投稿元:
レビューを見る
SNSを通じて知り合ったフランス在住のライター高崎順子さんが、ご自身の経験と、きめ細かい調査でまとめられたレポート。フランスが少子化問題に対してどのような対策を行ってきたか、今どのような問題が残っているか、とてもわかりやすく書かれている。特に興味深かったのは第1章。父親を父親にするための国をあげてのシステムというのは、とてもユニークで本質をついていると思う。
投稿元:
レビューを見る
この手の本を読んでいつも思うことは、日本(政治家・官僚・男性等々)は、何故こういった事実や情報や歴史が歴然と転がっているのに、何故一向に学んだり取り入れたりしないのだろうかということだ。
既得権益や目先のことに捕らわれて、根本的解決を図ろうとしないこの国には絶望的な気になってしまうが、この思想や指摘を今こそ真摯に取り入れるべきなのではあるが・・・。
投稿元:
レビューを見る
ここまでやらなければ少子化は阻止出来ないということがよくわかる本である。
何よりもフランスの子どもに対する国家支出の手厚さである。日本の倍は出してないとここまでは出来ない。
なぜ日本がこのフランスに学ぼうとしないのかが不思議でならない。
ただ本書は前半は読みやすいが、後半は詳細に立ち入り過ぎて理解しにくい。日本との対比を心がけたほうが良かったかもしれない。
2016年11月読了。
投稿元:
レビューを見る
フランスの社会保障の実情を知ることができた。
そもそも日本とは考え方が違うから、その政策をそのまま日本に持ってきても定着しないだろう。
ただ、女性が働きやすい状態には何が必要かは考えられるから、それをどう日本に応用するかだと思う。
投稿元:
レビューを見る
70年代後半から90年代にかけて、深刻な少子化に襲われていたとニュースで聞いたことがあったフランス。(底は93年の出生率が1.66だったとのことで、今の日本よりは遥かにマシか)そのフランスが今では出生率2.0以上となり、危機を脱しているという。その秘密をに実際にフランスで子供を育てたという筆者が分析する。父親への3日の産休と11日の育児休暇。企業がそして社会保険で国が給与を負担する仕組みが、それぞれ戦後直ぐ、そして2002年に導入されたとのこと。そして3歳から希望者が全員入れる保育学校。痛みを伴わない出産方法の普及。男に父親であることを意識させる育児教育が大切であることを強調する。いずれも説得力があることなのだが、私としてはフランスで正式な結婚から生まれる子どもの比率が極めて低下しているという、また白人系の比率の低下動向、それらの事実との関係をどう説明するかが全く触れられていないことが、綺麗ごとに過ぎるように感じ、やや不完全燃焼だったことは否めない。
投稿元:
レビューを見る
パリに1年半、20年前になりますが、住んで居ました。文句を言ってナンボの国民気質、日本人とは違いました。質素な教員環境は知りませんでした。隣の家の嫁さん、旦那と駆け落ちが結構多かったかと。
現職の幼稚園、保育園の経営者にはヒントが有りかと感じます。
投稿元:
レビューを見る
■フランスでは0~2歳児関連の政策は「家族・子供・女性の権利省」,3歳以上の児童関連の政策は国家教育省が担当する。
・0~2歳までは「保育」であるが3歳からは「教育」の対象
■3歳から5歳までの3年間は教育の重要なファーストステップであり,そこで身につけるものとして国家教育省は5分野を掲げる。
①あらゆる場面での言葉を使わせる
②体を動かして意思を表現し,理解する
③芸術を通して意思を表現し,理解する
④自分でものを考えるための基本技術を身につける
⑤世界を知る
投稿元:
レビューを見る
タイトルに惹かれて読了。
「男の産休」や保育学校等制度の違いはもちろん、哲学や国民性の違いも感じた。フランスの保育を親目線からだけでなく、制度設計等からもよく調査されたなと思った。
残念だったのは、経済的困難を抱える層や、シングルマザー等社会的弱者に陥りやすい層への対策に、フランスがどう向き合っているかの言及がなかったこと。
少子化の背景には、格差や貧困の広がり等、親(予定者も)自身の生活の不安定さがあると思う。こうした社会問題への解がないと、「フランスはどう少子化を克服したか」のイシューに答えられないと思う。
