紙の本
確かに「なるほど!」と膝を打つ、英語らしい英語を書くための有益情報が満載
2011/08/15 07:18
24人中、24人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の大学に留学し、その後この国で家庭を築いて暮らすことになったアメリカ人と、アメリカに留学して英語と英語文化を吸収してきた日本人とが、共同執筆した一冊です。
日本人の書く英語のどこに“日本人くささ”が残るのか、そして英語のネイティブスピーカーのような英文を書くにはどうするべきか、15項目にわけて綴った指南書です。
タイトルにある「なるほど!」という言葉が過大表現ではない、まさに「なるほど!」と膝を打ちつつ読み進めました。
まずは何といっても英文の主語の選択ひとつで“日本人くささ”が出るか出ないかが決まります。日本語に引きずられてどうしても生物だけを主語にしたがる日本人が書く英語は、無生物を主語にすることが頻繁にある英語の文章とはかけ離れてしまいがちです。
「ここから市役所まで車で5分です。」という文章を英訳する際、日本人の多くが「It takes」と始めがちでしょう。「A five-minute drive will take you to City Hall.」といった英文が書けるかどうか、それが分かれ道というわけです。
また、自分に都合のよい知らせは一人称を主語に、都合の悪い情報を伝える場合は第三者を主語にするというのも、言われてみればとても頷けます。
「Thirty-minute pizza delivery may not be possible due to heavy traffic.」などはまさに都合の悪い情報を伝えるために第三者を主語にして書いた“英語らしい”文章です。
否定の意味を持つ文章をnotを使わずに書くと、短くて自然な英文になるというのも納得です。
not likelyと書くかわりに unlikelyと、また not satisfied ではなくdissatisfiedとするほうが英語らしいというのです。did not provide よりもfailed to provide、 did not stayではなく leftとする、というのも同様に自然な英語に聞こえるといいます。
仮主語のItも使わないほうが無難とのこと。It is thought that~ とするよりもThe brain is thought to have~というほうが良いというのも有益なアドバイスです。
書かれていることはどれもみな、これなら自分でも出来そうだというものばかり。
明日から本書に書かれていることをぜひとも実践していきたいと強く思いました。
電子書籍
読みやすい
2022/10/27 10:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:fuku - この投稿者のレビュー一覧を見る
主語設定の重要性、態の選択等・・・英語らしさのポイントを学べる本、類似の本は他にも色々ありますが、よくまとまっていて読みやすいです。著者の新刊も気になります。
電子書籍
発想の転換
2019/12/29 23:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:冬みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
英文を作るにおいてのコツがわかります。何となく自分の英作文に違和感を感じてる人が読むとなおさら効果的な気がします。
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日本語と英語の違いをきちんと説明して、英語にしにくい日本語をうまく英訳する方法を教えてくれます。とあるブログで紹介されていて買ってみて大正解でした。
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いろいろ類書はあるけど、この本が一番
自分が学生の作文を直していて感じる違和感を
うまくまとめて解説してると思う。勉強になる。
そう簡単にはここまでうまくまとめられるものではないと思う。
リーディングは得意で、原書だって読めるのに
自分の書く英文が英語らしくないように思えて
しかたがない、という人が読むとかなり効果があるかも。
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(2010/12/5 2周目終了)英語学習の本なので、読み終わった、という言い方はしない。英訳の基本が分かる良書。
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【読者】 日本語と英語の感覚の違いを理解した上で英語ライティングをしたい人
【目的】 読み終えたとき、「本当に伝えたいことを、自然な英語で伝えられるようになる」こと
【一押】 英語的発想で英文を書くための具体的なアドバイス、構成の見易さと平易な文章による読みやすさ
【概要】 英文を工夫して書く指針として大切なことが3Csである。すなわち、Clear(明解である)、Concrete(具体的である)、Confident(自身に満ちている)の3つである。これらを達成することで「伝わる英語(articulate)となる。本書はそのために重要な要素を3章構成15ステップで紹介している。例えば、日本人が陥りやすい間違いとして日本語の表現をそのまま英語にあてはめようとすることが挙げられる。「~と思います」、「~がある」、「~など」といった表現は英語の感覚を理解して書くことで洗練された文章表現となる。また、文章構成としても結論が先という英語圏の表現を理解しないと上手く伝えることができない。本書はこれらの点において有用な示唆を与え、読者が自然な英文ライティングを書けるようになることを助けるものである。
【感想】 本書は英文ライティングの分野において人に薦められる良書である。本書を読み、自身の英文ライティングの誤りが理解できた。日本語表現に縛られるという書かれている内容どおりの書き方をこれまではしていたのである。今後は3Csを意識して常に文章表現を洗練していくことを意識したい。
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良書。実践的な英作文スキルがするすると身に付く感じ。難しい表現はほとんど使われていないが、高校レベルの語学力は必要と思われる。
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本書は、(1)高校の英語でやるような和文英訳の問題はそれなりにできるが、(2)論文やレポートなどの形で、事実や自分の考えをまとまった文章として書こうとするとなかなかうまく書けないと感じており、(3)「英語論文でよく使う表現・文例」みたいな本を参考にしようとするのだけれど、いまいち参考にならないというか使いこなせていないというような人にぴったりの英文ライティング教科書である。英語でのアカデミック・ライティングを生業とする人は、できるだけ早い段階で読んでおくことを勧めたい。
本書では、英語らしい文章の書き方として3つのC(Clear, Concrete, Confident)を挙げる。そして、日本人が犯しやすい過ちや、日本人的な発想から生じる悪い文、文章の具体例を挙げながら、それらをどう改良すれば英語らしくなるかを、まさにclear、concreteかつconfidentに説明してくれている。
前半は、英語らしい「文」の書き方である。日本人的(というか、日本の英語教育的)発想のいかにも冗長な文が、いくつかのコツをつかむとあれよあれよと簡潔で3Cな文に返信する。具体的には、「モノを主語にする」「否定表現を避ける」「意味の重複を避ける」などは、言われてみればそうだが、なるほどと思う。このあたりの説明の鮮やかさは、なんだか、すぐにでも英文を書きたくなってしまう。
後半は英語らしい「文章」の書き方である。内容的には、TOEFLのエッセイの書き方の解説本に書かれているのとあまり変わらないが、それらよりずっとわかりやすい。これは、前半で「文」の書き方をしっかり解説してくれているせいでもある。要点を先に書く、ひとつの段落は「Point-Reason-Example-Point」の「PREP」を意識して書く、ということからはじまり、文章全体をどう構成してゆくべきかが書かれている。
著者は日本人の二人組。あとがきによると、ひとりは日本で育ち、海外の大学で(たぶん英文学を)学んだ人、もうひとりはアメリカ育ちの日本在住の人のようだ。そして二人とも翻訳を仕事としているそうだ。英語らしい英語、日本的な英語、日本語をよくわかる二人であったからこそ、このような本が書けたのだろうと思う。感謝。
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ある程度知識のある方は英文部分だけでも目を通すと、あるあると共感できそうな内容がいくつもあると思う。