紙の本
バラエティに富む
2017/02/04 21:37
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
あさのあつこさんが引き出しをいっぱい開けて書いた短編集。中でも表題作が味わい深い。妻に相談ひとつ無く自らの道を行った夫。妻の目にはいつまでもその姿が焼き付いているのだろう。
紙の本
あさのあつこ 感服
2016/05/04 07:52
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投稿者:菊男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
すでに、あさのさんの作品(いわゆる時代もの)を何作か読んでいますが、
短編集でありことにより、ここの作品の人としての大事なものに対する真摯な取り組みがひとつ、ひとつ積み重なりあっていました。そして読み終えて1冊全体としての心にあたたく深い何かが広がってゆきました。
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あさのあつこさんの歴史小説は、やっぱりいい。
移ろい行く季節を背景に、人の業をなんて鮮やかに描き出すんだろう。
それと、あさのさんの書く黒は、どんな黒よりも深い色をしている。
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【山河豊かな小藩を舞台に、一途な愛を描く】仇討に出た男の帰りを待つ遊女、夫に自害された妻の選ぶ道、若き日に愛した娘との約束のため位を追われる男――傑作時代小説中篇集。
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あさのあつこの歴史小説短編集。男は下級だけど武士だったりしっかりした商人だったりそれなりに社会の中でしっかり働いている。女は遊郭にいたり農家のムスメだったり、たまには武家の娘もいるけれど、そういうパターンが多い。そんな中で男と女の関係はいろいろあるわな。当時の社会の在り方の中で、どうにもならない悲しい関係はたくさん起きて。すぐに命にも直結して。あの時代だから、なんだけど。
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短編集、とも違うなあ、とある藩のあちこちの、男と女の生き様アンソロジーというか。奥に同じ景色がある粋な設定。
甚三郎始末記/女、ふたり/花散らせる風に/風を待つ/もう一枝あれかし
柚香下川、槙野川の流れるとある小藩、小舞藩、これ架空なんだろうけれど、読み終える頃にはこの藩の景色がなんとなく見える。季節の移ろいも、ひとの暮らしも。それぞれの短編の人間関係はつながってないんだけども、おなじ藩のおなじ時代の出来事で、こういう設定の短編はありそうでなかった。視点は侍であったり武家の妻であったり女郎であったり。立場さまざまで男と女が思いを抱え。ラストの「もう一枝~」は肉付けすれば映画になりそう。秘めたる思いが胸打つストーリー。
光景描写が細やかで、せつなく美しい景色が見える一冊、でした。◎。
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表題作含む5編収録の短編集。
いろいろな立場の男女が織りなす恋愛模様、それに付随するそれぞれの始末が同じ藩を舞台に描かれている時代小説。
世の中、大抵のことは思うとおりにいかない。永遠に続く平穏な関係というのは珍しい。それでも人が人のことを思うとき、そこに直接の言葉はなくても感じ取るものがあるはず。そこに生まれたドラマを余すことなく伝えている作品集。
時代小説というと、重厚で難しいイメージを持つ人も少なくはないと思うが、この作品集は難しい立場などを排除し、わかりやすく書かれている。