紙の本
総数の数と分布に関する研究の歴史を紹介
2005/01/04 20:20
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰でも、自然数とその四則演算は、知っているであろう。分数の乗除算はできない大学生もいるというが。この本の話題は、自然数の範囲内の話である。もっとも、解析学までつながってはいるのだが。1、2、3、……という自然数の中で、最も面白い数は、素数であろう。素人にとってだけでなく、数学者にとっても興味のあるものであるらしい。この本は、その数学者達が、素数が無限にあることや、それらがどのように分布して存在しているのか、その研究の歴史を、紹介している。数学的な内容は理解できないことが多かったが、なんとなく問題と考え方のイメージというか、全体像のようなものは、掴めたような気がする。数論が解析学といかにに結びついているか。単純な疑問も、数学の多種多様な分野と関係している。そのことが理解できた。そのように広い分野と関係しているからこそ、素数の分布という課題が、数学者の興味を引き付けるのであろう。勿論、百年以上解決できていない問題という、困難さも挑戦意欲をかきたてるのであろうが。
紙の本
内容紹介
2004/07/09 10:08
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投稿者:日経BP - この投稿者のレビュー一覧を見る
フェルマー予想が解決された現在、整数論での次の標的であるリーマン予想に対して取り組んできた数学者の紹介を中心に、素数を知る魅力、取り組みの変遷などを、多くのエピソードを織り込みながら、非数学的な観点をベースに著述した数学ドラマ。
奇数章で数学の直感的な説明、偶数章でその歴史的及び人間的なバックグラウンドを解説しています。
リーマン予想は、素数の分布に関する予想で、リーマンのゼータ関数の零点の実数部は1/2であるというもの。1900年にヒルベルトが提示した23の未解決問題及び2000年に米クレイ数学研究所が懸賞金付きで提示した7つの未解決問題の1つに挙げられています。年に1回は「証明した」という発表がされ、話題となる著名な予想。
登場人物は、(19世紀から20世紀前半までの数学者を除いて)ピエール・ドゥリーニュ(1978年フィールズ賞)、アラン・コンヌ(非可換幾何学、1982年フィールズ賞)、アラン・チューリング(反例を見つけようとした)、アンドリュー・オドリツコ(後に暗号理論で著名)、ヒュー・モンゴメリ(整数論)、フリーマン・ダイソン(物理学者)、など
■目次
プロローグ
第1部 素数定理
第1章 カード・マジック
第2章 土壌と作物
第3章 素数定理
第4章 巨人たちの肩に乗って
第5章 リーマンのゼータ関数
第6章 大融合
第7章 黄金の鍵と改訂版素数定理
第8章 見いだされる価値
第9章 広がる定義域
第10章 証明と転機
第2部 リーマン予想
第11章 数の体系
第12章 ヒルベルトの第8問題
第13章 複素関数を見る
第14章 執着に捉えられて
第15章 ビッグ・オーとメビウスのミュー
第16章 クリティカル・ラインを上る
第17章 代数を少々
第18章 数論と量子力学の出会い
第19章 黄金の鍵を回す
第20章 リーマン演算子とその他のアプローチ
第21章 誤差項
第22章 正しいかそうでないか、いずれかだ
エピローグ
付録 歌になったリーマン予想
註
訳者あとがき
索引
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大学の教養課程の数学くらいはとった人、が対象とのこと。私はちょうどこれにあてはまるのだが、最後は難しすぎてついていけなかった。それでも、リーマン予想がどういうものなのか理解することができた(気がする)のでよかった。途中までは、式の変形の仕方もきちんと書いてあったのがいい。
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素数に関わる数学上の大問題「リーマン予想」についての解説本。あの難解なリーマン予想をどこまで噛み砕いて解説してくれるのか。。。著者によれば大学で数学関連の講義を2~3取った人が前提らしい。ちなみに、この本を読んでもリーマン予想が理解できなかった諦めた方がいいそうだ。かなりの自信だ。個人的には、マーカス・デュ・ソートイの『素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス)』の方が分かりやすかったが。。。
