目の着けどころが流石です
2018/12/31 21:00
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投稿者:多摩のおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店の店先にあったのを偶々手にとったのであったが、テレビの歴史探訪番組でその闊達な展開ぶりが、
そのまま文章に表われており、あっと言う間に読み終わったあとの爽快感は最高でした。
特に、龍馬襲撃の直前にせまるやす寺のあたりの考証は、目から鱗でした。
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
待望の文庫化。すぐさま購入し、一気に読み終わりました。期待通りの好著でした。
本書では、龍馬自身が書いた手紙等の一次資料を丹念に読み、当時の社会情勢と符合させ分析する手法が功を奏し、龍馬の実像が見事に浮かび上がっています。さらに、龍馬暗殺についても極めて合理的に分かりやすく解析されていて、本書は龍馬の実像を知る決定版と言っても過言ではありません。この説得力は、磯田氏の真骨頂と言えるでしょう。
特に「龍馬暗殺に謎なし」(第3章)と言い切るだけあって、非常に明快な分析に感心しました。龍馬暗殺については、珍説・奇説が横行しているだけに、スッキリしました。
私自身は、半藤氏が指摘している「薩長同盟も大政奉還も船中八策も龍馬のオリジナルではなく龍馬には独創性はない。龍馬は目利きができ抜群の行動力があるため、幕末における潤滑油としての貢献は極めて大きかった」という龍馬像に賛同してきました。そして、仮に龍馬が存在しなくても維新は成し遂げられただろうし、あくまでも潤滑油程度の存在にすぎないと考えていました。
本書を読んで、龍馬は幕末のキーマンとまではいかなくても、キーマンに近い存在であると考え直しました。龍馬自身には構想力はなかったかもしれませんが、他人の練った政策や構想の良し悪しを見抜く力は突出しています。さらにそれを十分に咀嚼した上で、実現に向け大胆に実行していく行動力により、江戸幕府の最終局面では、潤滑油以上の貢献をしたと思います。あの局面で暗殺されたのは大変残念です。
ところで、磯田氏は控えめに主張しています(15ページ・35ページ)が、あの「竜馬がゆく」は小説の世界と割り切って読んだ方が良いようです。つまり龍馬を美化するための司馬氏による創作が含まれています(だから「竜馬」なのです)。小説の世界を楽しんだ上で、龍馬の実像を追うことも歴史の醍醐味です。
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坂本龍馬の歴史的資料を紐解きつつ、日本の幕末史を読み解こうという試みの本。
倒幕派の人々の仲立ちをし、協力関係を取り結んだ男の生涯を辿ることで、複雑な幕末史の見通しが良くなる。
簡潔にして明快な論理。難解な言葉遣いもなく、非常に読みやすい。
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前回の「本能寺の変」関連本と同様、お付き合いのある怪しい社長さんから紹介してもらった本、読了です。
歴史物は歴史小説、歴史本、トンデモ本問わず好きである。
というか、正当派の学術的なノリよりもどちらかというとifモノ、スパイスのちょっと利いたトンデモ系の方が好きなのかもしれないということに本書で気づかされた。
龍馬を軸とした幕末史ということで、結構なボリュームかと思いきや索引含めても231ページしかないので結構さらっと読み終えた。
『龍馬』という人物が如何にしてできあがったかから、幕末の活躍、そして暗殺の真実と一通りの作者が史実を客観的に分析していった上で龍馬像が浮かび上がる。
なにより新鮮だったのは、亀山社中・海援隊の位置づけだった。
従来、日本で初めての株式会社とか薩長土をつなぐ武器商人とかどちらかというと経済的な位置づけがなされていたこの両組織を「海軍」それも私的な海軍としてとらえ、その功績を史実から整理していくくだりは新鮮であり、当時列強諸国が何のために国力を集中させる必要があったのか?また、幕末の日本でなぜ神戸操練所に佐幕・尊皇を問わず人材が集められていたのか?の謎が一気に晴らされる点が秀逸である。
また、ラストまで一気に引き込まれる龍馬暗殺の謎解き。
作者はもはや当時の資料が次から次へと明らかにされており、謎でも何でもないという。
たしかに、当時の資料、証言、状況証拠を駆使して解かれていく謎を前にこれまでワクワクしていたモノが次第に薄れていく。
最後に作者はこう締めている。
「龍馬ほどの人物が殺されたのだから、その犯人はできるだけ大物であって欲しい。あるいは何かとてつもない大きな陰謀が事件の裏にあって欲しい。そういう龍馬に対する敬意の念に発した「願望」が我々の中にあるのかもしれません。」
はい、すいません。仰るとおりです。だから真実を知りたくともできれば謎は謎のままトンデモな論説でこれからもずっと歴史ロマンを追い続けたい。これが、一読者の願望なのです…(^^;)ハハハ。
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龍馬の手紙等に基づき、客観的にリアルに龍馬の果たした役割、龍馬の死の謎等に迫る。
龍馬は、小説に描かれたイメージに引っ張られることが多いが、文献・資料に基づき龍馬の実像に迫り、成程という内容になっている。
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坂本龍馬の死についてはイロイロな話があります、誰が暗殺の実行犯なのか?それを命じた黒幕は誰なのか?
