紙の本
シン・ゴジラに向けて
2016/12/30 02:27
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投稿者:ゴジラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シン・ゴジラの公開に向けて『ゴジラ』と『エヴァンゲリオン』それぞれの作品についてまとめたものがこの本です。
実際に私がゴジラシリーズをDVDで観ていて、これはエヴァの影響を受けているシーンが描かれていると感じたりしていますが、エヴァ(アニメ)からゴジラ(特撮)に対する影響などを考えるうえで本書は読む価値があると思います。
紙の本
ゴジラ、エヴァンゲリオン。そして庵野秀明を考えることで考察する『シン・仮面ライダー』
2023/04/19 22:46
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
「視聴者は新しい驚きを求めるが、といってまったく未知のものには反応しない。驚く前に戸惑い、楽しむ前に遠退いてしまいかねない。作り手は受容者が楽しめるような「分かるようでいて謎めいている」「新しさを感じさせるが、意味が感じ取れる」ラインを探らねばならない。」
著者は「オタク的」知のありようとして以上のように述べている。が、同時にそれは日本文化が古来より持っている見立てや本歌取りといった手法と変わらない。連綿と続くシリーズものの作品を見ればそれは分かる。いかにもハリウッド映画らしいエメリッヒ監督の『GODZILLA』が批判されたのはゴジラから離れ過ぎていたのだろう。外国人にはオタク精神は分からないということなのかもしれないが、ギャレス・エドワーズ監督によって再度製作された際には、監督の意向に逆らって「ゴジラ」と日本語の発音で呼ぶ芹沢博士のセリフに海外の観客も喝采を送ったと言うから、この「オタク的」な思考もゴジラというキャラクターとともに海外進出しているのだろう。
すでに知識を持っている部分はワクワクしながら一気に読み進み、しかしながら未知の部分も興奮しながら読み進むのを止められない。ごく短い時間で読み終えたにも関わらず、さまざまな感慨を得ることができた。知っている場所では細かなところに注意する余裕ができ、見知らぬ所ではすべてを目を見開いた状態で見ることができる。そんな印象。
ゴジラほどにはエヴァンゲリオンに詳しくない。作品は観ているのだが、思い入れが少ないと言えばさらに正確か。しかし、本書を読んでエヴァを見直し、理解する必要性を感じた。『シン・ゴジラ』を理解し、『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』をより深く味わうには庵野氏の人となりをもう少し知ることが役立ちそうだ。それはつまりエヴァの理解が不可欠となる。
エヴァンゲリオンシリーズは庵野氏の内面の投影が色濃く感じられる。過去に原典作品のある『シン・ゴジラ』はそうはいかない、別ものと考えていた。それが『シン・ウルトラマン』で次第に自身のこだわり、自身の遊びが目立つようになってきた。そして『シン・仮面ライダー』でそれはよりエスカレートしているように見える。
ゴジラは畏怖の対象であり、意思の疎通など考えられない。
ウルトラマンは外星人として意思の疎通は困難だが、あちらから歩み寄ってくれた。
人間である仮面ライダーの登場人物たちは、我々のすぐ隣に居て、悲劇を呪い、幸福を求め、与えられた力を振るう。傍に居るからこそ意思は交錯し、すれ違い、ぶつかり合う。複数の登場人物の心情を描こうとすることが一層複雑になることは想像に難くない。
『シン・仮面ライダー』における登場人物たちの心象を、エヴァンゲリオンシリーズに投影した庵野氏の内面を通して見ることを試してみよう。執念とも言える強く、そして個人的な願望で世界を変えようとする碇ゲンドウは誰に当たるだろうか。
エヴァは繰り返しの物語。繰り返すたびにより絶望に近づきながら、それでも主人公は立ち上がる。立ち上がらざるを得ない。そのループの先はどこに向かうのか。
『シン・ゴジラ』において第5形態への進化を阻止した人類の未来。
『シン・ウルトラマン』でウルトラマンと共に戦い、ゼットンの脅威から逃れた人類は。
そして、石ノ森のマンガの途中で幕を閉じた『シン・仮面ライダー』。その海の眺めの明るさを信じればいいのか。あるいはすでに構想は存在すると言う続編「仮面の世界」と同じタイトルの石ノ森が描くマンガの最終話のように人類の未来への警鐘となるのか。
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ゴジラとエヴァンゲリオンの入門編か
2016/10/30 19:01
