紙の本
バランス
2011/10/30 16:22
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投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルには「大局観」とあるが、最初から最後まで、これについて書いてあるわけではない。
勝負事で必ず直面する事(挑戦すること、練習、負ける事、運など)について考えた事をまとめたものになっている。
この本には「新しい考え方」といったものは出てこない。
それに「大局観」さえあれば、すべてOK、といった主張もしていない。
昔から言われているような泥臭い事ばかり言っているので、ある種の人には「期待外れ」かもしれない。
ただし、その「泥臭い事」の結果、輝かしい成績を残している、という事実があるので、一言に「重み」がある。
印象に残るのは、タイトルにもなっている「大局観」
相手の手を読み、自分の手を考える事を突き詰めていくのは大事だが、それをやりつつも、そこから離れ、全体の流れを掴む。
「木を見て、森を見ず」に陥るな、ということだが、「木」は見ない訳にはいかない。
「木」と「森」を見るバランスが大事なのだが、そのバランスは経験を積まないと分からないのだ。
ただし、経験だけ積めば「大局観」は育つか、というとそうでもなく、客観的な振り返りが必要。
注意しなければならないのは、この「振り返り」は「後悔」ではない。
「振り返り」が「犯人探し」や「懺悔」の場になってしまう事がどれだけ多いことか。
凡人が一流の人のマネをしようとすると、似て非なるものになりやすいのだろうか。
電子書籍
自分は
2019/06/20 07:14
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
体操クラブに通っているが(といってもサボりがち)ある時
「他人に勝つのではなく、己に打ち克て!」と書いた服を着ている人がいた。本当に強い人は、やはり自分に負けない。そして勝つではなくて打ち克つのだろうな。
紙の本
反省はしても後悔はしない
2021/03/21 14:44
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投稿者:ココ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの言葉が気に入りました。私は失敗したら、家に帰ってからもいつまでもくよくよとしてしまうタイプの人間で、そんな自分が嫌でした。でも、この言葉に出会ってから、何故間違えたのか理由を探し、対策を立てればいいんだと思えて、失敗してもそれほど落ち込まなくなりました。
電子書籍
大局観も「毎日の反復練習」で鍛えられるものか?
2017/07/23 22:23
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投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私自身が、「大局観」、言い換えれば「全体を俯瞰する力」に劣るところがあったので電子版で買って読んでみました。
最初の方を読んで考えたことは、私はどうしても「何でも具体化、明確化する」という方向に行きがちな仕事柄なので、長期的、あるいは広範囲の視野というのは、「漠然としているのが当たり前」という認識を持つことも必要かもしれない、ということですかね。
また、論理と情緒、経験によって得るものと失うもの、そしてリスクをとること、色々と面白い考察があるのですが、私にとって一番印象に残るのは「毎日続けること」、および「反復練習」の大事さを述べているところですかね。
以前、イチローの名言を取り上げた本に対しても同じ考察をしていたかと思いますが、「メリハリを付ける」ことはストレス社会の現代に必要なことでありますが、一方で「コンスタントに取り組む」ことの大切さこそもっと重視されるべきかという気がします。
問題は、タイトルの「大局観」も「毎日の反復練習」で鍛えられるものかということですが、これを結び付けているのが、終盤に長手数の詰将棋のように相手の玉を詰ますということをやるプロ棋士の方ならではの視点なのでしょうね。
紙の本
勝つためにリスクをとるということ
2021/08/06 08:07
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投稿者:empath - この投稿者のレビュー一覧を見る
プロ棋士生活25年、公式対局千五百局以上を戦い、四百局負けたという羽生善治さん。今も進化し続ける羽生さんが、冒頭いきなり「史上初の三連勝四連敗」から語り始めることに驚いた。棋士にとって大切な資質の一つが「打たれ強さ」だという。「四百局負けたということは四百以上の改善点がある」と語り、長い時間の流れの中で「負けることの意義」や「リスクを冒すことの大切さ」を説く。勝負の結果に一喜一憂しない大局観を持つことが、歳を重ねてなお成長する秘訣であると、企業経営にも通ずる内容。
電子書籍
羽生さん
2019/11/19 19:39
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
羽生さんは天才ですが、独特な天才的な、分かりにくい表現がなく理論的で、分かりやすいです。いい本でした。
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将棋棋士 羽生善治氏による「大局観」をテーマに書かれた一冊。ここ半年で羽生氏を題材に書かれた本を読むのは四冊目である。毎度、毎度、こうして羽生氏関連の本に魅かれるのは、氏の持つ類まれな「自己説明能力」ということに尽きるのである。
本作における最大の特徴に、事例の多彩さということが挙げられる。これまでの羽生氏の本では、ビジネスマンに有用な話材においても、説明は将棋盤の上を逸脱せず、あとは察してくださいというスタンスが見受けられた。しかし本作では、「今北純一」「アポロ計画」「動的平衡」「視聴率」「ハゲタカ」「松下幸之助」「長嶋茂雄」「手塚治」「空海」「アバター」「ジャック・マイヨール」「マーク・ブキャナン」「ブラックスワン」など、説目に使用されている題材が、実に多岐にわたる。羽生氏自身が執筆する著書も、ここ半年で三冊目。インプット/アウトプットともに充実している様子が伺える。