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既読だが、先日別の同類書を読んで不満だったのでこちらをおすすめとして挙げておく。高校数学のレベルで素数の深淵の一端を垣間見られる良書。図と計算例を豊富に使用して、理解してもらおうとするエネルギーが素晴らしい。
神は素数に宿る。おそらく超越数や物理定数にも。
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リーマン予想について分かりやすく解説した本。途中から難解になるが、そもそもリーマン予想自体素人が扱うには十分過ぎるほど難しいので、それはいた仕方ない。それでも本書はなんとか理解させようと頑張っていると思う。
最後の頁で論ぜられる行列の演算子との関係、量子力学との関係、これはたとえ本書の内容を完璧に理解していなくとも、その不思議な世界に驚くこと間違いなしだ。
素数が魅せる深遠な世界を味わいたい方はこの本を読んでみるといい。
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数学界、世紀の難問「リーマン予想」の数学的解説とリーマン予想へ挑戦し続ける数学者たちの戦いの記録である。
この本は高校である程度数学の勉強をした大学生ぐらいの人を対象に、専門的な数学知識がなくてもリーマン予想が理解できるような解説をしている。
しかし、自分は根っからの文系なので、まったくと言っていいほど内容は理解できなかった。しかし、無限に広がる壮大な素数の世界を垣間見ることができるだけで面白かった。
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素人の自分でも十分理解できた気になれるほど丁寧な説明、歴史的な経緯を織りまぜた絶妙な構成、等々非常に完成度の高い本。
☆7つくらいあげても良いくらい楽しめました。
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素数にまつわる読み物が大好きなわたしは、題名だけで触手が動いた。素数は将来有望な数学者の人生を台無しにしてきたため、一部では不幸の数字とも言われているらしい。
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図書館。
取っつきにくいが、頑張って読むとそれなりに味わいがある。
素数定理についての話が出てくるが、それとリーマンのゼータ関数との関連が分かるのは、最後も最後の19賞になってからだ。
代数学の話は、さっぱり分からないし何のために登場したのかすら理解できなかった。
ゼータ関数を素数のかけ算に展開するオイラーの式が根幹になっていて、オイラーの偉大さをあらためて実感させる。
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半分ほど読んだところで挫折・・・
読み物としては、あまり引き込まれる文体ではない。見慣れない言葉(名前や地名の羅列)が多いせいもあるだろう。少しでも正確に書こうとするあまりかえって分かりにくくなっているのかも。日本語訳もあまり滑らかではない。というか好みではない。平行して読んでいた「数学ガール」の解り易さ、読み易さとどうしても比べてしまう。数学ガールも似た内容を扱っているので。
中盤、だんだん文体にも慣れて来たが、数学の歴史と証明的な内容を交互に書くやり方がしっくり来ず若干読み難い。また、大事な定理とかは復習の意味も込めて何回かまとめて出て来てほしいが、「何章のどこどこで触れた〜」的な書方が多いので、思い出そうとするとその場所を探して読み直すしかない。その辺が、読み物なのに教科書的で読み難いところ。
リーマン予想とは何なのか?をざっくり理解できるまでの道のりが長過ぎるのではなかろうか。半分ほど読んだところでようやく、「ゼータ関数の引数を複素数zとした場合、ζ(z)=0となるような複素数zの実数部は1/2である。ただしzが負の偶数の場合を除く」ということが理解できた。(薄々そう思っていたが、やっぱりそうなんだと思えた。)始めからこんな感じで概略が書いてあればもっと早めに概要をとらえられたのに・・・まずリーマン予想をwikiで調べてから読み始めるべきだったかも。
ただし、数学的な解説は丁寧でなので、「なぜ今その話をしているのか?」が分かっていればきっと理解の助けになるだろう。もう少し、回り道をして、リーマン予想の概要をつかんでからもう一度この本にチャレンジしよう。
