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これは面白い。現在漫画誌に連載中で単行本は三巻までしか出ていないですが、
どうやって話の決着をつけるんだろう?
と心配になるくらい風呂敷広げてます。
とんでもないお話になるのか?
それとも尻切れトンボになるのか?
私的にはかなり要注目のマンガです。
さてどんなマンガなのか?
ちょっと抽象的に表現してみます。
このマンガは人の欲望というもの描いていると思います。
そして、その欲望こそが
魔や呪いや鬼を生むという話になるのかなと?
出てくる大人たち、皆んな何か企んでいます(笑)
そういう意味ではマンガというより
大人向けの劇画というところかな。
主人公は45歳の神木トオルという男。
学生時代に小説を書いてみたら
新人賞をとっちゃって、ちやほやされる。
しかし、その後が続かず現在は小器用なフリーライターとして
どうにかこうにか生計を立てている。
彼は若い頃占い師にアドバイスをされて
携帯番号と名前だけを印刷した100枚の名刺を配った事があるんですね。
何か困った事があれば連絡してくれと。
で、それから20年くらい経ってんだけど
未だにポツリポツリと相談の電話がかかってくる。
で、神木は仕事柄、顔が広いので
相談の内容に合わせて知り合いを紹介したりもする。
いつもはそれでうまくいっていたんですが、
今回の依頼はいつもと違っていたんですね。
高名な小説家北川という男からの依頼。
自分を恨んでいると思われる5人の人間の中の誰かが
自分を呪ってサイキック攻撃を仕掛けている。
だから神木に5人のうちの誰が犯人なのか突き止めて欲しい、という依頼。
サイキック系の知り合いはいないと神木は困る。
しかし最近たまたま再会した昔の恋人レイコが
連れてきたいた女子高生マリが霊感が強い、という事で手伝ってもらう事にする。
そのマリとの出会いがきっかけとなって
神木は自らが〇〇の末裔である事を知ることになり・・。
物語は意外な展開に進んでいく。
と、まぁ伝奇物っぽい雰囲気もあるんですね。
半村良みたいな雰囲気もある。
霊能力とか呪術みたいなものが、
結構リアルな世界観の中で出てくる。
そこにあんまり違和感みたいなものがない、
というのもちょっと逆に怖かったりもしますね。
まぁ実際のところ、数年前には
いわゆる霊能者であるとか、口の悪い占い師みたいなオバさんが、
テレビの中で人気者だったりした時代もありましたね。
私は個人的にはその辺りはエンタメのひとつとしか捉えておりません。
しかし本気で頼りきっているというか信じている人も多いですよね。
それも世間的には優秀で立派な仕事を成し遂げていたりする人なんかでさえも。
このマンガの中で霊能力のあるするマリが
ある女性作家を非難する場面があります。
女性作家はその類いの事は全く信じないんだけれど、
ビジネスとして儲かるから、作品中に生まれ変わり��輪廻転生)などを書くことが多い。
で、実際にそれで本をたくさん売っている。
だけれど内心、そうした事をバカにしている。
それを聞いたマリは、それが本当かどうかが問題ではなくて、
そうした事を信じなくては生きていけない想い(つまり何らかの悲しい事情)を
持つ人たちは世の中にたくさんいて、
そうした人たちがあなたの作品を読んでいる、
という事も考えるべきだと言うんですね。
全くその通りでだなぁと思いました。
で、呪いとか霊感みたいなものも同じように、
それが物理的に存在するというよりも、
そうした考え方が世の中には必要でもある、
という事は間違いないところですね。
なかなか考えさせてくれるマンガです。
この本が関連してくるかな?
【文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫) 文庫 – 1999/9/8
京極 夏彦 (著)】
https://katsumaweb.net/home/thread/5641f79daf12d66d530001e1
2017/07/30 21:05