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なかにし礼さん
2022/05/15 17:31
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
といえば「てるてる家族」を思い出すが、あの明るいミュージカル朝ドラにも、ちゃんと平和へのメッセージがあったりして、ご本人の信念が入っていたところがよかった。
お亡くなりになった今、この本から、次世代に伝えたいことを次は私達が伝えていかなければと思う。なかなか難しいけれど。
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中国に生まれ、戦争の悲惨を体験したなかにし礼氏の、平和への祈りの詩が書かれている。戦争を憎み、そして現代の流れに少し悲観的になってしまっているが、のぞみを捨ててはいないなかにし氏の想いが、叙情的に伝わってくる。
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なかにし礼さんが時代に対して積極的に発言されていることは、何度か見聞きしたことがあったが、こんなに直接的に思いを綴った詩集をだしていられたとは知らなかった。
タイトルにもなっている、最初に掲載された詩「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」は、「2014年7月1日火曜日」から始まる。
この日は「集団的自衛権が閣議決定された」日。「平和憲法は粉砕された/つまり君たち若者もまた/圧殺されたのである/こんな憲法違反にたいして/最高裁はなんの文句も言わない」「どんな時代よりも禍々しい/暗黒時代へともどっていく」と激烈な言葉で、でも、真実の言葉で、メッセージを発している。
こんな、真当なメッセージを力強く発してくれる著者に感謝する。連帯の意思を表し、今後の表現活動も注視していきたい。
今、多くの人に手にとってほしい一冊。できれば、身近にいる、著者のように戦火をくぐり抜けて来た方々が、この詩集を手に、若い「平和の申し子たち」に、肉声でその思いを伝えて頂ければと思う。「人間が人間であることを/やめたくなるような切望のうめき」(「さあみんな逃げるんだ」より)をあげなくてすむように、そんな時代にしないために。