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理論欠落のオンパレード
2020/07/03 07:52
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投稿者:ことりんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
国立大学教授が執筆した著作。安易にタイトルと帯に惹きつけられ、手に取った。久々に論理が飛躍した、悪口雑言に満ちた本を読んだ。で、あなたの息子は有名一流国立大学に入学させたんですかと。本質的に地方を馬鹿にしていて、地方経済を支える人材も知的基盤社会を生き抜くうえでは高度人材が必要なわけで、所得層や学校の偏差値の壁を超えて、勉強し続ける人材が必要不可欠だし、それが実態である。地方の実業高校で大手企業に就職できる高校というのは、全国規模で比較しても、同じ実業高校よりも優秀な生徒が集積しているから、技能職でも技術職でも事務職でも採用されるのだ。そして、地元大手中堅企業に採用されていくのもそういった人材であることを理解してもらいたい。机上の空想に付き合ってしまった時間が非常に勿体無い。どんな企業等で就職するにも、外国語が話せたほうがいいに決まっている。だが、必要な世界と不要な世界があることは万国共通だ。
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一気に読み終わりました.
この本を誰が読めばいいか.子どもが中学生までの保護者の方々が読むのが一番良いかもしれません.中学生なら,この本を読みこなして欲しいとも思います.そして,教育関係者も読んでおくべきでしょう.義務教育が果たす役割というのは,今後の社会の中で変わってくるはずです.変化をしっかりと見据えておかなければ.生き方を考えるきっかけとなる本だと思います.
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とても分かりやすく「学歴」について書かれている。
明快すぎて、恐ろしくなってきた。
自分の過ごしてきた学歴社会のイメージで子どもたちに進路を語ってはいけない。
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書かれていることは分かるし正しいと思う。ただ、こうも「天才と普通の人」を峻別される社会になっていくのかと思うと、努力しない人が増えるような気もする。
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今年大学受験を控える娘を持つ私ですが、記憶を辿って私が大学受験をしたころを振り返ってみました。私は公立高校の理系出身です。共通一次(いまのセンター試験)が終わっても、まだ高校で学ぶ内容が終わっていない状態で、特に理科(物理・化学)は、最後まで習わなかったと思います。そんな状態なので、私の周りを見ても、浪人は当たり前、私も、そんな当たり前な受験生でした。
この本によれば私が大学入学したころから5年程経過したデータになりますが、平成2年で、高校卒業で不合格率(私はこれを浪人した人の率と解釈しました)は44%とのこと、それが、数年前のデータでは、7%を切っているという事実に驚きました。少子化・大学増設等により、大学には浪人せずに入れるという時代が来ていると言われていましたが、このように、経時変化を伴った数字で表現されると印象的です。
そのような状況を踏まえて、この本では、果たして大学を卒業することに、昔(自分が親だったころの数十年前)と比較して、メリットがあるのか、実は、デメリットの方が多くなってきているのではないか、ということを書いています。勿論、例外はあるのですが、現在でも、いわゆる「一流」と言われる大学でも、その価値は最近では小さくなってきている様です。
私は詳細を知らなかったのですが、今度の東京五輪を迎えるころに大学入試制度が、ガラッと、変わるようですね。今までの、大学入試日の実力で判断する一発型ではなく、高校時代に何をしてきたか・何を獲得してきたか、で判断される時代になるようです。現在のセンター試験は無くなり、米国で実施されている様な、年に数回受験できる「資格テストのようなもの」に変わるようです。
この受験制度の変化により、今数多くある大学が、本来の大学と、そうでない大学に分かれて淘汰されていくことになるのかもしれない、そうでない大学に行くくらいなら、手に職(即戦力となる力を身につける)をつける機関に行く方がよいかもしれないと提言しています。
私の娘は現行制度で大学受験をしますから、この変化は直接影響をうけませんが、彼女が社会人になって数年後には、このような制度のもとで大学で勉強してきた後輩達と仕事をするようになります。この様な世の中の変化に上手に対応してもらえれば良いなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・少子化により国内の大学の地位は見る間に下がり、偏差値60の大学を出るより、実業高校を出て「指定校求人」で就職したほうがずっといい就職先に就職できるという現象も起きている。大卒の実質就職率は6-7割、正社員として就職できない人も増えている(p7)
