紙の本
米中開戦を扱った本の中ではピカ一!
2017/05/28 22:22
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はアメリカと中国がアジアで軍事衝突するシナリオに関して、トランプ政権で要職をつとめる著者の分析をまとめた本です。ある意味、トランプ政権が中国との軍事衝突リスクをどのようにとらえているのかを述べる本と言えると思います。何が引き金となりうるのか、もし衝突が現実化したらどのようなシナリオが考えられるのか、衝突を避けるには何が必要なのか等々について非常にわかりやすく解説されています。中でも印象的だったのは、「中国製品を購入するたびに、我々消費者は中国軍を利する資金を提供しているという認識を持つべき」との部分でした。私たち一般市民が、気づかないうちに中国軍を利する行動を取っている可能性があるというのは斬新な視点でした。
アメリカと中国がアジアで軍事的に衝突したらどうなるのか、というテーマの本は数多く出版されています。その中で本書は訳も読みやすく、内容充実の1冊だと思います。
この本がアメリカで出版された時点では、まだトランプ政権は誕生していなかったのに、このタイミングで翻訳まで済ませて日本で販売している文藝春秋の手際の良さにも驚きます。
紙の本
冷徹な安全保障の現実を知る
2017/03/30 17:46
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投稿者:ブレーブス坊や - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさに日本人必読の書と思いました。
日米同盟の意義、中国の脅威、北朝鮮の脅威など、平易に且つ詳しく述べられていて政治や国際関係の専門家でなくても良く理解できました。
原書は読んでいませんが、翻訳も良い出来だと思いました。
この作品で取り上げられる冷徹な安全保障の現実をなぜ新聞やテレビは報道しないのか、国会議員は表で議論しないのか?
昨今の報道や国会を見ているとより本書の警鐘が差し迫って感じられます。
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【中国は「非対称兵器」でアジア制覇を目論む】歴史上、既存の大国と新興国が戦争に至る確率は70%以上。中国が制海権獲得のために突破を目指している第一・第二列島線とは何か。
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2016/12/30読了
▶︎中国人の無法ぶりを笑っているうちは良い。▶︎ただ心したいのは、文中にあるように「我々西側の人間は、国際関係のあり方についてこう考える。(まず誰もが他人の主権を尊重し、誰もが互いに対等に交渉する。そして問題を解決し理解を深める最良の方法は対話である。)と」しかし中国人は全くそうは考えていない。
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最初にもった感想は「題名やばくないか?」でした。
なんとなく右な人しか読まなさそうな題名。原題は「CROUCHING TIGER」です。ま、確かに人の目を引く邦題ではあります。
ともかく、この本は売れており、ベストセラーのようです。それくらい、世の中の人が中国を脅威に思っているのでしょう。
さて、内容的には、地政学や安全保障分野に詳しくない普通の人でも簡単に理解できる感じで、誰にでもおすすめできる本といえます。
おそらく、マスコミ等に刷り込まれていた考え方が、論理的に崩されていくことと思います。
たとえば、米中は核保有国で抑止力が働くため戦争は起こりえない、というのがよく聞く論法ですが、歴史的事実からもそれが明確に否定されます。
また、現代はグローバリズムが普及し、経済的に国同士が相互依存関係にあるため戦争が起こりにくい。あるいは、平和を実現するためには軍備増強よりも、とにかく経済を優先させるべきだ、という論法も、論理的に意味がないとして否定されます。
ところで、この本を読んでいる間に、著者のピーター・ナヴァロ氏が、トランプ政権にて、国家通商会議のトップに指名されました。
これからどのような通商政策がとられるのか、万人が興味のあるところだと思います。
その通商政策を決める組織のトップにナヴァロ氏がつく、ということは、その政策の真の目的は、中国の国力弱体化と米国国力の強化になるだろう・・・と予想できます。
