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どこか『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を思い起こさせるルナ・リュミエール選抜戦が描かれる第2巻
第1巻はメリダの存在を学園に認めさせると同時にクーファの暗躍を描くというものだったのだけど、この巻では改めてメリダとエリーゼの関係性にスポットライトを当てているね
第1巻ではメリダとエリーゼが協力して誘拐事件に立ち向かうことで絆を取り戻した。でも、その時取り戻したのはあくまでも真っ当に話したり手を取り合ったり出来るようになったというものであって、幼少期の関係性を取り戻せたというわけではないんだよね
それに気付けないメリダ、静かに苛立ちを募らせていくエリーゼ。二人の諍いがやがて選抜戦へも影響していく様は、メリダとエリーゼの間に横たわっていた本家と分家という壁、正式なパラディンとサムライという位階の違い、何よりも大きすぎるステータスの差を如実に影響しているかのよう
そもそもこのルナ・リュミエール選抜戦はかなり風変わりな選挙戦
どの試練においても試合形式で勝者を決める形になっているのに、大切なのは観客からルナ・リュミエールに相応しいと見られているかどうかであって、真の勝者を決めるのもある意味人気投票のようなもの
目の前の敵を倒せば栄光が手に入るというわけではない
それは今回の事件も同じこと
生徒に紛れ込んだブラック=マディアを見つけ出すとかミセス・オセローの企みを暴くとか、そんな目の前の問題は大事ではなくて、この巻において最も大切な問題は突如「リタと対等でいたくない」と言ったエリーゼの心の問題
極論、ルナ・リュミエールが誰になるとか、メリダの位階がバレてしまうかもと言った問題も些末でしか無いのかも知れない
試練の中で正面からエリーゼを上回ったメリダ
それはかなり泥臭い遣り方では有ったけど、だからこそエリーゼには出来ない戦い方。それこそがエリーゼが何年も待ち焦がれていた憧れの姿だったのだろうね