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紙の本
好きな作品の一つ。
2015/08/18 00:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
時折、不思議と読み返したくなる本です。著者の作品はたくさんありますが、中でも好きな世界観、作品の一つです。
紙の本
光と影
2005/10/22 21:15
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あさひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで何冊か恩田作品を読んでいますが、この作品は私の中ですごく不思議な位置にあるような気がします。
「光の帝国」というタイトルから、読む前は文庫版解説者の方と同じように壮大なファンタジーかと思っていましたが、そんなことはない。
不思議な能力をもつ常野と呼ばれる一族のお話だけれど、奇抜ではない。
とても暖かく、切なく、素朴に光と影を包んでいるお話です。
とにかくツル先生が好きで、ツル先生が登場する短編「手紙」「光の帝国」「国道を降りて…」だけこれまで何度も読んでいます。
ツル先生の容貌についての記述はシンプルで、延々描かれているわけじゃない。
なのに頭の中には親しみやすい瞳をしたツル先生が勝手に浮かんでくる。
会ったことはないのに、懐かしい気持ちで「ツル先生」と呼びたくなる。
「国道を降りて…」の美咲もきっと、こんな気持ちだったんだろうなぁ…と思いました。
同じ「常野」が登場する長編「蒲公英草紙」、そして「オセロ」の続編も刊行されるようなので、この世界がお気に召した方はぜひ。
紙の本
壮大なドラマの幕が開く前に
2004/07/04 17:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
恩田陸「光の帝国」です。副題に「常野物語」、連作短編小説です。宮城県の某所にある常野には昔から特別な能力を持った者たちがひっそり暮らしていたのだが、不幸な出来事によりそのその地を後にし、能力を隠して世間に散っていった。その者たちのそれぞれの今の生活を綴った連作…と、簡単に説明するとこうなります。相変わらずの恩田陸の世界です。まあ、簡単に云えば超能力がテーマのSFとなってしまうのですが、そうは問屋が卸さないのが恩田陸。実に摩訶不思議な感動です。この手の定番ですと色々な超能力者が敵対する悪の権化みたいな者と難問を切り抜けながら戦ったり、事件を解決したり…みたいなお話になると思うのですが、この本は一筋縄では行きませんよ。世の中にひっそりと溶け込んだ常野の人々のその後であったり回想であったり再確認であったりと事件性は無いと云えば無く(抱えている問題はありますが)最後にゴールが来るわけでもないのです。連作なれどつながりは見えてこず、全く予測がつきません。
そんな散りじりバラバラな連作を空から地上を見るように、木を見ず森を見るように、部分より全体を見るとおぼろげながら形が見えてきます。ところが、そうやってやっと見えそうになった時に幕が引かれてしまうのですが、作者の後書きを読むとなるほどと頷けるのですね。そうか、これはプロローグなのかと。だから繋がらないのだ。これから始まる物語の前兆なのです。プロローグでこれですから、先を想像すると否応なく壮大なドラマが見えてきそうです。台風の前の静けさ、その静かなる不安定さ故の不安と恐怖の時間が刻まれている本なのです。
紙の本
しんみり、感じ入る一冊。
2003/05/26 15:51
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投稿者:NEO - この投稿者のレビュー一覧を見る
一緒に泣きましょう。
涙を流さずとも、こころでしんみり感じ入る。
読み終わった後、心か、記憶か、どこかが泣いているような気がする。
そんな、一冊。
話は、なんてことない。
不思議な能力を持つ常野一族にまつわる、短編集だ。
この粗筋とタイトル「光の帝国」を見ただけじゃ、読む気にはならなかった。
が、ファンの間で非常に評価が高い一冊なので、読んでみる事にしたのだが…
粗筋だけ喋っちゃうと、本当に何てこと無い小説なんだけど
やっぱり、そこは恩田陸。
きっちり読ませながらも、読者に委ねる部分もあり。
そして、日本人が感じる郷愁を呼び起こす。
恋人と会えない一人の夜とか。
友達と喧嘩しちゃって、寂しい午後とか。
人を恋しく感じると同時に、疎ましく感じてしまう時に読むと
自分の大切な人達の顔がひとつづつ思い起こされ
全ての人の「優しさ」を大切にしよう、という気になる。
暖かい作品なので、誰にでも、ぜひ読んで欲しい。
紙の本
クールな人たち
2024/02/09 03:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議な能力を持つという常野という地域出身の人たちの物語で短編集です。標題作はあまりの救いの がなく、気分が落ち込む展開に愕然。また、中には正直、よくわからない話もありましたが、評価が高い作品なので、これは私だけがそう感じるのかもしれません。オセロゲームの主人公はなんとなくクールで良かったですし、こんな人いいなぁと、思うような主人公が何人かいました。しかし、人と違う能力を持つって大変だなぁと改めて感じさせられた一冊です。
紙の本
もう少し整理されてると
2023/08/03 11:21
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきで書いてある通り、いろんな登場人物のエピソードが多くて、
