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題名と表紙に惹かれて読んだ。
5人の方の生と死。
その家族や友人の故人を見送るエピソード。
涙したり「ふふふ」と笑ったりしながら一気に読めた。
以前に読んだ何かの小説で、夫が「墓はいらない。葬式も年忌もやらなくていい」というのに対して妻が「お墓は故人の為でなく、残された者のため。お墓がなくてはあなたに会いに行けないし、年忌がなければばらばらな土地に嫁いだ娘たちが全員揃う機会がない」と答える会話があったことを思い出した。
弔うというのは、故人のためではなく故人の周りの人間たちのためなのかなぁ、と。
この本に登場する故人たちは、旅が大好きだったり、世界の山に登ったりといった自由に生きていた方々なので、その家族・友人たちは弔う方法として散骨を選んで自分の気持ちに整理をつけたのかもしれない。
死や散骨にまつわる話だが、読後感は明るく爽やか。
作中にも登場する矢萩多聞さんの装丁・装画が素敵で、手元に置いてまた読み返したいと思った。
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うーん、涙腺崩壊、という人もいるみたいなのに、私は…
あまり響かなかった。
すでに散骨も、無宗教葬も、いろいろしたからかなあ。
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何回か涙腺が崩壊して大変だった。
その涙は悲しいからじゃなくて
故人がこんなにも愛されてたんだと
知った時に胸がギューと締め付けられる感情。
タイトルの『晴れたら空に骨まいて』を
残された相手に言えるのか?
言われた側はそれを受け止められるかを
問われている気がした。
散骨という埋葬方法の話じゃなくて
亡くなった人と生きてる人が心の中で
どうコミュニケーションしていくかだ。
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ノンフィクション。
愛する人の死+世界各国での客死や散骨 というテーマ。 決して暗くなく旅行記ような雰囲気で読める、愛する人の死を受け入れていく人たちのお話。旅に出たくなった。
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肉親を散骨で弔った5人の物語を川内有緒氏が綴る。それぞれが感動的な物語であり、素敵な人たちの人生である。特に「マカルーで眠りたい」に記載してある、医師登山家である原真に嫁いだ仏人エリザベスの人生には、その率直な生き方に心を打たれる。二人の養子を引き取って育てるのもおおらか。真摯で優しく、こういう人たちが世にいることを知るだけでも有難い。また、社会的な葬送システムが希薄になった今、散骨という葬送もいいものであり、決して命のつながりを軽視したやり方ではないのだと感じた。
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川内有緒さんの文章って、ほんとにいいなあと思う。力みがなく、いつも爽やかな風が吹いているような感じだ。本書は、大切な家族や友人を失い、その見送り方として「散骨」を選んだ人たちに取材したもの。著者自身もお父さんをそういう形で送っている。自由に生きた(生きる)人たちは、見送ったり見送られたりするのも軽やかだなあ。
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死に方は生き方でもあるし、生きることは死に一歩一歩向かうことだなと。自分や近しい人の生き方死に方を含めた人生を考えさせられる。そして最後の死んだ人が重なるという感覚はわかるような気がする。ふとした瞬間に自分の中に死んだ人が入ってくるような感覚。
後悔しない死に方はないかもしれないけど、そういう死に方したいし送り方をしたい。
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川内有緒さんのあたたかい文体で、それぞれ5人の方の物語と死への向き合い方が書いてあった。2組の夫婦の出会い方がまるで小説みたいで、こんな風に出会ってみたいと思った。
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故人の骨を撒いた人たちの話。
私は死んだら骨を撒いてほしくて、この本を読んだ。
でてくる人たちはみんな違う人生だけど、好きなことやって、生きぬいた人たちだなって思った。
1.世界中を旅した夫の骨を、世界の様々な場所へ
(パリのポンデザール、大連の海、アメリカの友人の墓etc)
2.妻の骨を、20年共に過ごした南の島(ロタ島)の珊瑚の海へ
3.旅先のチェコで客死した父の骨を、チェコへ
4.山に行きた夫(本職は医者、原真さん)の骨を、ヒマラヤへ
5.インドで共に暮らした人を、インドのチトラヴァティー川へ
悔いのないように、好きなことをして生きようと改めて思った。
死者は、自分の重なっていくという考え方は、大事な人を失うことへの恐怖を少し和らげてくれた。たくさん向き合ったから、重なっていくんだと思うから、大事な人とたくさん向き合いたい。
ヒマラヤの民族の子を養子にしたり、友人の子供を養子にしたり、知り合いを介護したりといったエピソードは、血の繋がりより心の繋がりだよなぁ...と思った。
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大爆笑しながら読んだ。
散骨は法律違反じゃないんだ。
散骨という選択肢ができた。
わたしもわたしの骨を持って短い旅をしてもらいたい。
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散骨を選んだ5人の遺族・近しい人への
インタビュー。
私も散骨とつもりで、葬儀社から情報ももらっているので、同志のような気持ちで読み始めた。
散骨に至るまでの人生がすごい。
型にはまる人はいない。
2016初版ながら、インタビューは00初頭から
はじめられたそうなので、
散骨は特別なものだったのかもしれない。
それが今や、私のような平々凡々な人間も選択する。
生死についての意識も変わってきているのだろう。
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ちょうど分骨について考えている時に出会った本。散骨とは違うけれど、どちらにしても残された人が考え抜いてだしたやり方で送るのでいいと背中を押してくれた本でした。胸が熱くなりました。
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医者ガチャ
手術、人工呼吸器、断る。
医者に勝手に入れられた呼吸器は外してもらう。
死の恐怖を前に、何の書類にもサインはしない。
今あることに感謝。
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この作品では、5組の家族(著者である川内有緒さんもですが)の、家族としての生き方と大切な人の看取りを経て、遺された家族がその後の人生をどう生きているのか…を、散骨を通して描く…。
「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」がすごくよかったので、こちらの作品も読んでみました。タイトルにはびっくりさせられますが、心温まる内容です。また、この装丁がすごくいいですよね!この作品の装丁は作中に登場する矢萩多聞さんのものです。
散骨ってそんなに構えなくてもできるものなんだなぁ…なら、私も家族にそう言っておけばどうか、ちょっと考えちゃいました。大切な人だから、最期の想いを叶えてあげたいって家族に思われるような自分になりたいなぁ…そう感じました。
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明るく表現されているけれど
実は重い本でした。
亡くなったどの方も実はもっと生きたかった。
生きてもっと成し遂げたかったことを
ご家族や近しい方がその意をくんで
次の世でもお続けなさいと空に骨をまく。
それは今生きている人の心の区切りにもなって
死者と共に生きていく新しい道が見えてくる。
限られた命をどんな風に生きて
死をむかえた後は
ただの無になるのか
生きてる人と共に生きるのか
ただただ自由なのか
答えは難しい。