紙の本
タイトルから奥が深い「終末のフール」
2009/07/07 06:41
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:そらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「8年後に小惑星が地球に衝突し、滅亡する」という手垢のついた設定なのではあるが、そこは伊坂幸太郎ワールドのすごいところ。ハリウッド映画のように、人類の代表となるアメリカ人が劇的に活躍する設定の対極にあるストーリーに仕上がっている。8年前に滅亡が予告され、さらに5年後の設定。しかも舞台はおなじみ、仙台のとある住宅街。「あと3年で死ぬ。」なら平和に生きようとする小市民の視点から描かれている短編集。「あと3年で死ぬ」なら、あなたはどう生きようとするか?考えたことはありますか?生きている者は、もしかしたら明日死ぬかもしれないという可能性があることを忘れているほとんどの者たち。どう死ぬか?どう生きるか?の究極ともいえるテーマを軽やかに、そしてユーモアを含んで説いている、秀作である。
紙の本
命は永遠ではないことを静かに教えてくれる一冊
2020/07/18 16:28
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投稿者:Ryu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「8年後に地球が滅亡する」と確定したその5年後、と言う設定がいわゆるSF的なパニック小説とは一線を画しており、非常に面白かった。
それぞれの置かれた立場で生と死に向き合う姿を通して、まだまだ時間はあると無意識のうちにたかをくくっている自分に気付かされた。
支えてくれる大切な人への感謝を疎かにしていた事を静かに諭してくれた良書。
紙の本
どう生きるか
2020/05/27 16:29
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投稿者:Chii - この投稿者のレビュー一覧を見る
小惑星が三年後に地球に落ちてくるとわかっている今、あなたはどう生きるかを問いかけられたような本。
コロナコロナといわれるこのご時世、また次元が違うけど
どう生きるか考えさせられた。
見えない恐怖に怯えてる今、他人がこう言っているからこうだからではなく、うまく情報をキャッチして自分はどうするかと主体的に考えて生きねばと思った。
紙の本
死について
2019/01/27 21:51
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投稿者:Wakkun - この投稿者のレビュー一覧を見る
隕石が落下し、死を宣告された人々の話。
紙の本
伊坂さんが書くとこうなる
2017/03/02 20:27
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
三浦しをんさん、新井素子さんが似た設定で書いてますね。伊坂さんが書くと諦めの向こう側の風景になる。諦めを悟りと言い換えただけかもしれないが、それでも生きていく彼らは印象深い。
紙の本
地球の滅亡
2016/01/17 12:40
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投稿者:み - この投稿者のレビュー一覧を見る
それぞれの人物・家族たちが、残り少ないと言われる人生をどう過ごすのかというお話でした。読みながら自分やったらどうするかな、などと考えてみたり。
個人的には冬眠のガールが好きです。
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立て続けに伊坂本を読んだが、過去に読んだ伊坂本(ラッシュライフ、重力ピエロ、オーデュボンの祈り)とはちょっと微妙に雰囲気が違った。仙台を舞台にしていたのは今までと同じだったけど、作品間リンクとかも特になかったような気がする。まぁ、人類滅亡のシナリオなので迂闊にリンクしちゃうとその作品に変な影響が出ちゃうかも。
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2XXX年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか?