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今なお未解決の素数の重要問題「リーマン予想」の数学的解説と、
その問題の歴史及び、問題に取り組んで来た数学者のエピソードから
構成される本書。
数学的解説と、歴史やエピソードの紹介とが
章毎に分かれているので、例え数学が苦手でも
最後まである程度楽しめることもできます。
歴史部分を読むだけでもそれなりに楽しめるので。
僕はわりと序盤の「ゼータ関数」が出て来たくらいで
すでに雲行きは怪しかったですが、
数学的解説はとても丁寧だったと思います。
こういう本を書けるということ自体に
作者の読ませる力を感じました。
サイモン・シンの著作などの、理系ノンフィクションが好きな人、
または、「リーマン予想」に興味がある人の最初の一冊として、
おすすめの一冊だと思います。
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高校2年生レベルの数学ですこしでもリーマン予想について理解したければこれがよいです。4次関数や複素平面、対数はあたりまえに出てきますけどね。
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リーマン予想に関する解説。一番のポイントは、理系大卒程度の人がギリギリ理解できるところを狙って、一般書にもかかわらず数式による説明を試みたところ。本質とは程遠いと思うが、文字だけで書かれるよりも、丁寧に数式をたどることによって、リーマン予想に、より近づいた気分になることができる。
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本書の目指すところは、リーマン予想とその結果から導き出されることの解説である。 リーマン予想は、150年間多くの数学者の挑戦を羽解し続けている問題であり、その定義すら数学の門外漢には理解できない(高校数学レベルで理解できるフェルマーの大定理とは対象的である)。しかし、その定義をしないことにはこれ以降話が進められないので、適当に誤魔化して下記する。 まずは、オイラーが研究していた式から。 ζ(x) = 1 + 1/2^x + 1/3^x + 1/4^x ...この式は、x > 1のとき収束して値を持つ。その他は発散して定義できない。「x>1」の定義域を「x:1を除くすべての複素数」に拡張したのがリーマンのζ関数である。これ以降、ζ関数とはリーマンのζ関数を指すことにする。 リーマン予想とは、「ζ(x) の自明でない零点 xは、全て実部が 1/2 の直線上に存在する」である。零点とはζ(x)=0となる値のことである。従ってリーマン予想とは、「自明でないζ(x)=0の解は、1/2+ri(i:虚数 rは実数)とあらわせる」と言い換えることが出来る。 これが、表題の素数とどう関係するのか。それは、この式が、素数の発生確率と密接な関係があるからである。では、なぜこのような無限級数が素数と関係あるのか。人類でこの関係を明らかにしたものはいない。もしかするとリーマンは何らかの事実を手に入れていたのかもしれないが、40歳という年齢でこの世を旅立った彼は、それに関する断定的なことを残してはいない。私の人生が終わるまでにこのことが明らかになることを切に願うばかりである。 なお、この本は非常にハードである。間違いなくこのサイトに掲載している数学関連本の中でも群を抜いて難解である。数学を専攻した私でも(実は、解析は計算が面倒なのでほとんど勉強したことはない)、読むのにかなり骨が折れた。数学リテラシーの低い人には到底理解不能なので読むべきではないが、高い山ほど制覇したときの達成感が大きいことはいうまでもない。あえてチャレンジするのも良いかもしれない。 本書を読んで一日経過。いまだに混乱が続いているがなんとなく思いついたことを追記。 リーマンのζ関数から派生した数学に、量子力学のモデル候補があるらしい。ζ関数は素数列と強い相関があり、量子力学はこれ以上割り切れない小さい粒子を扱うのだから数論的であるため、このことは驚くにあたらない。一方、相対性理論は微分積分(解析)の世界である。数論と解析。通常関係なさそうな数学が、ζ関数で結ばれている。であるのだから、量子力学と相対理論の相矛盾を解決する数学モデルもζ関数と関係あるではないか? もしそうだとすれば、相対論的宇宙がリーマン幾何で現されていることとあいまって、リーマンの偉大さを今更ながら思い知ることになるだろう。