◆本書の目次
第一章:大局観
第二章:練習と集中力
第三章:負けること
第四章:運・不運の捉え方
第五章:理論・セオリー・感情
特に注目なのは「知識とは」というテーマで書かれている部分である。情報社会と言われ、洪水のように莫大な量の情報や知識とどのように対峙するかということに言及している。情報や知識を無数の食材に例え、まず捨てることが肝要と説く。これは多い選択肢の中から選ぶ方が後悔しやすい傾向にあるからだそうである。そして、新たな料理が作れるものを拾いにいく。いわゆる「大局観」とは、空間上に広がる情報の集約化を、素早く、完成された料理のように捉えられること、また、その後の局面を文脈として見据え、時間軸にも広げられることのようである。
「大局観」では常に「終わりの局面」をイメージするそうである。そんな羽生氏も、棋士人生としての「今後の局面」については、常に無計画、他力志向と宣い、突き詰めると「結論なし」というところで、本書を締める。棋風さながらの終盤に繰り出す妙手。まさに、「羽生マジック」である。
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将棋の棋士が書いた書籍は面白いのでよく読みます。その中でも羽生名人の本は読み易いと感じます。当書籍も大局観なる概念を例えを多用し、分かり易く解説されています。書中でも触れられていましたが、受け手のことを考えて書かれているのでしょうか。
『情報や知識はしばしば創造に干渉する』と書かれていましたが、なかなか常人には干渉するほどの知識量はないはずで、間に受けては……、と思うのですが、だからこそ、羽生名人だから知り得る感覚を本を通して知ることが出来るのが、読書の良さでしょうか。
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羽生名人の著作は将棋指南書を除き全部読んでるなあ。この方は文章も理路整然としていて読みやすく、そしていろんな事に気付かされる。あの伝説の2008年竜王戦から振り返り、現在の棋士としての自分を分析されているので、将棋ファンにはもちろん面白く、またそこからビジネスや人生においても通用する様々なアドバイスをもらえる。おすすめの一冊です。
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大局観とは?具体的な手順で、考えるのではなく、文字通り、大局に立って考えることである。パッとその局面をみて、今の状況はどうか、どうするべきか判断する。大局観は、多くの経験から培われるもので、自分以外の人間の過去のケースをたくさんみることでも磨かれていく。大局観は、その人の本質的な性格や、考え方が、とても反映されやすい。
勝ちに不思議のがちであり、負けに不思議の負けはなし。
スマートではないかもしれないが、もがき続けて習得したものは、忘れにくい。
リスクを取らないことが、最大のリスク。
集中力をより深くする方法のひとつは、可視化が難しいテーマについて考えること。
習うより慣れろ!
千里の道も一歩からというように、ひとつひとつの小さな積み重ねによって目標に到達できる。そしてその繰り返しのなかにこそ、大きな真理がある。
情報化社会を上手に生き抜く方法は、供給サイドに軸足を置くこと。
必要な情報、知識というのは、日々刻々と変わっていくものなので、大胆に捨ててしまい、必要なタイミングで拾いあげればいい。
人間の究極の強さとは、ツキを超越すること。
真面目にコツコツと積み重ね、真面目に不要なものを捨てるという作業を繰り返していく先には、深遠な真理がある。
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将棋の話にも関わらず、生き方、働き方について多くの示唆を与えられた。経験を積むに従って得られる大局観。これがあるから、今の状況を理解でき、この場面でどういう手を打つべきかが理解できる。
ツキに対しての所感は秀逸。ツキを持続するためには、後ろめたいと感じることはしないこと。更にはツキなど気にしない強い気持ちが大切。
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プロ棋士生活25年、公式対局千五百局以上を戦い、四百局負けたという羽生善治さん。今も進化し続ける羽生さんが、冒頭いきなり「史上初の三連勝四連敗」から語り始めることに驚いた。棋士にとって大切な資質の一つが「打たれ強さ」だという。「四百局負けたということは四百以上の改善点がある」と語り、長い時間の流れの中で「負けることの意義」や「リスクを冒すことの大切さ」を説く。勝負の結果に一喜一憂しない大局観を持つことが、歳を重ねてなお成長する秘訣であると、企業経営にも通ずる内容。
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羽生さんは、自分の意志が強くどちらかというと頑固な方なのかと思っていたけど、ヒトや、環境の変化に寛大な方だと思った。本質的なものを突き詰めるためには、事実を受け止める余裕と、自分を省みる真面目さが必要なのかなと思う。
真面目は、宋時代の詩人、蘇東坡の「柳は緑、花は紅、真面目(しんめんもく)」から来ている。「当たり前のことはあるが、真面目とは表面的なことに留まらない本質的な意味を知る、理解する。」だそうだ。
直感と閃きの違いの話も面白かった。
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羽生名人が無敵を誇っていたのは、高校生のときくらいだったか。
(実際は今も最も強い棋士の一人であるわけだが。)
人生に対する考え方などを書きつづる。
同じ文章でも羽生名人のような人が書くものでは、説得力というか、含蓄されているものが違う。
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著者の前著「決断力」を読んでから本書を読むことを勧める。
前著からの心境、価値観の変化を感じさせる。ユーモラスになり、より深く深くへと潜っていく。