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探偵・月輪シリーズ第2巻
2023/12/31 21:48
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
探偵の月輪シリーズ第2巻。山縣有朋の側近と云われる政商が自宅屋敷で首無し死体として発見される。探偵・月輪に事件究明の依頼があり旧知の友人・杉山潤之介とともに乗り込むが、彼ら・警察をあざ笑うかの如き家人が次々と惨殺される。わらべ歌に沿った殺人、遺産争いを予想される遺言の開封制限と盛り上げ要素満載で、どこに着地するのか見通せないが、被害者の裏事情が仄めかされてからの怒涛の展開は見事。ここまで大掛かりな設定とは思いもよらず、伊藤博文や山縣有朋が登場する理由にも納得。惜しむらくは探偵が活躍しない。満足の一冊。
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まさかの大胆なトリック
2019/05/02 07:30
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代が舞台の本格色の濃いミステリー。黒龍荘という屋敷で殺人事件が発生。探偵の月輪が警察と協力しながら、捜査にあたりますが、虚しくも次々に殺人事件が発生してしまうというお決まりの展開。月輪もっとしっかり推理しろよ、とか、谷超警視そんなしょっちゅう本庁に帰らんと現場で捜査しろよとかいろいろ突っ込みたくなりますが、トリックはまさかのトリックで大胆ですし、時代設定もよく、すごく雰囲気のあるミステリーでした。
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大胆なトリック
2024/01/20 18:26
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投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代が舞台の本格色の濃いミステリー。黒龍荘という屋敷で殺人事件が発生。探偵の月輪が警察と協力しながら、捜査にあたりますが、虚しくも次々に殺人事件が発生してしまうというお決まりの展開。月輪もっとしっかり推理しろよ、とか、谷超警視そんなしょっちゅう本庁に帰らんと現場で捜査しろよとかいろいろ突っ込みたくなりますが、トリックはまさかのトリックで大胆ですし、時代設定もよく、すごく雰囲気のあるミステリーでした。
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大掛かりかつ冷酷非道な真相に戦慄。平坦な道を歩いてきて、いきなりストンと深く暗い穴に突き落とされた感じ。犯人は予測できてもこの真相の予想は普通の人には難しいだろう。黒龍荘に好ましい人はいなかったけどそれでよかった。じゃなければ後々ショックが大きいわ…。
事件そのものも時代の波に葬られ被害者も浮かばれずモヤモヤは晴れないが、現実起きた凶悪事件を殺人トリックに繋げてミステリーにしてしまうあたり作者の力量を感じる。
主役の月輪くんも杉山くんも個性が弱いので、風変わりな蘭子さんの出番と啖呵に唯一スカッとできた。
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自分はかなり面白いと思ったが評価が分かれる作品だと思う。ストーリーの展開から犯人を捜すセオリーからは少し外れている所が評価の分かれ目だろう。
最後にそう持ってきたかと手放しで感心するか、それは無いと思うかの差だと思う。
ただ警察がどのようにして犯人にたどり着いたのかが触れられていないのが不可解だ。
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ミステリ風味の時代小説。
前作の『伊藤博文邸の怪事件』よりもミステリ色が強く、
ミステリのフェアプレイが意識されているようでした。
ただ、そのためになのか、メイントリックの手がかりが
あからさま過ぎるくらいに書かれています。
なお、犯人の目的達成のためには、
なにも連続殺人事件をわざわざ起こす必要はないです。
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私は本格ミステリ&館ものを数年ぶりに読んだ上の感想です。
所謂、雪山の山荘とは違う形での館ものです。舞台が明治時代で元勲の名前が出てくるので難しいと思われてしまいがちですがそれらの知識がなくても楽しめます。「むしろ無い方が楽しめ「」時代背景も丁寧に解説しています。ただ推理の道筋の付け方など明治人の探偵にしては言動や当時の風習など現代ぽい印象がありました。明治人である探偵とワトスン役及び警察が現代人に見えてやや不思議な印象でした。
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ちょっと最後まで謎解きのヒントは少な目で謎は解けなかった。ある意味、占星術殺人事件を彷彿させるトリックだった。探偵ちょっと物足りない感じはするかな。でも、「月輪」ぅて名前きにいっちゃった。
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明治が舞台の殺人劇、のわりには意外と読みやすく、すいすい読めました。しかし、黒龍荘という大邸宅が舞台のわりにはそれが活かされているというわけではなく、ちょっと残念。探偵役はタイプ的に明智小五郎な感じですが、話は横溝的な気が。
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平均以上ではあるが、手放しに賞賛する気にはならない。
首なし死体が出てくれば、読者は必然的に身元誤認かと身構えてしまう。
そして結局トリックはその通り身元誤認が行われており、それが家族規模で行われていたというだけ。
十六の列挙された謎は矛盾なく見事に解かれている点は素晴らしいが、トリックが少し弱く、手がかりも少ない。
物語としても中盤は少し中弛みしており、単調になっている印象。しかも探偵役の月輪は本当に何もしておらず、警察だけの方が良かったのでは?とすら思えてしまう。
トリックの完成度としては高いと思うが、もう一捻りほしいところ。悪い作品ではないが、やや物足りない。
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トリックや雰囲気は非常に良かったが、全体的にはあまり満足できなかった。連続殺人事件であるから長くなるのは仕方ないのだがそれにしても長いというのが正直な感想。トリックに主眼を置くハウダニット物とするならば伊藤や山縣など政治色を絡めずとも作れた気がするし、明治を舞台とするならばやはりワイダニットに主眼を置き、時代の闇をとことん明らかにするような話であっても良かったと思う。
また、連続殺人物ではよくある設定であるが探偵が仕事をしてなさすぎる。全て殺人は実行されているし、最後探偵語りしているが警察の方が先に辿り着いているという落ち。助手もあまり役に立たず、前作を読んでいないので彼である必要性も感じられなかったのは大きいと思う。
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文庫王国と、新本格ミステリ新書から。どちらからも推薦されているってことは、それなりに信頼できるんじゃないか、と。しかしまあ、なかなかの惨劇ぶり。凄惨を極める真相も、グロテスクさに輪をかける。著者の他作品も是非!とまでは思わなかったけど、結構楽しませてもらいました。
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時代背景が明治。作中に漂う雰囲気や、中盤までのスピード感は良かったが、終盤にかけて中だるみ。
特に、トリックに期待していただけに、ちょっと最後は残念な幕引き。