもしたたかに自らの愛を追い求めた一人の女性。ときには相手さえもたじろがせるほどの強い愛は一体どこからきたのだろうか。
選択を誤らなければもっと幸せになれたはずなのにと思わずにはいられないが、これが彼女にとって最も幸せな人生だったのかもしれない。
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自らの出生の秘密を紐解いていくお話なんだけど
こうも堂々と不倫故の純愛にすり替えられてしまっているのは如何なのものなんだろう。奥さんの立場からの物語だとどうしようもないお話になっているはず。
そんな不可思議な設定でも、戦争の混乱の中で外国人を愛してしまった主人公が身を堕としても愛を貫こうとする物語は読み応えがあったのも事実。
静かに時が過ぎていくのを形見のイコンがじっと見守っていたんだね。
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海の母親かもしれない人の人生
娘はそれを追いかけ何を思う
戦争もからみ生きにくそうだったろうなと
思いながらも本人たちは一生懸命生きてた
500ページ超の作品
現在と過去(主に過去)でストーリーが展開される
黒木瞳が解説ですごいはまってるようだったけど
それもわかる気がしました
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高校生の頃読んで以来、図書館に行って何度も借りては読むくらい、大好きな作品です。
表紙が厚くても手に入れたくて、書店で探すけれど、どうしてか見つけられないのが悲しい…
最初に読んだ時は、身請けしてくれた秋山と一緒にいた方が幸せだったんじゃないかと、もどかしい気持ちでした。
しかし読み返すごとに、秋山がさわの気持ちを試した時点で、奉公の頃から優しく受け入れて、信じてくれるドミトリーとの愛の違いがはっきりしたのだと思うようになりました。
さわはきっと何度人生を繰り返しても、ドミトリーへの愛に生きる選択をすると思います。
獄中で出産する場面はいつも目が熱くなってしまいます。