・団塊世代の受験期にあたる昭和42年、団塊ジュニア世代の平成2年には、不合格率(不合格者数/大学入学志願者数)は、43.5、44.5%であったが、平成7年には35.2%、平成17年には、13.6%、平成27年には6.7%(p17)
・奨学金の延滞期間が3か月以上になると、個人信用情報機関へ登録され、いわゆるブラックリストに記録されて、クレジットカード作れなくなり、ローンも組めなくなる。それ以降は民間の債権��収業者へ委託、9か月を過ぎると連帯保証人の財産差し押さえ等の法的措置がとられる(p24、31)
・今は、親の落ちた大学に受かり親を馬鹿にして、親が内定を蹴った企業から内定をもらえず愕然とする、時代である(p28)
・無延滞者の7割近くは常勤職員、延滞者の常勤職員は約4割(p31)
・非ジョブ学部=学部と仕事が1対1で対応していない学部で、以前は「つぶしの利く」学部と言われた(p39)
・人工知能が奪うのは、中間管理職の仕事、問題は偏差値60程度の非ジョブ型は安泰ではない。更に偏差値50程度の非ジョブ型大学に進むことは投資に合っていない。(p51、53)
・高卒で規模の大きい企業に正規採用される場合、規模の小さい企業に正規採用される大卒よりも生涯賃金が高い(p53)
・国の有りようは、人口構造によって決まる。その人口構造はかなり前からハッキリとわかる。20年後の20歳の人口は、いまの0歳の人口だから(p57)
・企業の採用基準が変わり、採用選考において、文理を問わず大学での学びの成果を重視する。面接では、修めた学業についてより詳しく聞くことになる。特に、選択科目が注目される、面接者はその学生の4年間全体の行動や選択の履歴によって判断する(p61)
・大学の成績は厳格ではないが、何を選択したかには本人の考えが表れる。サークル活動、アルバイトも同様。それらが入社しようとする会社・業界との関連を問われる時代になった(p62)
・平成28年3月の、中央教育審議会で取りまとめられた内容によると、日本の大学を、アカデミックな大学と、職業教育を行う高等教育機関にわけることが合意された(p71)
・2020年には現在の大学入試センター試験がなくなり、それに代わる新試験が導入される。アカデミックな大学では、入試が変わっている。東京大学で平成28年から導入された推薦入試は、米国のアイビーリーグの入試方法である(p75、79)
・難しい試験問題の採点基準は、「解答しているか」「一定量以上の記述があるか」「読みやすい字か」「説明用の図表が解答を邪魔していないか」が、かなり高い配点になっている(p88)
・平成27年4月から、入国管理法が変わり、「高度専門職」という分類が生まれ、そのような職種に就く外国人が日本で仕事をしやすくなった。現在の在留最長期間の上限(5年)が一律に認められる。永住許可が受けやすく、配偶者も日本で働ける。3年間日本で働くと、在留期間が無限になる(p91)
・これから数十年は、明治維新、戦後民主化に匹敵する激変の時代。我々の時代に価値があったと認められたものの多くが暴落する。学歴も同じ。10年くらい前から起きているが、親世代が経験していないので、それが実感できない。(p105)
・人工知能に奪われない仕事として、1)ビックデータを利用できない、過去に類例のない課題に対して解答を出すもの、2)個々人の嗜好性に合った「その人」を相手にするサービスを生み出すこと(p111)
・あの人が一言言うと、うまくまとまる、という様な人は解雇されない。同じ職場の年齢の離れた人とつながれる人が生き残る(p122)
・失業した人が再就職するために有効であった情報は、肉親や親友ではなく、浅い人間関係の人からの情報が有効であった(p124)
・単純な過去の学歴モデルを信じる行動は、すべきでない(p131)
・特定な顧客とつながりを持ち、商品や価格ではなく、その人と取引をしたいという関係を築ける人がローカルの勝ち組となる(p134)
・正しい反応は、いまはない仕事は何かを考えること、子供達に、いまはない仕事を生み出せる能力を育ませるべき。やり方には2通りあり、1)皆がうらやましがる新な職業を生み出す、2)その人しかやろうと思わない仕事をする(p147)
・みんなが求めるものを奪い合うのではなく、誰でも得られるものに価値を見出し、自分だけが求めるものは何かを自分が知ること。自分自身の幸せの創造ができる子供を育てられる教育が大事(p147)
2016年10月9日作成
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<目次>
第1章 「うちの子はとにかく大学へ」は危ない!
第2章 いま「安全な進学先」はあるのか?
第3章 トップ大学はこう変わる!