少し変わった人。そんな描写がやっぱり伊坂さんはうまいと思った。なんの違和感もなくそこに存在を感じさせてくれる。
もう少し話話の繋がりがあっても良かったかなと個人的には思う。
地球が滅びるとしたら。自分はいったいどんな生き方ができるかな。
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2009/6/27 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2016/1/12〜1/18
6年ものの積読本にして、1年ぶりの伊坂作品。
8年後に小惑星が衝突すると予言された5年目の日常を描くという絶妙な舞台設定。諦観が支配する中、それでも生きていく日常を八つの連作短編で描く。韻を踏んだタイトルも面白い。やっぱり、伊坂さんは凄いや。
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「世界が終るその前に今日、あなたは何をしますか?」
8編からなる短編集で、それぞれの物語の登場人物をそれぞれの物語にリンクさせ、巧みに絡ませているのは面白かった。
軽く読めるし、暇つぶしには最適な一冊。
個人的には、「太陽のシール」「冬眠のガール」「深海のポール」が好み。
「鋼鉄のウール」の“鋼鉄のキックボクサー”の異名を持つ苗場さんの言葉が印象的。
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
この人の描く男性は、どの男性も本当に魅力的でカッコいいから好きだ。兄弟を描かせると特に巧い。「籠城のビール」はストーリーは普通なんだけど、”虎一・辰二”兄弟が良かった。けど、相変わらず女性は一本調子なんだよなぁ・・・。
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あと3年で地球に小惑星が衝突するという状況下ですごす、さまざまな家族のオムニバス。社会の混乱は幾分落ち着き小康状態なのですが、絶望の香りが漂っていて、読んでいてずっと心の底に重いものがある気分でした。そんな状況でどう生きるか。自分ならどうするだろうと考えます。
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8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する。そう予告されてから5年。パニックが小康状態になった世界が舞台の連作短編集。まずはこの舞台設定に唸らされました。この設定だけでやられたという感じですよ。人類滅亡に対するパニックものは今までに数多ありますが、パニックが過ぎ去った後の人々の「生活」を描くなんていうのはなかなかに面白い視点ですな。諦観とは別の静けさが独特の世界観を作っています。どんな状況でも人は生活していくんだなと実感。そう、生きていくというよりも生活していくという表現の方がこの作品には合うかも。こんな時だろうとそんな時だろうと、自分が自分として生活できることが大事なんですな。
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「世界が終わるその前に今日あなたは何をしますか?」
このキャッチコピーを見た瞬間
伊坂幸太郎×アルマゲドン的何か=おもしろすぎる!!!
と思って即買いしてしまったこの一冊。
様々な人々の視点から書かれた8個全ての話が微妙に繋がっていて、それでいてそれぞれの話がちゃんと独立して成り立っている。
しかも、一つひとつの話が本当に心に染みてくるようで、本当に楽しめました。
また心に刺さった言葉をいくつか。
【答えははじめからあったんだ。それをいう度胸がなかっただけで】太陽のシール
【やらなければならないことを一つずつやり遂げていく。一つやり終えたら、次のことが見えてくるから。慌てずに】冬眠のガール
【ローキックと右フックができて、それと、客を夢中にさせられれば、他に何がいるんですか】鋼鉄のウール
【明日死ぬとしたら生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれぐらい生きるつもりの生き方なんですか?】鋼鉄のウール
最後の言葉がこの本を通じて一番好きな言葉です。
明日死ぬとしても変わらない生き方を常にする。
難しいことかもしれないけど、それを目指すことに意味があるのかも知れません。
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伊坂作品にしては、ひねくれてなくて、かなりストレートなカンジ。
テーマにそぐわないようだけど、なんかどれもほんわか、のほほんとしてて、素直にいい話ですきです。
ほんとは、誰にでも平等に与えられている死というものをリアルに考えて生きていたら、鋼鉄のウールの苗場さんみたいにいられるのにね。じたばたしたくないなぁ。
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あと3年しか生きられないとしたらどーする。
「終わり」がすぐそこに見えると、これまでと何も変わらないのに、今現在、この時、この瞬間がシアワセに思える。
今現在、この時、この瞬間から終わりまでの時間が貴く思える。
部活の引退が迫ったときも、すんげぇツラかった練習がもう出来なくなるのがやたら寂しい。
卒業が近くなると、何でもっと毎日ちゃんと学校生活を送らなかったんだろうと思ったりする。
余命1ヶ月の花嫁、みたいな。
そんなキモチで生きれたら、すんごぃ濃い人生になるんだろう。と思うけれど、それは絶対に不可能。
自分が死ぬと分かってても、すぐには死なないと思ってるし。親もすぐにはいなくならないと思ってる。
伊坂幸太郎が描く主人公たちは、自分自身を客観的に見ていて、どこか達観していて、すんごぃ自然体だ。
「死」は絶対にくることを知っていて、あきらめ、諦観を抱いているんだけども、そんなかでも前向き。
人は「死」を知って初めて「生」の意味づけをすることが出来る、んだって。