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投稿者:hiroyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルどおり「ゴジラとエヴァンゲリオン」の考察本であるが、夫々の梗概がメインで、それほど深い考察がある訳ではない。改めて両作を振り返るという意味では良いかもしれないが。
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シンゴジラのおまけとして
2016/08/04 19:48
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「シン・ゴジラ」に合わせて出版されたようだが、ゴジラとエヴァの概説書としてはいいが、あいかわらずこの著者は論に切れ味がない。しかし、エヴァの説明を聞いて未消化だった部分が氷解した点もあった。映画鑑賞後に読むのもいいかも。
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息子の夏休みに一緒にシンゴジラを見に行きました。
映画は、それなりに面白かったのですが。
この本は、いまいちよくわかりませんでした。
もともと、ゴジラがすきだったわけではないし
EVAはもっとわかりません。
なので。。。
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『シン・ゴジラ』を劇場で観るにあたり、初代『ゴジラ』をレンタルで観ました。その後でこの本を読み、ゴジラに対して更に興味を持ちました。ゴジラは大人向けの、奥深いものだと知りました。
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★2016年8月28日読了『ゴジラとエヴァンゲリオン』長山靖生著 評価B
高校同級生M氏の書評を見て、今日図書館で見つけて、早速読んでみました。
著者はかなりオタクであることは否定できませんが、その蘊蓄深いお話からまたまた発見があって、面白い読み物ではありました。著者は、1962年生まれの歯科医です。
かの『モスラ』(1961)の原作には、なんとフランス文学の重鎮、中村真一郎、福永武彦、堀田善衛らが参画していて、登場人物の記者の名前は、福田善一郎?!そのまんまじゃねえか!
ゴジラ→風の谷のナウシカの巨神兵→エヴァの系譜があること。
操縦者搭乗型の原型は、マジンガーℤであること。
1960年生まれの前後で、特撮好きかアニメ好きかに分かれること。
確かに私はその分水嶺で、どっちでも。。。。
年末の大晦日は、お手伝いを早く終えて、夕方からの怪獣映画放送を毎年楽しみにしていた口です。
いまはどちらかというとアニメ系ですが、、、
そしてよくわかったのは、この解説書を読んでも、エヴァンゲリオンが何を言わんとしているのか?さっぱり分からないということでした。確か2012年だったと思いますが、久しぶりの新作ということだったので、川崎シネチッタへ会社帰りに見に行きました。しかし、さっぱり映画の意味が分からなくて、困ったのですが、それは当然のことだったようです。だって、作っているご本人もその状態のようですから。。。気になるアニメですが、理解しようとしないこととしました。(笑)
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シン・ゴジラを鑑賞するにあたり、ゴジラとは?を知るために読む。
ゴジラの第1作は生まれる前だし、その他の作品も2作しか通しで見ていないので、この本を読みゴジラの生い立ちと変遷を理解することが出来た。基本は太平洋戦争の敗戦と、その後のアメリカによる世界支配の背景を、色濃く反映しているもののようだ。戦争が徐々に日本人の心から薄れていくにつれ、子供向けの商業ベースに変わっていき、それが飽きられてからは右往左往する展開で終わり、そして「シン・ゴジラ」出現となったものと理解した。
エヴァはこれはもう何回も繰り返し見たものである。キリスト教とエヴァとの解説本も読んだが、この本に書かれていた「父と子と聖霊との御名においてアーメン」父=ゲンドウ、子=シンジ、聖霊=レイ(ユイ)で世界を作る話という説が、キリスト教の世界観と端的に結びついて腑に落ちた。
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シンゴジラを見た後に読了。それぞれの歴史、作品の深い考察が系統立てて論じられている良い本なのだと思うけれど、どうしても元々のゴジラシリーズを全く観ていないため、その部分は理解が及ばず。エヴァのところだけ楽しく読んだ。