今後トランプ大統領が打ち出してくる政策に世界が右往左往させられると思いますが、この本を読んでおけば、その裏にはこんな狙いがあるのではないか?と、少し楽しめるかもしれません。
「左だ」「右だ」ではなく、リアリズムの視点で、ぜひ読むべき本だと思います。
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中国関連、安全保障の分野において必読本ではないでしょうか。
中国には脅威を感じていましたが、その脅威が倍増し、アメリカの国力の弱体化を知らされ日米安保にも不安を覚える。
トランプの発言、政策からピーター・ナヴァロの思想が大きく影響を与えていると思った。
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読んでいて恐ろしくなる。現段階でもアメリカは中国に対し、技術面で圧倒していない。中国は建国以来、10年に1度のペースで戦争している。核に抑止力などないと考えさせる開戦の仕方だ。情報という戦いでもアメリカ国内では危機感がある。日本はどうなるのか。
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中国、と言うより、中国共産党がこの70年何をしてきたか。それを踏まえ、世界第二位の大国となった現状の中国共産党政府が近年何をしていて今後どう動こうとしているのか。米国と中国が鉾を交える可能性があるのか。それを避けるために米国は何をすべきなのか。と言うようなことを地政学的に冷静に戦略を分析しています。中国(共産党)は西洋列強と日本から受けた屈辱の100年を取り戻すべく、まさに孫子の兵法にしたがって戦わずして勝つ戦略を着実に歩んでいるようです。民主主義国と比べれば、独裁国家はその歩みを長期に渉って進めることに利点がありそう。歴史的にも現状も、米国と中国もどちらも好戦的な大国であることは間違いないのであり、両雄並び立たずの故事の通り、何らかの衝突は避けられないだろう。そして、その意思疎通が上手く行かなければ安全保障のジレンマの行き着く先が待っている。問題なのは、その両雄の政治体制が、共産党の独裁支配する中国と民主主義国家アメリカで大きく異なっていることで、互いの不信が募れば何が起こるか分からない。日本にも大きな影響がある問題であり、現状に対応する必要あるにせよ、単に敵対心を煽るのではなく将来を見据えた政治・外交が必要であると感じた。
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本書はアメリカと中国がアジアで軍事衝突するシナリオに関して、トランプ政権で要職をつとめる著者の分析をまとめた本です。ある意味、トランプ政権が中国との軍事衝突リスクをどのようにとらえているのかを述べる本と言えると思います。何が引き金となりうるのか、もし衝突が現実化したらどのようなシナリオが考えられるのか、衝突を避けるには何が必要なのか等々について非常にわかりやすく解説されています。中でも印象的だったのは、「中国製品を購入するたびに、我々消費者は中国軍を利する資金を提供しているという認識を持つべき」との部分でした。私たち一般市民が、気づかないうちに中国軍を利する行動を取っている可能性があるというのは斬新な視点でした。
アメリカと中国がアジアで軍事的に衝突したらどうなるのか、というテーマの本は数多く出版されています。その中で本書は訳も読みやすく、内容充実の1冊だと思います。
この本がアメリカで出版された時点では、まだトランプ政権は誕生していなかったのに、このタイミングで翻訳まで済ませて日本で販売している文藝春秋の手際の良さにも驚きます。
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【184冊目】中国について知ろうキャンペーン1冊目。「日中と東アジアの安全保障をめぐる論点を余すところなく学べる良書」という、とあるプロからのススメによって読みました。大変読みやすかった。
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中共に対するアメリカの戦略についての分析。
中共は隣の単なる不快害虫と違い、狡猾で手強い危険な相手である。
常に自己の利益のみを重視し、正義や公正といった人類共通の理念も、他国との協調による繁栄も、地球環境や知的財産の保護も、自国民の幸福すらも使い捨ての交渉手段としてしか考えてない、清々しいほどの「悪」といってよい。