この本、磯田先生の話を理解して、長年の疑問が解決しそうです。
龍馬を題材にすることで、いままで数多くの作家が龍馬の死を描いてきましたが、首を傾げたくなるものが多かったですよね。
それは、この一冊で解決します。
驚きの展開ではありません、今まで「こうじゃないの?」と言っていた展開の箔押しです。
その他にも、この本からは龍馬の周りにいた人間たちの真の姿、そして「とってもやっかいな龍馬」を感じられます。
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≪目次≫
はじめに
第1章 自筆書状から龍馬を知る
第2章 龍馬、幕末を生きる
第3章 龍馬暗殺に謎なし
あとがき
≪内容≫
『武士の家計簿』の磯田先生の本。磯田先生がとても信頼できるのは、文献をきちんと読みこんでいるから。龍馬の生き方、その暗殺の謎ともに、わかりやすく書かれています(謎の解読は読んでからにしてください)。元本は2010年刊のものですが、文庫になって手に取りやすいので、幕末ファンの方は是非!。龍馬の魅力は少しも変わってませんから…。
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龍馬の死の真相、そして幕末の動乱を、龍馬が残した手紙や、様々な証言から、解き明かして行く歴史書。暗殺の黒幕を消去法的に炙り出していく様は、非常に説得力があり、読み応えがあった。
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龍馬の実像がわかる本。あまりにも美化されすぎた龍馬の本当の話を教えてくれた。龍馬関連の中では特におもしろい本だった。
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いつもみてる歴史番組でお話されている磯田先生の本。全体的に龍馬って実際は何した人か、また暗殺者は本当は誰なのかについて書かれている。やはりというか龍馬はいろいろな手紙やら文献をたくさん残しているように明るい人物でそのあけっぴろげな人格が後に暗殺されるきっかけをつくったとされたと著者はいっている。また、暗殺者も京都見廻組の佐々木を中心としたメンバーであり、陰謀論に対して批判を繰り返す内容であった。
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『武士の家計簿』の著者:磯田道史氏による、坂本龍馬の実像、暗殺の真相について論考した一冊。龍馬が残した多くの手紙を基にしており、説得力のある展開。暗殺命令を下したのは、〇〇というのが結論。
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2014.1.31~2.11 読了
龍馬暗殺犯を従来からの本命・見廻組であることをを古文書から検証、同時に傍説に根拠がないことを証明している。
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論理的な解釈で1日で読了。龍馬を通じて幕末期が理解できる作りになっている。
それにしても暗殺とは、現代にでは交通事故程度の衝撃だったのだろうか…
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龍馬については、司馬遼太郎をはじめ、書かれているものが多いが、あくまでフィクション。
「武士の家計簿」を書いた歴史家磯田道史による 『龍馬史』 は、主に龍馬の手紙などの資料をもとにした、歴史書。
龍馬はどのようにして武士を超えたのか、それははなぜか。生まれ、育った環境とその後の出会いだという。
誰に暗殺されたのか、その黒幕はだれか・・・ここには何も謎はないと言い切る。大河ドラマに出ておりますね。
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【幕末最大のミステリーの真相に迫る】龍馬を斬ったのは誰か? 黒幕は誰か? 史料の読解と巧みな推理で遂に謎が解かれた。諸説を論破し論争に終止符を打った画期的論考。