投稿元:
レビューを見る
この話は、フランスではの話であって、そのまま取り入れるのは難しい…などと言っている場合ではない。おそらく日本の出生率低下&人口減少は相当に深刻である。可能な限りあらゆる手を打たないと変わらないでしょう。フランスでは3歳から保育学校があり、内容は当然小学校とは違いますし義務教育ではありませんが、全員が入ることを前提とした制度とのこと。これが日本でもできればかなり違うと思います。
一番参考になったことは、男性が父親としてきちんと子供と向き合い育児をするように教育すること。両親そろっている場合でも、ほとんどの家庭で、親としての筆頭はまず母親。父親は常に二番手か、母親の代打ですよね。母親を介しての関係になりがちなそのポジション、意識を変えること。フランスはそこに手を打ったとのこと。出生率向上に直接寄与しないかもしれませんが、物理的にも精神的にも、親としての負担が母親側に偏ることを改善することは重要なのではないかと思います。イクメンとか言ってちやほやしている日本がいかに低次元か、改めて認識させられてしまいました。
この本はフランスの例を紹介しているというだけで、良し悪しは評価できないので、星なし。
投稿元:
レビューを見る
フランスの幼児に対する取り組みをまとめた好著だ.冒頭に出てくる無痛分娩の話は膝を打つものだ.父親に14日間の出産休暇を出すという発想も素晴らしいが,無痛分娩は母親を精神面でサポートすることを前提に取られている手段だというのも素晴らしい.p58の麻酔医のコメントはぜひ日本の医療関係者や出産予備軍の女性に読んでほしい.3歳からは国が子供の面倒をみるシステムである保育学校.保護者に負担を掛けない考え方.2014年度,3歳から6歳児の教育政策に使われた公的資金は,日本円で1兆9千億円.0~3歳児の保育政策にもほぼ同じ予算が分配されている.等々,バラ色の評価が目白押しだが,教育格差は日本以上に深刻そうだ.面白い視点の著書だった.
投稿元:
レビューを見る
フランスで行われている少子化対策を、実際に現地で子育てしながら仕事をされている著者がレポートしています。
日本の少子化対策とは比べものにならないほど、少子化に効果がありそうな施策がいろいろとあります。
特徴的なのは3歳から全入の保育学校(小学校の前段階となる教育機関)に無償で入学でき、月・火・木・金は午前と午後、水曜は午前、子どもを預かってもらえる(というか教育してもらえる)という点です。
少子化対策に関心のある方は必読と思います。
投稿元:
レビューを見る
フランスでは国のために人口を増やそうとは言わない。出生率の維持、世代の更新という表現を使う。
妊娠中のパートナーと人前に出ると男は素でいられない。そのため男だけの出産準備クラスにする。
無痛分娩を選ぶのは痛いのが嫌だからではない。産んでからの方が大変だから。
保育支援はコストではなく投資。
フランスは階級社会。
2023/12/1
子育てが大変だと認められている。親の育児能力に対する期待が低い。
投稿元:
レビューを見る
幼児教育に関わる歴史や文化が日本とはかなり異なり、この部分の差は如何ともし難いと感じたが、3歳から6歳の子供のほとんどが通う保育学校というものが独特で参考になると思った。日本でまったく同じものが作れるとは思わないが、幼稚園や保育園から小学校へのつなぎ方や、貧困世帯へのサポートのあり方は参考にできるはずだ。
投稿元:
レビューを見る
フランス政府は90年代より
「男女が平等に、仕事と家庭、両方の責任をよりよく果たすこと」を掲げ、「家族政策」に方向展開し、企業も巻き込んだ国家政策と取り組んだ。
結果、1993年に1.66まで落ち込んだ出生率が2010年には2.00超まで回復した。回復には時間がかかる。
今の日本の「少子化対策」では回復は見込めない。
政府は「希望出生率1.8」を目標に掲げているが、現状の1.44の維持もままならない。
投稿元:
レビューを見る
この本を読むと、フランスが子育て大国と胸をはっているのがよくわかる。それほど、日本との差は大きい。男性の育児参加、職場への罰則、無痛分娩、保育園の充実、などなど、とにかく保護者の負担をいかに減らすかの発想に満ち満ちている。