まとまりが無かった印象。
これ誰だったっけ?って感じになったのが残念。
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常野
2023/05/02 19:38
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、常野一族という、不思議な力を持った人たちを中心とした短編集。
彼らは、長生きをしたり、遠くのものが見えたり、未来のことがわかったりする。
「常野」というのは、「常に在野であれ」という意味。
彼らは権力を持たず、群れず、地に溶け込んでいる。
そんな彼らの生活の一部を切り取って描いている物語なのだが、
今私が読んでいるのは、もっと大きなものを小さな窓から見ているだけのように感じる。
この後にもっと大きな物語が待っているかのような。
と思って読んでいたら、続編「蒲公英草紙」「エンド・ゲーム」が刊行されているそう。
早速読まなくては。
電子書籍
光の帝国 常野物語
2022/08/10 09:29
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投稿者:Keito - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議な一族というか不思議な力を持つ人々のそれぞれの話で共通した人が出てくることもある
連作なのであと2作品を読むのが楽しみ
ホッコリとしたり悲しくなったり安堵したり面白かったです
電子書籍
流浪の民の宿命
2020/03/18 23:07
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議なパワーを秘めながらも私利私欲のために使わない、常野の人たちのストイックさに感心させられます。一族のマイノリティーとしての苦悩も、リアルに描かれていました。
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けっこうこわい
2019/01/18 17:02
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投稿者:フィン - この投稿者のレビュー一覧を見る
超自然の力を持つ一族の話と聞いたので、ファンタジーを想像していた。みごとに裏切られた。なまなましい描写で、ちょっとコワイと思った。
紙の本
初めは各話の関連が判らず戸惑ったが、徐々に関連が見えてくると俄然面白味が増してくる。
2018/08/16 11:37
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めは各話の関連が判らず戸惑ったが、徐々に関連が見えてくると俄然面白味が増してくる。特に、<9>黒い塔で、ばらばらだった話が繋がり大きな流れになり始めると、その不思議な魅力に取り込まれ、再度読み直して各登場人物の関連を洗い直してみたくなる。不思議な能力を持つ「常野(とこの)」一族にまつわる連作短編集で、既に『蒲公英(たんぽぽ)草紙 常野物語[2]』、『エンド・ゲーム 常野物語[3]』が出ており、この全体を通じた大きな物語として見たくなる。幻想的なだけでなく、異能力者の置かれた社会問題という視点は、現代のいじめ問題などにも通じるものを感じる。
<蛇足> 初めは勝手に柳田國男『遠野物語』を下地にした作品と思っていたが、著者「あとがき」によるとアメリカのSF作家:ゼナ・ヘンダースン(1917年11月1日~1983年5月11日)の影響が大きいという。ピープルシリーズが2冊翻訳されてるので、その内読んでみよう。
電子書籍
ファンタジー短編集
2017/07/27 03:35
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投稿者:森 - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集なので仕事の合間にも読みやすかったです。一話づつ、主人公が変わりますが、物語が繋がっていて、登場人物が被っていたりします。
ある話で主人公だった人物が他の話で出てきたり触れられてその後や過去がわかったりして読むほどに引き込まれていきました。
特にツル先生の話では思わず涙してしまいました。
電子書籍
常野ワールドを形成する短編集
2017/06/18 00:05
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1部の『光の帝国』は、いわば序章で、常野にまつわる不思議な話の短編集となっています。やたらと記憶力のいい、なんでも「しまえる」春田家。「あれ」という正体不明のものと戦い続け、「裏返されない」ために相手を「裏返す」ことを延々と続ける拝島家。一体いつから生きているのか分からない「ツル先生」。普通の人には見えない、建物や人間にまで生える毒々しい色の「草」を取る人。どうやら自分が何者なのか記憶にないらしい「亜希子」。
それぞれのエピソードは一応独立していますが、様々な伏線が相互に干渉し合い、響き合って一つの常野ワールドを形成しているようです。
紙の本
○感じたこと
2001/08/16 23:23
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投稿者:秋月真夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
つながった舞台の短編集。世界や出来事がとても強くリンクしているのですが、それよりも、ひととひとのつながりを深く印象付けられます。常野一族の絆の物語。