中共に較べると、ソ連もナチスも大日本帝国も大英帝国もモンゴルも十字軍もコンキスタドールも可愛いものである。
中共は、民主主義国家がその存立基盤である「国民」の利害調整に手間取り、「戦争に勝利する」という最優先の課題に着手できないのを尻目に、活用できるリソースを最も効率的に勝利に向かって投入している。
中共は、グローバル化した経済の中で14億の市場(見せかけだが)を餌に多国籍企業を誘い込み、最先端の技術を盗み出すと同時に、アメリカ、日本、欧州の企業をあるいは人質にとり、あるいは工作の先兵として利用し、競争相手を身動きとれなくしていく。
中共は、「最低限のルールを守る」という文明国間の合意すら一つの条件として利用し、相手にだけルールを守らせ、自国は最も効果的な形でルールを破る。
中共と文明国間の戦争はすでに始まっているどころか、中共の完全勝利に近づいている。
我々は中共に対抗する以前に、獅子身中の虫である、九条信者、人権屋、マスゴミ、お花畑平和主義者を一刻も早く駆除しなければらない。
本当に恐ろしい敵である。
「悪」というよりは「グローバリズムの究極の成果」という表現が正しいのかもしれないが。
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トランプ政権で要職を務める著者による地政学分析。戦争とは突然始まるものではなく、軍事的な衝突だけでなく、プロバガンダ・諜報戦を含めた衝突を重ねていくという前提のもと、東アジアでの様々な米中の摩擦や、両国の軍事力を分析している。軍事的な衝突の規模がどのくらいのものになるかはさておき、近い将来にアジアが火種となるインシデントの発生の可能性が高いことを改めて認識。良本。
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米中もし戦わば 戦争の地政学
ピーター・ナヴァロ 赤根洋子訳 飯田将史解説
2016年11月30日 第1刷
2017年5月17日読了
ピーター・ナヴァロ
トランプ大統領補佐官、国家通商会議議長。
・経済、軍事力ともに強大な力を身につけつつある中国。中国が他国の領土侵犯を繰り返す理由とその戦略についてするどく指摘。また米中戦争の可能性はあるのか?あるとした場合の考えうるシナリオは?について様々な研究、意見から分析した一冊。
如何に中国共産党指導部がヤバイのか。が分かる本。
中国共産党指導部には中国は1839年のアヘン戦争から1945年の日中戦争終了まで、列強に軍事支配、領土侵犯、領土割譲、虐殺など「屈辱の100年」を経験した。その苦い経験を繰り返したくないという思いから他国に侵略されない軍事力を持つという思想が根底にある。
それをベースに現代中国の狙い、各国との関係、これからの(戦争の)可能性についてまとめられた良書です。
また文体も読みやすく分かりやすい。
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本書では現代の日本中国アメリカを取り巻く軍事状況を纏めており、昨今のトランプ大統領の政策(孤立主義)も予見している。その他にも新たな知見(中国の官僚等)も得られたが、興味を引くたびにすぐに話題が切り替わってしまい、読書としての面白みは少なかった。
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米中の関係について45の問いと回答というかたちで述べている。
第1部では米中が戦争に至る蓋然性の高さについて歴史的な観点から見る。第2部では軍事力について、特に中国がいかに非対称な分野や宇宙やサイバーといった新しい分野に力を入れているかについて。第3部では米中戦争の引き金を引くきっかけになる要素について、東シナ海の危機、中国の国際海洋法条約の拡大解釈や水資源を巡るインドとの確執などについて。第4部では実際に戦争になった時それがどのような様相を呈するのか、エアシーバトルやオフショアコントロールといった戦略について触れながら検討。第5部では米中に交渉による和平の可能性がありうるのか、パックスメルカトリアや孤立主義、核抑止力、中国の力の不透明性、大取引の可能性などから検討。最後にいかに力による平和を保つかというところで、結局は脅威を直視し、内政を整え、同盟国との審議を守り、経済的な力を中国に与えないといった、当たり前だけど実現が難しい方策を述べて締めている。
個人的な最良のシナリオは中国が小さく分裂し、対話のできる民主国家群になることだな。