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興味がないと絶対に買わない本だろうが、これは結構面白い!
日本の著作権法のことだけでなく、アメリカの事例を上げて比較をしてくれている。
アメリカの著作権法解説を単純に行うではなく、アメリカという国の考え方そのものを示してくれている。
「フェア」という言葉は、それこそアメリカらしい。
(そう言いながら、相変わらず差別などはある国なのだが)
そもそも著作権の考え方だが、権利を持っている人を守るのか?(オプトイン)
それとは逆転の発想で、「権利者がNOと言ってきたら、下ろす。それまでは自由に使える」(オプトアウト)なのか?
オプトアウトの方がいいんじゃないか?という意見は、単なる国民性というだけとは違う。
著作権をどう考えるか?という、根っこの部分がしっかりとしているのだ。
(日本人の考え方よりも、尊い考え方だと思う)
やはりアメリカらしく、ものすごく「効率的な考え方」なのだ。
日本との違いは、フェアの解釈が異なるという点にあると思う。
「権利者の財産を守る」のは果たしてフェアなのか?
もちろんそれはそうなんだけど、著作権という芸術作品については違うのではないか?というのがアメリカの意見。
もちろん、権利者の財産を守るのだけれど、究極的な目的は、その生み出された素晴らしい芸術作品とは、公共のものとして、社会発展のために利活用されることが最終目的なのではないだろうか?ということ。
志が高い!!
こういうところで、日本人の精神性が見えてしまう。
考え方が幼いのだ。アメリカが効率的なのはよいとしても、「みんなのためにあることが第一」というのは、本当に志が高いと思うのです。
日本だってこういう考え方は根底にあるはずなのに、やっぱり守る方に行ってしまうのが残念だ。
「検索」というお宝をみすみすGoogleという外資に取られたのも、お人好し日本人らしい。
著作権がフェアといいながら、アメリカは日本からかなりの著作権収入を上げている。
日本が著作権貿易収支で見れば、大赤字国だ。
ちゃんと勉強して、戦略を考えることも大事だが、本当に幼少の頃から志を高める教育を施さないといけないと思う。
著作権法も、そんなことのほんの一つの事例に過ぎない。
(2020/3/10)