紙の本
教授という立場が面白い
2017/01/17 10:38
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投稿者:のぉちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史的な当時の背景や貨幣価値がうまく話しの流れに使われている。
大学教授の社会的立場や庶民の生活の仕方などがわかる。
テレビドラマ化された内容とは全く違う教授というものがよく分かる。
史実をうまく取り入れているのなら話のなかの言葉にも
もう少し注意して欲しいと思う。
「役不足」という単語が間違った意味で使用されている。
前後の流れから意味が通じず、読むときに戸惑った。
それがなければ、話が何度も展開し、楽しかった。
紙の本
タイトルで期待させられてがっかり。
2016/04/29 22:14
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウンベルト・エーコをもじっているが、内容は全く関連性がない。主人公の仮名も行動原理も謎というより説明不足。こんなのが直木賞候補なんて世も末だと思う。日比谷焼き討ち事件の様子が分かるのが唯一の慰めかな。
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結末の種明かしを読んでうなりました。これはすごい。夏目漱石や日露戦争などの歴史上の人物や史実と、叡古先生という架空の人物をうまく織りあわせて、すばらしいミステリーになっている。主人公・藤太の一代記のようにもなっていて、最後、泣いた。思い返してもゾクッとする種明かしだった!
ウンベルト・エーコが亡くなり、夏目漱石没後100年、そして戦争を起こそうとしているようにも見える現政権。なんというタイミングで文庫化されたんでしょう。舞台は明治~昭和初期だけど、そのまま現代への警告のようにも読める。
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最高学府で連続殺人! 謎を解くのは天才哲学者「ウンベルト・エーコ」ならぬ天才政治学者「ウノベ・エーコ」。他を圧する「知の巨人」が開示していく事件の真相はまさに予測不能!
直木賞候補にもなった作品。佳作であることはわかるけど、読む人を選ぶ作品ではないかと…。特に私のように日本史に疎い人間には、クライマックスで明かされる重要人物の正体に全く反応できずに困惑するのみで、作品の本当の魅力を理解できなかった。
(C)
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シャーロックホームズのつもりで、東京帝大の政治学教授の殺人事件の犯人を捜す藤太と、いいように藤太を使う叡古教授のやり取りが愉快だ。
すっとぼけながらも事件の裏の裏まで解き明かす叡古教授は、全体を俯瞰しすぎていて現実味がないが、コメディーと思えば許容の範囲。
そして叡古の娘さくら子と藤太の仲は...と思わせておきながらのどんでん返しは、さすがのすっとぼけと唸らせる。
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日露戦争終結前後の時代を舞台に、歴史上の人物も登場するミステリー。
短編連作みたいな形式だが、1つの長編として楽しむ小説。帝大教授と書生のやりとりがいい。そして、藤太が誰なのかという種明かし。歴史を背景にした壮大な話だ。
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物語の主人公・宇野辺叡古(うのべえーこ)は、東京帝国大学法科大学の教授である。大著『日本政治史之研究』で知られる彼は、法律・政治などの社会科学にとどまらず、語学・文学・史学など人文科学にも通じる"知の巨人"である。
その知の巨人が、連続殺人事件に遭遇する。
時代は明治。殺されたのは帝大の教授たち。事件の背景には、生まれたばかりの近代国家「日本」が抱えた悩ましい政治の火種があった。
日露戦争のポーツマス条約で、日比谷焼打事件などの暴動が起こった。
日露戦争開戦をけしかけた博士が次々と殺された
実行犯は元旗本の家族。全てを奪われた。優秀な息子は日露戦争で戦士。そんな家族を新聞社の社長の指示で暗殺。
熊本五高出身の若者は叡古教授と犯人探し。
東京帝大に入学、卒業して外交官になった
第二次大戦後の東京湾内に停泊する米戦艦ミズーリの甲板で日本政府全権となる重光葵だった
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大学教授殺しの黒幕は誰かというよりも
これを間近にみていた『阿蘇藤太』
が誰かというのが謎解きのキモ。
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実在の人物と、創作した人物が登場する物語。もちろん叡古教授は後者の方ですが、中々生き生きと描かれています。
ですが、それよりも、この物語の語り部の正体が驚き。話自体は創作ですが、語り部は実在の人物、重光葵なんですよねぇ。ビックリ。そう言う設定ですかと。この物語の頃は、明治時代ですが、後年の昭和。重光葵が、外務大臣として連合国への降伏文書に署名したことは周知のこと。そんな人物を使うとはね。ビックリです。
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(収録作品)図書館の死体/洋装の古代神話/電報十四字/字が書けるということ/トーストの上の暗号表/帝都騒擾/われは藤太にあらず
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歴史とミステリが融合していてまさに本当に起こった事件であるかのように思えるのは解説のとおり。しかし、ミステリとしてはちょっと雑なので歴史とサスペンスつて感じで読む方が面白いかも。
藤太の正体には、まったく気がつかなかったので、おおっとなった。さすが。
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最近になって門井さんの作品をいろいろ読み漁っているが、これは一番楽しめなかった…。歴史×ミステリなのに、私が歴史に疎いせいか?しかしミステリとしてもなあ…。
ほかの門井さんの作品がとてもリーダビリティが高いのに、今作はなかなか読み進められなかった…。
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熊本から東京帝大の叡古教授を訪ねるために上京した高校生、19歳の「私」は、長旅の後宿で教授からの、「翌朝大学の図書館で会おう」旨の手紙を受け取る。ところが翌日、図書館で教授らしい人を見つけ声をかけたところ、その人はすでに亡くなっていて、叡古教授と対立している教授だった。駆け付けた叡古教授と対面した「私」は、その場で阿蘇藤太と名付けられ、彼とともに事件の解決を試みる。
数々の事件を解決しながら、当時の日本を震撼させる出来事も絡ませていく政治ミステリー。
*******ここからはネタバレ*******
素晴らしい頭脳の持ち主でありながら、ユーモアと温かさを備えた教授と、発展途上ではありながら明晰さと素直さを併せ持つ藤太との掛け合いが楽しい。
一つ一つの事件がホームズやコナンのように着々と解決されていきながら、またそこから別の大きな事柄への糸が見つけられていき、飽きさせない。
教授や藤太、さくら子や蘇峰、天民という知識階級の人たちだけでなく、おはつやおちかという庶民も存在感があって、物語に厚みを与えている。
最後に「私」が、あの重光葵だと明らかにされるが、国歌斉唱中だから爆弾が投げ込まれた時に逃げなかったというエピソードも、この物語を読むと納得できたりする。
何のために勉強するのか?と思っている子どもたちには、ぜひ読んでもらいたい。
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日露戦争前後。
ポツダム宣言受諾に調印した重光葵の話。
日露戦争、ポーツマス条約、日比谷焼き討ち事件、帝都大学教授殺人事件。
フィクションではあるが、史実に限りなく近い。さすが、門井慶喜氏。相変わらず、その博識ぶり、徹底ぶりには舌を巻く。
彼の作品はどれも、学ぶこと、知ることの楽しを教授してくれるものが、実に多い。
本作は前知識なくても、まぁ面白いが、歴史が頭に入ってる方が何倍も楽しいだろうな。
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日露戦争の終結間際の頃、日比谷界隈は、東京帝国大学は、徳富蘇峰や、桂太郎や原敬は何をしていたのだろうか。未来の日本のエース外交官は何をしていただろうか。ああ、こういう絵柄だったのかもしれないな、と門井の「画力」に賛嘆。