投稿元:
レビューを見る
接続詞に関する本を読んだ。文章の論理を組み立てるに当たり、根幹となるのが接続詞なので、用法を整理して理解しておこうと。とはいえ既知の内容が大半で、使い分けに筆者の主観も多いので、自分なりにチューニングするべきだとは思いました。
投稿元:
レビューを見る
接続詞をつけることによって文章が明確化されること、筆者の意図と事実をより分けられること、話の順序をつけられること、など様々な利点があることが分かった。一方で、接続詞をつけることによって文章の重厚感が失われるという危険がある、と冒頭に記されていた。谷崎潤一郎は、本当に良い文章にとっては接続詞は不必要なものであると言った。たしかに接続詞は文章を薄くしてしまう傾向がある。しかし接続詞は文章の練度を表す指標になるし、分かりやすい文章を作る足がかりとなるのでこれを使わない手はない。その証拠として筆者である吉岡友治氏は冒頭の接続詞不要説を新聞のコラムを例に挙げながら否定している。このように、文章を扱うものとしては接続詞を軽視するわけにはいかないことは明らかであり、それを存分に活用するべきなのである。
投稿元:
レビューを見る
英語の本かと思ったら、日本語の接続詞の解説だった。日ごろ無意識に使っている接続詞の部妙なニュアンスの違い、論理の流れに沿った適切な選択が具体的に示されている。
小説には接続詞は要らないとした谷崎潤一郎。確かに小説は時間の流れに沿っているので接続詞抜きても済む。それに対して論理的な文章では、積極的な接続詞の活用が論理の理解の助けとなる。
天声人語や編集手帳における接続詞の少なさは、紙面の制約に依るが、内容の飛躍、論旨の曖昧さは決して手本となる文章とはいえない。
投稿元:
レビューを見る
・理由「なぜなら」、説明「…のである」、例示「たとえば」
・例が続く場合、「たとえば…実際…」が便利
・「たとえば…とくに…」と「たとえば…実際…」との使い分け
・「そもそも」は、常識を問い直して、新奇な結論を受け入れさせる
・さんざん推論を重ねてから「要するに」で決めつける
・結論を表す接続詞「つまり」「このように」「したがって」「だから」。結論で新しい内容を述べてはいけない
・「かつ」「もしくは」よりも「と」「また」「あるいは」の方が分かりやすい
投稿元:
レビューを見る
・わかるようでわからない列挙(58)
列挙(「まず…次に…」)という形で整理するにはMECEが成り立っていることが必要。区別して並べられた要素の間に、互いに何らかの関係や影響が認められるのなら、列挙で整理するのは間違っている。
・比較と対比の違いは?(70)
「一方…他方…」は比較(comparison):共通性を強調(一つのものごとのいろいろな側面を指摘)→結局は似ていると言いたい
「それに対して」は対比(contrast):相違を強調(対立する二つのものごと)→反対の内容であると言いたい
・「ただし」は前、「しかし」は後が大切(84)
・新しい接続詞「なので」(96-8)
「つまり…つまり…」と相手を追い込むと面倒くさがられる
「だから…だから…」は自己主張が強すぎると敬遠される
「なので」はニュートラルな形で、抵抗感なしに論理的な流れをつくる
・説明:「のである」は文末の接続詞?(105)
「説明」を示す表示。説明は言い換えである
・例示:「たとえば」と「実際」の違い(109-14)
「たとえば」はたとえ話、つまり比喩でも使うことができる
「実際」はあくまで現実に起こったこと:感情面よりデータ的な情報を強調
まず「たとえば」で始め、さらに詳細な事例やデータを示す時は「実際」を使う
一番目立った例を一つだけ提示し、詳しく描写した方が効果的
・説明と例示の区別は総体的(117)
・結論:「だから」と「したがって」の違い(122-4)
「だから」は筆者が主体的に判断するニュアンス
「したがって」は客観的、自然に結論が出てくるニュアンス
使い分けに悩んだら「したがって」
・結論:「つまり」と「このように」の違い(135-6)
「つまり」は直前の内容を受ける
「このように」は前の広い範囲をまとめて指し示す
・「とにかく」「やはり」(「飛躍系」接続詞)は使わない(144)
・「よって」「ゆえに」(文語表現)は気取りすぎ(155)
・「かつ」「もしくは」など難解な言葉は使わない(161)
・論理学の構成要素は6つだけ(164)
かつ(and)
あるいは(or)
もし…ならば…(if...then...)
すべての(all)
ある(a certain)
ない(not)
文章を理屈立てて書くことが目的なら、これらが正確に使われているかどうかを気をつけるだけでいい
・ポイント・ファーストの原則(171-2)
冒頭の一文で結論を述べる
直後は「つまり」で第一文を説明する
「まず…次に…それから…最後に」を使って順序づけ、これから文章がどう進むか予告する
→構造をはっきり見せて、全体構造の見通しをつきやすくする