紙の本
お捨の描写が、くどいかな。
2018/12/30 21:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ4作目、ころがるような笑い声、白い手にできるえくぼ…これらは1作目から繰り返し繰り返し出てきていて、お捨を象徴するものなのだとわかりますが、何度も出てくると、くどいと思ってしまいます。
それには閉口しますが、くじけそうになる時に、笑兵衛・お捨夫婦に一声かけてもらえたら少し楽になるのではないかと思うことがあります。立ち止まれたり、一呼吸つけたり、張り詰めてばかりだった心がほぐれたり…そういうのには救われますから。
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江戸の片すみ・澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛とお捨。心やさしい夫婦のもとを、痛みをかかえた人たちが次々と訪れる。借金のかたに嫁いだ女、命を救ってくれた若者を死なせてしまった老婆、捨てた娘を取り戻そうとする男...。彼らの心に温かいものが戻ってくる物語全8作。第39回吉川英治文学賞受賞作。
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内容(「BOOK」データベースより)
江戸の片すみ・澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛とお捨。心やさしい夫婦のもとを、痛みをかかえた人たちが次々と訪れる。借金のかたに嫁いだ女、命を救ってくれた若者を死なせてしまった老婆、捨てた娘を取り戻そうとする男…。彼らの心に温かいものが戻ってくる物語全8作。第39回吉川英治文学賞受賞作。
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4 深川澪通り木戸番小屋
木戸番小屋の夫婦はきっかけか知り合いでしかない話もあるけれど、地味なのにしっかりした話がいっぱい。
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木戸番の物語にふさわしいタイトル
なぜか色々なモメごとが集まる
木戸番夫婦・・・その人柄で解決を
したり、なんともならぬまま終わったり
まったりとしたコノ「シリーズ」は
読む清涼飲料水です・・・読んでね
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この人の書く小説は,周りの人物一人ひとりに焦点が置かれることが多い。
だから一日一話で読む分には良いけど,一度に読み通そうとすると気持ちの方が追いつかなくて重い。
慶次郎シリーズもだけど,もう少し核の人物たちを中心に書いてくれると嬉しいなあ。
でも,恩,情,見返りを求めない心。
はっとさせられることの多い作家さんです。
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深川澪通りの木戸番小屋夫婦の4冊目。
相変わらず雰囲気も、中の人達の気持ちも大変良いです。今回の巻では様々な女性達が主人公です。
家業と姑の世話に明け暮れる母の生き方を嫌い、都会に出て働いている女性が、キャリアアップを目指すのか、気楽に働いていくのかを悩む話。
家族の借金の為に不幸せな結婚をした女性が、婚家を出て好きな人と一緒になるけど、その人が死んでしまう悲しい話。
ヒビが入りかけた夫婦がヨリを戻す話。
前途有望な若者が火事から老婆を助け、代わりに若者が死んでしまう話。助けられた老婆の後悔と捻くれる気持ちが痛々しい。
番屋の書役の太久郎さんの恋の話。
人が信じられなくなって、人を疑い、拗ねて、閉じこもってしまうこの女性の気持ちもよく分かる。太久郎さんと幸せになって貰いたい。
昔、捨てた娘とその夫に身代を取られそうになるが、最後は娘に命を助けられた老人の話。
前科持ちの年上の女性が、正直で人の良い若者に、正直さと善良さで救われる話。
お互いに好き合っていたのに、一緒になるのに15年もかかってしまったカップルの話。
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深川、澪通り木戸番小屋 シリーズ 木戸番小屋に棲む心優しい夫婦に、心に痛みを抱えている者たちが、訪れる8話からなる物語。
4冊目になるのだが、現代に通じる問題もある。
「女仕事」家事と子育て、舅姑の世話等で、親にかまってもらえなかったを、友人の手伝いをして、女の仕事とは、、、 おもよは、親の大変だったことも理解できた。
「初恋」武士の娘 おしずは、親類の者の借金で、嫁に行かされたが、肩身の狭い思いをしていた。
鼻緒をすげて貰った年松と一緒に澪通りの長屋にやって来るのだが、労咳に罹っていた。
「こぼれ落ちた水」近江屋の亭主が、お京の世話をしようとするのだが、亭主の後をつけた、お加代は、自分が、亭主から、文句のつけようがないのだが、物足りなくなっていたことに気が付くのである。
元のさやにおさまった。
「いのち」火事の中 命を救ってくれた若武士を死なせてしまたのに、老婆が、生き残ってしまった。
自分は死を望んでいたのにと、嘆くのである。
「夜の明けるまで」バツイチ 子持ちの おいとは、交際相手の太九郎と、再婚しようかと思っていたのだが、、、、病気で、他の女の人に面倒を見てもらっていることを聞いて、拗ねていた。
舅とのことで、人を信じられなくなっていたのである。
「絆」事業に失敗し、家族とも離散した老人駒右衛門は、娘に再会するのだが、悪い男と引っ付いていて、家作を取ろうと企てていた。
「奈落の底」世間を恨んでいる おたつと善良な三郎助が、犯罪すれすれで、オチが、面白い。
「ぐず」15年も待って、お互いの思いを確かめあった2人。
江戸の時代の厳格な武士世界を背景に、町民たちの日々こもごもの日常生活。
嫁姑問題、家族の絆、等、今の時代と変わらない悩み事である。
しかし、その人たちに、積極的に手を差し伸べるのでなく、アドバイスすることも少ない。
笑顔で迎え、目の前にいる人の苦労悩みを、理解しようとしてくれる木戸番小屋夫婦。人情とは、金品を与えたり、心配を取り除くことに駆け回ることだけでない。
他人への信頼、情熱、愛情を注ぐことで、甘やかしていてはだめなのであると、、、、、。
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安心安定の「深川澪通り木戸番小屋」シリーズである。笑兵衛、お捨の木戸番夫婦とともに江戸市井の出来事を観て泣いて笑って、質素ながらも堅実な生活の幸せを何度も噛み締める。このシリーズは、それをしっかり味わえたら十分満足。
この作品に登場する色んな背景を背負って懸命に生きている人々に比べたら、なんとも安穏とした日々を送っている俺だが、それだけに、刺激とか物欲とかを欲さず、退屈だと愚痴を思わず、日々の安穏を感謝して生きていきたいなと思うのである。
収録されている作品「女のしごと」の登場人物おもよが、日当たりが良い日に洗濯モノが乾くと喜び、忙しい仕事の合間に貸本を読んで、月明りを浴びてちょいと寝酒をする生活を「極楽ではないか」とひとりごちる…
感謝をもって暮すことが幸せなのだと、とある自己啓発書に書いてあった。まさにこの境地なんだろうなと思う。
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木戸番小屋の夫婦お捨と笑兵衛。澪通りの長屋の住人たちの人生に寄り添う。二人にあった人の人生にいつも消えない燈になる。