第4章 わが子を生き残れるようにするには
<内容>
過激な書きっぷりの本である。ただ第1章、2章は事実。第3章は今後の大学入試の変化を書いているが、トップレベルはこうなるだろう。第4章は、ある意味自戒を込めて高校の教員がしっかりと学ばねばならないところ。
この著者は上越教育大の教授。一方で「アクティブ・ラーニング」の本も書いているが、この本を含めて読みやすい筆致である。学者然としていないのがいい。
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とにかく大学には危ない、安全な進学先は?、トップ大学は変わる、わが子を生き残れるようにする、わが子を守る戦略。
いろんな本や資料からまとめて全体をわかりやすくまとめていてざっと理解するのにとても良い。
自分の価値観を持ち、生きて行ける力。
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今の価値観をぶっ壊せ!ってことですね。いい大学に入って大企業に入れば一生安泰。そんな時代では無くなっている事は皆気づいているけど見て見ぬ振りをしていると思う。けど、読んでいると貧乏人はずっと貧乏人なのかな未来暗いなという気分にさせてくれます。そもそも今までの終身雇用制度が異常だったのかもしれない。
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自分が受験していた時と時代が変わっていることを実感。子供の将来のためにアンテナを張りたい。コミュニケーション力と自分で考える力をまずは身につけさせたい。。
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意図は大学をけなすことではなく 非正規雇用でも 食べていける生き方 を考えているのには 理解できる部分もある 人生の選択肢は 一つじゃないってことですよね
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著者の西川純先生が日本の教育システムや教師・保護者の教育感に懸念を持っていることはよくわかったけれど、いくらなんでも意見が偏りすぎ。学歴はないよりもあったほうが良いのは常識。一流大学に行けないのであれば、大学に進学せずに高校を出たら就職して結婚したほうが良いようなことをおっしゃっているけれど、高卒では就職先も限られるし、収入面でも見劣りするのが現実。日本に限らず、世界中の親たちが我が子のために教育費を捻出して、少しでも良い学歴・高学歴を身に着けさせたいと願っている。だって現代は学歴社会なのが現実だから。無責任な意見に思えた。
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散々警鐘鳴らしといて具体的な対応策やできることがめちゃくちゃ弱い、ものすごくもやもやするパターンの本だった。これから人工知能が仕事を食うのは理解できるが、奨学金を借りざるを得ない層が大学進学したいのならどうすればいいのか。博士課程を出て大学教授のポストにありつけなかったらどういう道があるのか。このへんの解決策がまるで見えてこないので途中からイライラしっぱなし。大事なのは学歴云々よりそういう人たちを救うためのセーフティネットではないのか。あと大学が「就職のために行くところ」という前提で話が進むのにも違和感。
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公表されているデータに基づいて、大学や就職に関わる大きな変化がまとめてある。
大学には入りやすくなったが、就職して正社員になることは難しくなった。大企業でも非正規雇用が増えている。昔からのイメージで将来像を思い描いていては、いけない。
田舎の小中学校の重要性が増しているように思う。都会で就職することが難しく、地元の人間関係に頼って生活していく方が現実的な社会になりつつある。
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保護者向けに書かれた本ですが、かなり衝撃的な内容です。
大雑把にいえば、就職まで見据えて進路を決めないと、生半可な学歴では意味がありませんよ、といったところ。
東大、京大は天才を取ろうとしている。
例えば幼い頃から数学漬けで、ブルーバックスを読みまくり、数の世界に浸るような子供とか、そういった天才。
なにしろノーベル賞なんかを取る人材を育てたいのだから。
そこには入れない、単に入試突破のための勉強の努力ができる程度の平凡な生徒が、学歴だけでにしようと努力しても、非正規雇用で苦しんだり、就きたい職業が需要過多で苦労したりといったことが起こるという。
そんな現状も知らず、教員はとにかく進学実績を上げなければならない現状に置かれていて、本当に子供を思った進路指導をすることが大変になっている。
じつは、専門学校で手に職つける方が、それなりの大学に行くよりも収入は多くなるとか。
だったら生徒がやりたいことがあれば、将来を見越した進路指導をしたらいいじゃないか、って感じなんです。
でも、保護者は学校のどこを見ているかというと、進学実績を見ているわけで。
優秀な生徒を集めるためには進学実績を高めるしかない、この板挟み状態…。
個人的には学問を入試突破の道具にしたり、役に立つ立たないで判断されるのは異論を唱えたいが、現状、そうもいっていられないほど、学歴と、社会で活躍できるかどうかに齟齬が生じているようです。
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「親なら知っておきたい、学歴の経済学と」とありますが、親ならずとも、読むと良いでしょう。
今後日本でどのようなことが起こってくるのか、今働いている人々も、安泰ではいられません。
すでに起こっている事実、誰でも手に入れることができる資料から、今後のことを解き明かしていきます。
とりあえず大学に行き、まあまあのところに就職する、偏差値の高い大学に入学すると安泰、という過去のモデルは終焉を迎えています。
これからどうしていくのか、子を持つ親も、持たない親も、若者も、定年を迎えようとしている者も、読むべき本です。