紙の本
あとがきに驚愕!
2017/08/09 09:01
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投稿者:まもり - この投稿者のレビュー一覧を見る
午前中費やして読み終えた!凄かった!読めて良かった!読んで良かった!の一言に尽きる。分かっていたことだけれど、「本編を読む後に読むこと」と注釈入りで書かれた訳者のあとがきは本編以上の驚愕を私にもたらせた。(絶対本編読んでから読むのがいいです)血の呪いなのか…子供の頃の大き過ぎるキズはその後の人生を変えてしまうということをと改めて知る。
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読み終わったあと、しばらく立ち上がれなかった。エネルギーを全て持っていかれた感じ。
凄まじいほどのスピード感と、まるで自分もそこに参加しているかのように丁寧な描写に、終始圧倒されます。時には叫び声を口から漏らしそうになりながら、息をつまらせて読みきりました。嘘です。叫びました。
一人一人の心理描写が細かいので、全員に感情移入してしまう程です。とにかく上下巻揃えて、すぐにでも読んでほしいです!
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或いは本作は…余りにも巧みに犯行を進め、意外な正体の強盗グループと、執念深くなかなかに鋭い担当刑事との対決という体裁でありながらも、“暴力”の連鎖とか、個人や社会と“暴力”とか、様々な価値観の人々が日常的に交差するスウェーデンのような“西欧諸国”の社会というような、何か広く深いテーマを奥底に持っているような気もする。
本作は「なかなかに好い翻訳ミステリー」と人気も高まっているようだが…実際、非常に面白い!!
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読み終わったー!眼が疲れ肩がバンバンになっても、中断出来なかった。いやー最初から最後までヒリヒリしたわ〜。
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下巻に入ったら,相変わらずものすごいのだけど精神的にしんどくなり,ペースが落ちてしまいました。。
3兄弟とヤスペル,アンネリーによる銀行強盗は一度も致命的なミスを犯すことなく続けられるが,長男レオは知らず強盗にのめりこみ,歯止めが利かなくなっていく。その間にも3兄弟とヤスペル,アンネリーの間に生じた軋轢は次第に大きくなり,取り返しのつかない亀裂を生んでしまう。
そして,銀行強盗でも武器の処分でも,思うような利益をあげられなかったレオは,長年遠ざけてきた父イヴァンを仲間に引き込んで大きな「仕事」をしようと計画する。
しかしそれは,3兄弟と父の間にあった過去の「事件」を双方に思いださせる結果となり・・・。
自分はイヴァンとは違う,暴力をうまく制御して,誰も傷つけずに強盗を成功させている,と思っているレオと,実際に多くの人が暴力による被害を受けて苦しんでいる様子との対比が印象的。
そして「家族は団結する」という呪いのような縛りの中にいるドヴニヤック一家とその絆に翻弄されるヤスペル,アンネリー。
「家族は信頼し合わねばならない」という呪いはやがて破滅に向かう推進力になっているのに,同時に,最後の最後にレオの命を救うところも象徴的です。
「だが実際には,弟たちは生きていて,いまだに兄を愛しているのだーレオが弟たちを愛しているのと同じように」(p.375)
レオとフェリックスとヴィンセント,イヴァンとマリー=ブリット,イヴァンと3兄弟,それぞれが愛憎半ばする思いを抱えてどこに行きつくのか?
読んでて苦しかったです・・・。
そしてあとがきと解説を読むともう1つの衝撃が待っているという。
確かに,史実に基づいていると冒頭に書いてあるのですが,そういう意味とは思いませんでした!
最初から最後まで大変にすばらしかったのですが,ブロンクス警部の過去がやや中途半端なのは残念。もしかして続編があるかも,とのことなので期待です。
どうやらハリウッドで映画化の話があるようなのですが,この凍てつくスウェーデンの大地,空気感が映像化されるのかと思うと楽しみでもあり心配でもあり。。
上巻の感想にも書いたけど,強盗の場面はまるで自分がそこにいるかのような緊迫感だし,クライマックスはもちろんだけど,その前にフェリックスとヴィンセントが何もできずに逃走するレオたちのニュースを追い続けるシーンは圧巻。
本当に映画化するなら,見てみたいです。
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家族の絆が本当にリアル。特に最後の方は、引き込まれた。ただの犯罪小説ではない。最後の方は、感情移入して「捕まるな!」と思いながら読んだ。
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下巻一気読みだった!
