紙の本
本格SF
2023/07/03 06:13
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者の初の長編小説とのことであるが質量ともに大変な力作である。オーウェルの1984年を先祖とし、伊藤計劃のハーモニーを母とする作品と感じた。一部のエリートが残りの愚民たちの感情までコントロールして「絶対平和絶対安全」な社会を作り上げるという、使い古されたテーマではあるがAIがもてはやされる最近、ますます身につまされる課題である。ストーリー構成も手が込んでいて2つの並行して進むストーリーがなかなか交わらない。もう少しコンパクトにしたほうが読みやすい。
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貧しい鉱山で働き上昇志向の強い青年ユジーンと、人の心が読めてしまう異質な存在であるヌー(名無し)。SFのようなファンタジーのような、2つの世界が同時進行していく。嫉妬や哀しみなどの負の感情が無ければ、人はアグニオン(善き人)になれるのか。分離化を目論む組織と、それに疑問を感じてあがらおうとする混合体。
ざっくり言えば、“世界にひとつだけの花”みたいな話だなと笑 処女小説なのかしら?文字量も多いし、ページ数も多いけど、整理されていな感じがするし、登場人物たちの急激な感情の変化にこんがらがってしまうし、SF小説が元々慣れてないのもあるけど、シーンが浮かんでこないんだよね。でも、人間は“負の要素”もあるからこそ成り立つ存在なんだなと伝わってきた。
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SFなのかファンタジーなのかと思いながら読んでいました。思考とは、幸せとは、人間とはという哲学的なものがテーマになっていると思います。
徹底的に管理された社会で、管理者はどうふるまうのか。
これも面白いテーマです。
本格的なSF、ファンタジーではないけれども、エンテーテイメントとして読むもよし、哲学的なテーマのネタとして読むもよし。
結構奥が深いかも。
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全ての人類が、若く美しく聡明で正しいことしか行わず、私利私欲を持たない世界が、果たして理想なのか?
設定が架空の未来世界であるため、状況をうまく想像できずストレスになる。
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『機構』によって、平和は保たれているが欲望を持つことが厳しく取り締まられている世界。だがそこから見捨てられたような最貧困地域で『モグラ』と呼ばれる坑夫をしている『ユージン』は、高い能力と強い望みで『特別候補生』となることを許される。だが『機構』の目的は、全人類を『善き人』にするために負の感情を消す『分離化』の実験に、特異体質を持つユージンを利用する事にあった。
『AI』と『管理者』によって統治された未来感漂う世界で反抗する青年と同時に、さらにその先で文明を失っているような世界で特別な能力を持つ少年が交互に出てきます。
まあありがちな設定だけれども好きなジャンルではあるのですが、文章がつまらなく、先が予測できるせいかダラダラとした印象が残りました。
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いやーSFでした。
二人の話がどうつながってくるのかなーと思いながら読んだのですが、なかなか繋がらず、話の先が見えず、ちょっとイライラしてしまった。
最初は面白かったけれど、最後まで読むのはつらかったな。
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18:鴨さんの初小説本ということで期待値も高かったのだけど、期待通りの面白さ。作者と作品を同一視するのはあまりよくないと思うけど、タニュアの擬体のこととか、ヌーの決意やユジーンの反骨精神は鴨さんらしいな、と感じました。
点を辛くするなら、小説としてのこなれてなさ、みたいなのは感じるのだけど、これからの世の中に対する希望とと信頼を感じました。未知の世界へ力強く漕ぎ出すような作品。
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いままでSFを食わず嫌いしていてごめんなさい。面白かった!
『反穀物の人類史』とオーバーラップする。
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2020.8 SF作家って小説書いているとき楽しいんだろうなぁと思わせる本でした。まぁよくあるパターンでした。