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事例を交えた内容は、分かりやすく興味深かったです。
ASDと犯罪の関係が取り沙汰されていますが、生育歴が関係している場合も。
ASDだから、という考え方は安直過ぎ。マスコミ報道に踊らされたくないです。
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最近、NHK等で発達障害関連の番組が多く放送されている
ように思います。書籍も多くでていると思います。
また、内容にもありましたが、やっと最近青少年の犯罪が
なんでも発達障害に関連して報道される風潮も少しは
なくなってきたのではないかと思います。
豊川の事件も佐世保の事件も実は、発達障害ではなかった
のだということがこの本に書かれていました。
誤解がなく、生きずらさが少しでも和らぐ世界になれば
といつも思います。
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大人も含めた発達障害、とくにASDとADHDについて、数多くの様々な症例とともに紹介している。事例は具体的かつ切実なものばかりで、興味を持続したまま読み進めることができる、
ADHDが甘えや怠けではないのだということを、周囲の人ももちろん、本人が理解しておかなくてはならない。
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いささか我田引水気味の論法や主張も散見されるが、臨床経験が多い医師の視点から捉えたASD、ADHDの定義や現状がよく分かった。
もちろん私自身そうであることは言うまでもないが、この本の中で繰り返し紹介されているASD、ADHD患者の持つ特徴を読んで、丸っきり自分のことではないか…! と戦慄する読者は少なからずいるだろう。
個人的には、先天的・後天的な脳器質の明らかな差異は別として、発達障害は陰か陽かバチッとラインを引いて峻別することができるものだとは思っていないし、各々の人格が持っている個性のブレに過ぎないんじゃないかと考えている。
昔のように「あいつは変な奴だ」の一言でつき放し、世間から爪弾きにすることがいいとはもちろん思わないが、「障害、病である」とカテゴライズして、それ相応のスペシャルな扱いが必要なのかと問われれば、そうでしょうとも答えられない。
さも当たり前のことのように、投薬によって症状は治まった、という例がいくつも書かれているが、もちろん当人及び家族等周囲にいる人たちにとって深刻なケースは少なくなく、"治療"によっていくらかでも救われている人も多いという事実は理解するものの、それは本当にベストではないまでもベターな方法と言えるのだろうか?
そういえば、ADHDを提唱した張本人の医学者が、晩年に「ADHDは作られた病だ」と告白したとかいうニュースを読んだ記憶があるのだが、あれはどうなったのだろう?
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題名通り、代表的なASDとADHDについての一般向けの解説本。特に成人の発達障害を専門にされている著者ならではの成人発達障害に対しての解説はわかりやすい。ASDとADHDは合併しやすいが、その鑑別などについてもわかりやすく解説。診断についても常識的。障害が偏見や誤解を生む元となった犯罪についても診断の重要性について説明。現在の成人発達障害の臨床を知るには入門書として良いと思った。
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このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。
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良くも悪くも、広範囲に発達障害を知れる本。入門書としては良いと思う。
うちがええと思ったんは、「発達障害の今」を反映しているところ。
日本において、発達障害の扱いは結構ぞんざい。精神科医やカウンセラー、個々人の見解に任せられてるところも少なくない。そんな現実を実例織り交ぜて紹介しているところが良かった。
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本書は主にASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如多動障害)を扱う。
対象とされているのは、小児よりも成人という印象を受けた。
これらの障害は、親のせい、養育環境のせい、しつけに何らかの問題があるせい、とされてきた。
いや、おそらく今でもそう思っている人は少なからずいるだろう。
しかしそうではないことは明らかになっている。
ただし、これらの障害がきっかけとなって、養育環境が整えられなかった可能性は十分にありえる。
早くから療育を始め、親もペアレントトレーニングを通じて子供への理解を深められればいいが、様々な事情からそれが困難であるケースだってある。
そうなると不適応からまた別の問題を引き起こす場合もある。
それが小児から成人への成長過程で起きるから、この障害は難しい。
しかし逆に言えば、「ADHD症状を患者本人が自覚することや投薬の効率によって、十分な改善を期待できる」(64頁)。
この言葉は励みになる。
いくらやっても変わらない、どれだけやっても届かない、何もかも投げ出したくなる気持ちを鎮めてくれた。
理解をしていても、いつもいつも寛容ではいられない。
それは私自身の性格的なものもあるが、実際に24時間共に過ごす家族にとっては本当に苦しいものだ。
