紙の本
壮絶な純愛
2016/09/07 00:36
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
浮気がバレた日から巨大化していく妻と生きる男の話です。なけなしの金で業務用の肉を買い、なけなしの体力で4mを超える妻を介護するのですが、寄生虫や汚物の描写がなかなかダイレクトに脳を揺さぶってきます。そのうえ、全身の骨が歪に成長していく過程で身体が不自由になっても、会話ができなくなっても、巨大化を機に妻への愛情に気付く夫の心理描写が壮絶です。
かさむ食費、大量の排泄物が発する異臭、近所の好奇の目、終わらない巨大化。読んでるこっちの息が詰まるくらい絶望的な日々の中でも、妻が笑ったとか短い言葉を発したとかそういう小さなことを喜びに感じる夫(クズだけど)が憎めません。絶望の果ての結末を自分の目でぜひ確認してみてください。
グロいし汚いけどそこから目を背けなければ純愛小説だと思います。
今年読んだ本の中で一番心を鷲掴みにされました。
紙の本
愛ですね。
2017/11/30 20:34
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨大化する妻。
食事と排泄の世話。
どうなることかと思ったが、ラストでは泣ける。
紙の本
分かるようで分からない。でも分かる
2023/10/25 21:30
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投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
工女と
嫉妬と
独占欲と
昭和
男の欲望がぐちゃぐちゃで良く表現されている。
女は読むべきでない
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良い意味の訳の解らなさが魅力。なんやかんや言ってもこれは純愛なのだなぁ。 但し食事中に読むのは避けた方がいいw
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現代日本の下水システムはすばらしい。
うんこにまみれてこそ真実の愛。そのスタート時点から変わらなかった奈緒美の健気さを知るラストシーン。せつない。
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2016.12.27-72
夫の浮気を知り巨大化する奈緒美を家に閉じ込めて世話に追われるが、挙句トラックで逃避行するも死なれてしまう夫文行。中盤の奈緒美のグロテスクな描写に対し、最後の巨大化した理由が回想されるシーンが切ない。
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私にはかなりキツかった。
読後感が悪い、って言い方あるけど、この本は読中感がとにかく悪い。
昔読んだ筒井康隆の『俗物図鑑』を思い出した。
あれもかなりグロいと言うか想像するのが辛い描写が多かったけど、でもあっちの方が面白く読めたな。
この作品に出てくる登場人物達がとにかく嫌で、(それは作者の意図するところなんだろうけど)読むのにかなり時間がかかった。
主人公が全く好きになれないし、この旦那の「愛」は私には理解できない。
恋愛文学賞とったみたいだけど。
私はこの人の愛の形は好きになれない。
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http://www.yuichikomori.com/note/2017/06/27/blog6516/
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切実なる恋愛小説。
浮気がバレた日を境に巨大化、異形化が止まらない妻。途中目を覆いたくなるような凄まじい描写があるのだけど、それでも夫の心情と同じように、妻のことが愛おしくなってくる。
妻との生活はどう考えても負担が大きく逃げ出したくなるのだけど、なぜだか決して離れたくはない感覚。たぶんこれは純愛なのだと思う。
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アメトークで光浦靖子が紹介していて、ちょっと面白そうだったので買ってみた!
アメトークや帯で、妻への壮絶な愛が描かれているようなことが書かれていて、この流れをどう恋愛小説としてラストへ向かっていくのかなと思いながら読んでいたのだけれど、うーん、わたしはこれを、愛とは名付けられない。もちろん、全部を愛と呼べないわけではなくって。
依存と抑圧と、絶望と。この状況を受け入れることができてしまうという彼の心は、強いのか、あるいは諦観か。
自分の愛する人が異形化した時、わたしはそれを受け入れられるだろうか。そして、自分以外に愛する人を救ってあげる人はいると思うだろうか。わたしは、前者に対しての答えは、Noで、後者に対しての答えは、Yesだと思う。でも、主人公は、答えがいずれも逆だった。それは確かに、強さであり、愛かもしれない。
お洒落なカフェでなんちゃらラテを飲みながら読んでいると、排泄のシーンなんかでそのなんちゃらラテがなんだかもうラテには見えなくなってきて、しかもその排泄のシーンはなかなかリアルで長いもんだから、よくカフェで本を読むことはおすすめしますが、この本の場合はすすめしません(笑)
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元気な時に読まないとダメなやつだコレ
臭いや音が想像できてゲンナリしながらも一気に読んだ
ハッピーエンドはありえないよな、とわかっていても最後はけっこうぐっと胸にくるものがあった
次は爽やかな青春小説読もうっと
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妻が大きくなるって風船のように膨らんでいくぐらいに思っていたのが、こんなにも痛々しく変形していくとは。でも汚いこと、グロテスクなことをありのまま描いているのに不思議と読みやすかった。
いろんな思い(結構ゲスなことを考えたりしてますが、そういう部分って誰にでもあるんじゃないかなとちょっと共感)がよぎりながらも奈緒美の食事・排泄の面倒を見る主人公。最後に巨大化した理由が分かる奈緒美。二人の夫婦愛がテーマだと言えるんでしょうね。最後の保身すぎる主人公の台詞に感動しかけていたのが冷めましたが。
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くっすん、今年最後に読む本にこれを選んでしまったなんて。想像力を働かせながら読むとエライことに。何も想像せずに読み進めようと思うのに、ついつい想像して涙目に。
夫の浮気が原因で巨大化していく妻。罪の意識から妻のそばを離れられず、世話を続ける夫。骨が音を立てて成長。排泄、寄生虫、不衛生な部屋。
下ネタは嫌いじゃないし、むしろ好きなほうですけれど、う○こまみれはきつすぎる。エロの表現が文学的で、ところどころ三島由紀夫を思い起こしたりするものの、それ以上に作品から漂う異臭。エグくてピュア、まさに怪作。助けて(泣)。
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夫の浮気を知り、精神的に追い詰められる奈緒美。
そして、それは始まった。巨大化である。
奈緒美は人相も変わり、今や身長は3メートル。
骨の成長に伴う痛みに苦しむ彼女が気の毒になってきた。
ダメ夫は、どこまで行ってもダメだな。と思っていたところ・・・
後ろめたさがあるためか、巨大化した妻を献身的に介護するダメ夫がいた。
いや、もうダメ夫ではない。
彼を応援したくなってきた。
なんなんだー!この真っ直ぐな夫婦の愛は。
奈緒美は、幸せだったのかな。訊いてみたい。
「臣女」良かった。
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設定からして幸せな結末は迎えないだろうと覚悟して読み進めていったけど、孤立を極める二人が痛々しく読むのが苦しかった。
嫌味な教師が終盤あたりで、主人公を的確に分析するところや、何となく味方になってくれそうな同僚教師も、もちろんのこと誰の肩を持つこともなく…誰も助けてくれないし、主人公自体助けてもらおうと思ってない。
金銭的にも社会的にも追い詰められる、というか主人公自ら追い詰めてるような気がして「早く然るべき機関に助けを…」と何度も思った。