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借りたもの。
『シン・ゴジラ』公開に先駆けて、『エヴァンゲリオン』の歴史と、『ゴジラ』の歴史をまとめた本。
『ゴジラ』『エヴァ』に関する時系列はきちんとまとまっているので、考察本の入門として良い本。文庫なので読みやすい。
その分、著者の独創性を見出すものではないかもしれない……
ゴジラ制作秘話、「怪獣映画」というジャンルが成立していない時代のクリエイターの試行錯誤と、変容、昭和の模索が迷走になり、”大人向けから“子供だまし”になった事。
(ここでは庵野監督を筆頭にして)先人のクリエイティブに影響を受けている現代のクリエイターという視点から、エヴァのヒットを皮切りに認知度が高まった“オタクカルチャー”総論”だった。
インスパイア、オマージュを総称して「コピー」と解釈するのは、私は府に落ちない。
「やおい(山なし、オチなし、意味なし)」が、救いようのないキャラクターへの、ファンからの救済措置的な動機の指摘は、核心だと思う。
著者が”予定調和されて破壊神から守護神のようになったゴジラ”“スペクタクル(大人向け)から子供向け(露骨な教育要素)になってしまったゴジラ”を、庵野監督が初代『ゴジラ』”的”な恐怖要素をもたらしてくれるだろうという、淡い期待を込めているような節がある。
それは『エヴァ』に(TVシリーズが予算と時間の都合上、投げやりな作品であること、旧劇場版は救いと昇華の一歩手前で頓挫する寸止め状態であったにせよ)破滅的な要素の中に淡い希望を持たせている作風、『ヱヴァ(新劇場版)』の繰り返しと微妙な変化を持たせた物語展開から、『ゴジラ』シリーズの子供だましな紋切型展開を破壊しうる可能性を持っていると考えているのかもしれない。
『シン・ゴジラ』は初代『ゴジラ』がそうであるように、徹底した情報規制が成されていたので、この著者が執筆するにあたり、前もって『シン・ゴジラ』を観ていたとは思えないが……
『ゴジラ』と庵野監督の繋がりを見出そうと検証している本かもしれない。
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ぐいぐいと進んだ。
それは、ゴジラとエヴァのまとめだったということからで、別にその関わりが面白かったからというわけではない。
今回シンゴジラを庵野監督がやったからって繋いだんだろうが、最後の最後、双方が乗り換えられずにいる戦いないしは現実逃避を描いてきて、共通するものは「繰り返し」
なるほど。
仮面ライダーやウルトラマンもそうだろうと思うけども。
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庵野秀明 監督『シン・ゴジラ』を受けて執筆された、日本SF大賞と星雲賞を受賞した著述家による一冊。帯の「ゴジラは、なぜ皇居を迂回したのか?」のコピーに惹かれて購入。
概ねマニアなら既知のゴジラ史と設定と裏話の解説から始まり、エヴァの解説に入ったかと思うと、またゴジラの解説に戻るゴジラ愛に満ちた内容。
庵野秀明の背景にも迫り『新世紀エヴァンゲリオン』最終2話の逸脱した内容にも、本人発言のソースを引用し分析を試みる。アニメ『彼氏彼女の事情』の逸脱ぶりにも言及するべきであろうと思うが、SF色以外を排斥したいのだろうか触れてはいない。
既に怪獣やロボットやSFなどで表現が出尽くしたこの時代に、それらの本歌取りや焼き直しを自覚している庵野秀明。観る人が観たら、エヴァにはマジンガーZやデビルマン、またウルトラマンなどを感じられる。カントクくんは、自分自身を曝け出すことがオリジナルだと分かっているから。
特撮マニアとアニメマニアを共に抱え込むるキャパシティを持った両作品に、価値観の共有を訴えている。共有は喜び、反目は悲しみだから。
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シン・ゴジラが面白すぎて、知識を深めたくて読みました。
ゴジラについては、過去の作品をあまりよく知らないのですが、エヴァについては楽しく読めました。
エヴァ、観直したいです!
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読了。ゴジラの話は、あまり知らないのでついて行けなかった。エヴァンゲリオンの話は面白かった。もう一度テレビ版を見ようと思った。
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「ゴジラ」と「エヴァ」という特撮とアニメの最高峰の作品を解明する、というよりも、既にあらかた解き明かされでしまっていることを改めて読み返しつつ、そうだよねぇと納得して楽しむ本。