子供のため、とわかっていても、支える側も疲弊している。
今後はそこにも焦点を当てたフォローが必要であろう。
はじめに述べたように本書が対象としているのは成人寄りだ。
歴史や事例を学ぶには有用だが、私自身が欲している情報(小児)とはややズレがあったことを付記しておく。
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数々の症例や事例を引用しつつ、論を進めている。ADHD(注意欠如多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)の共通点と相違点はとても参考になった。
同じ症状でも、ASDに由来するのかADHDに由来するのかで、対応も治療法も大きく違ってくる。場の空気がよめないのはASDであるが、対人関係に不得手なADHDの場合もある。人間との距離の取り方が下手な場合も存在する。
また単純にうつ病として診断されても、障害に由来することもあるので、また一概に語れないのが歯がゆい。
また後半ではサヴァン症候群や、いわゆる「アスペルガー障害」の報道のあり方、それのもとになった犯罪などがつづられている。この辺は「他人の気持ちが分からない」だけでアスペルガー障害であるという風評があるが、そうではない、などが主張されていた。
筆者はADHDやASDの治療として投薬を行っている。これが少し気がかりであった。内容はとてもよいのに、すこしこれで残念に思えた。投薬の副作用がやや問題になっていたはずである。
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ASDとADHDについて解説。ADHDよりもASDの解説がメインか。
特に目新しい知見が記載されているわけではないが、障害の内容や診断基準については詳しく記載されている。
ただ、想定される読者は、自分または身近な人が発達障害ではないかと疑っている人だと思われるが、自分または身近な人が発達障害であった場合にどう対処すればいいかはあまり記載されてないように思える。
本当に困っている人にとっては、その人がASD、ADHDだと分かるだけで気分的に楽になるかもしれないので、それでもいいのかも知れない
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非常に分かりやすい解説で為になった。うつ、ないしは他の精神疾患と診断されても実際はASD, ADHDの場合があること、また逆の場合もあることを具体的な症例をあげているのが参考になる。また、DSMー5や他の診断に至るまでの定義を表にまとめているのは、一般人向けての本としてとても有益だと感じる。アンデルセンや大村益次郎の例は純粋に興味深かった。ASDやADHDの原因、さらに治療方法の最新の海外の医学文献の紹介もあればよかったかなと思う。
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発達障害という疾患について、その中心的なASDとADHDを詳しく述べることによって説明されています。一つひとつ丁寧に書かれていて、この症状に対しての出来るだけ正確な理解をすることによって、世の中にはびこる偏見をなんとかしたい著者の趣旨が伝わってきます。症状の例が述べられていますが、それは一つだけ取ったら一般にもあることで、それが様々な誤解に結びついていることが良くわかります。複数に当てはまれば発達障害ではなく、発達障害だから複数の症状が出ているということに気をつける必要があるのだと思います。この症状に苦しんでいる方々や、それを支援する様々な活動と、世の中の関心の薄さからくる偏見や誤解。本書を読むことで、この方々に対する総合的な理解をすることができます。
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本書は前書きで、対人関係が苦手な人は健常者もいますよ、とごく当たり前の指摘をしており、その点からこの本は発達障害の優れた解説本ではないか、と私は判断した。 発達障害の概念がそうでもないのに使われており、正しい発達障害の道案内の本と言える。
私は、不注意が今でも多く、言われても、何度繰り返しても続くから、やはり、注意欠如多動性障害である。他に、衝動性が高い。暴行罰金刑10万もある私は実は前科一犯。
本書によると、発達障害の人は、海外では、のびのびできた、というように書かれている。 やはり、日本は、発達障害の人が不得意な、同調圧力が強いんだよ。
発達障害に関する解説書では最適だと僕は考えます。オススメですね。
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ASDとADHDのちがいなど。
シネステジア(共感覚)ってどんな感じなんだろう。文字や音に色を感じるって、ひとによってその色は違うのだろか。
就職して初めて症状に気づくパターンが多いとか。
凶悪事件と病気の関係など、世界の深さと救いのなさ、リアリティとファンタジーの混沌にもんもんした。
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読み終えてまず感じたのは、実にこの発達障害というのは難しいということ。
この人にはこの問題があるから、こう対処する…課題に対する適切な一対一対応というのができれば望ましいが、発達障害がうつ病を併発して表れることなどもあり、それはプロの医師を持ってしても難しいようだ。
本書では様々な事例が紹介されており、今後様々な人と接する上での視点を多少は得られたように感じる。私は子育てを控えており、また、大学職員である。発達障害を持つ学生へのケア、対処はよく問題となる。そういう意味で、読んで良かった一冊であった。