あとがき読んで、驚きもあり。
兄弟、家族……。北欧の閉ざされた寒さ、厳しさが
生む濃度なのか。
刑事側のエピソードは中途半端かな。
面白かった。
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重ねられる犯行の手口が大胆になっていくなか、仲間内の意見の食い違いから事態は思わぬ方向へ進んでいく。迫力ある犯罪描写がサスペンスを高め、見えない血の絆に自縄自縛となっていく犯罪者の姿が哀しい。
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映像的な面白さは上巻だが,下巻になって暴力との依存関係やイヴァン言うところの氏族の重みがじわじわと浸透してきて,息苦しいまでの迫力で迫ってくる.それぞれの人物像がまた存在感がある.面白いしまた問題を提起する物語だった.
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綿密な計画のもと次々と銀行強盗を成功させるレオたち「軍人ギャング」団.しかし細かな考えの違いから仲間に亀裂が入り,フェリックスとビンセントは離脱していく.物語は過去と現在を行き来し.レオの生い立ちにおける父との関係も炙り出してゆく,警察,特殊部隊に追われるギャング団.クリスマス前の吹雪の中手に汗握る物語は大団円を迎える.
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過去と現在を行き来しながら、兄弟が犯罪に手を染める模様を描いていく。
実話に基づいた題材という驚きもあり、暴力、犯罪心理、被害者の心にも迫っていく。
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スウェーデンのクライム小説の下巻。
犯罪者たちが崩れていくのは、かつてのアメリカ犯罪映画のように切ない感じでしたが、ラストにわずかながらの希望がありました。
家族の絆とすれ違いが、親子、兄弟、仲間の関係性を通して見事な文学作品にもなっていると思います。
警察サイドは、緊迫感を出すスパイス程度で、ヨンが大活躍するわけではなかったのが、ちょっと残念です。
それにしても、ほぼ実話ベースであるというのに物語として完成しているのには驚きました。
後書きにもあるように、犯人と関係のある共著者と相当時間をかけて構想を練ったようですし、実在の三兄弟の感想も現在の心境が聞けて、救いになりました、
続編を検討中とのことですが、この犯罪に至った経緯が語られていなかったので、そこがポイントになるかなと思います。
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最初はありがちな暴力親父が登場するDVものかと思ったが、読み進むにつれて、そんなレベルではなく、かなりぶっ飛んだものであることがわかって来た。といって、それほど嫌悪感を感じさせない、不思議なテイストの作品だと思う。
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大作揃いだった2016年度ランキングのトップを独占した話題作。タイトルは、父が教える大きな敵にヒットアンドアウェーを重ねるけんか技からのもの。90年代初頭にスウェーデンで実際に起こった銀行強盗をベースにしているが、フィクションではなく、「現実をバラバラにしてパズルのように繋ぎ合わせた(作者)」小説。フィクションかと見紛って読まないように。
上巻は銀行強盗を繰り返す兄弟たちと、それを執拗に追う刑事の鬼ごっこ。テンポのよいストーリー運びで進んでいくが、些細な描写にリアルさが垣間見えて徐々に緊張感が高まっていく。正直、上巻読了時はランキング総ナメの実感はなかった。
現在と過去を交互に語る構成は下巻になってから効いてくる。圧倒的な暴力で家族の結束を説く父親と、彼に反発していたはずの長男がタブって見える展開に唖然とする。兄弟は団結し、常に冷静な対処で切り抜けてきたが、結局は暴力から逃れられないということか。彼らの進む方向性に綻びが見え始めたところからの疾走感は読み応え抜群。後半、弟が兄の本質を言い放つシーンは、ぐさりときた。と同時に、実は巧みに構成されたストーリーなのだと気付かされる。追う側の刑事もまた暴力という過去に苛まされているという、徹底的に「犯罪」を描いて見せたその筆力には感服する。
残念に感じたのは、映像を意識した描写が多かったことかな。そのせいであまり重く感じなかったのは良かったのかそうでないのか微妙だけど、もう少しどっしりした雰囲気でも良かったと思う。評価は星四つだが、ランキング発表前に読んでいたら違っていただろうし、ランキング結果の先入観なしに読みたい作品でした。
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犯罪小説の決まり事をさらりとかわしている感じ。
意外と父親に感情移入してしまう。
緊迫感のあるストーリー、読みやすい文章。でも、やっぱり犯罪小説は嫌いだー。