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先輩も未読ながら貸してもらった本。若者同士のシェアハウス、というとどうしても吉田修一の「パレード」を思い出してしまい、最後まで気が抜けなかった。タイトルもなんか似てるし…。覚せい剤使用により執行猶予付きで釈放された主人公。職を失い、自宅のアパートも火事で失った彼だが、保護司の紹介でなんとかシェアハウスに転がり込む。そこは彼同様、脛に疵持つ者同士が住まう場所だった。人を殺めた者、それを追う記者…。交錯する彼らの人生ー。帯に書いてあった通り、犯罪後の生活に焦点を当てた作品はなかなかないのでは。司法によって罪を贖ったとしても、決して犯罪者を許さない社会。そんな社会で元犯罪者に残された道は何か。似たテーマであれば宮部みゆきの「模倣犯」の方が面白いかな。度々出てくるご飯の描写は村上春樹よりシズル感があって断然おいしそうだった。全然関係ないけどそういえば自分もシェアハウス生活をしていたのだった。小説のように犯罪は起きないし案外快適。と思う。
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プラージュとは海辺を意味する単語。
水辺は昔から境界の役割を果たすことが多い。
この物語は、「犯罪者」との境界について考えさせられるものだった。犯罪を起こしてしまう人には、背景がある。それぞれの事情がもちろんある。事情があるから、と犯罪を起こしていい訳ではないけれど。悔い改める機会はもらえるわけで。日本の司法はそういう仕組みで成り立ってるわけで。
それを理解していようと、いざ「犯罪者」を受け入れなさいと言われてもそれは難しい。
でも、自分だっていつどんなことで、そちら側に行くかわからない。境界はすぐ近くにある。
それをいつも思ってるのは難しいけど、なにかあった時にこの物語を思い出して少しでも優しくなれればいいも思う。
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ちょっとしたきっかけで、一度薬をやってしまった貴生。
警察につかまり、執行猶予がつくが、
世間の風は冷たく、住む場所も仕事も苦労する。
そんな貴生がたどりついたプラージュはオーナーの潤子一人で営む、カフェ兼シェアハウスだった。
登場人物の目線で章が分かれていますが、主な語り手は2名のみ、それぞれ時間軸がちがっていますが、それも読んでいればすぐにわかります。
終わり方は非常によかったと感じます。
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赦すとは、償うとはどういうことなのかーー。
まさにそんなことを考えさせられた一冊。
十人十色とはよく言うが、まさに十人いればそれぞれの課された「闇」も違うのだろう。
プラージュに集まる人には、それぞれの罪があり、事情があり、歴史があった。
そしてそれを全て赦し、受け入れることとはどういうことなのか。
自分の中で「悪」と決めつけていたことに対して、大きく考え方が変わった一冊だった。
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昨日からWOWOWにて星野源主演でドラマ版放映中。読了したら、このドラマを観るために契約したいと思うほど好きでした。
運の悪い主人公の貴生は、鬱憤を晴らしに飲みに行った店で覚醒剤に手を出して逮捕される。執行猶予付きになったものの、火事で家消失。何もかもなくした彼を住まわせてくれたのは、シェアハウス「プラージュ」。
訳ありの住人ばかりということで不穏なだけの話を予想していたらなんのなんの。心を打たれました。
信じて、赦して、認める。ざっくり大きな愛で住人を包むオーナー役には石田ゆり子。渋川清彦も気になるし、スガシカオが担当する主題歌も聴きたいし。やっぱり観たい!
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面白かった。前科ありの人々が暮らすシェアハウスでの生活。ひとりひとりのしてきたこと、考えが描かれていて、また少しのミステリー要素もあり万人受けする作品だと思った。前科がつくだけで何もかも難しい世の中。一番心に響いた言葉は、犯罪者の罰として腕を切り落とせばいい。そうすれば何もできないだろう」という台詞だった。(記憶が曖昧なので間違いがあるかもしれないが、そこはご容赦頂けるとありがたい)。読みやすい文章なので、罪について一考するには向いた作品かと思う。☆3と迷ったが、これは好みの問題だろう。
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ドラマ化と設定に惹かれて読みました。
初、誉田哲也。
うーん、途中は面白かったけど、あまり納得のいくラストではなかったな。
ただ、貴生が一番リアルだった。
あと、潤子さんが作る料理と、みんなで食べる朝食の描写が好きです。
イワシの蒲焼き丼は、無性に食べたくなって作りました。
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WOWOWで連続ドラマ化…らしいです。
が、契約してないので原作を購入。
なかなか捗らず、ようやく読了。
色んな前科を持った人の住むシェアハウス。
映像が有るのに見れないもどかしさも有るのかな〜
ストーリーは、可もなく不可もなくって感じ。
'17.08.16読書完了
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前科者を受け入れてくれるシェアハウスでのお話。
途中日にちあいて読んだのもありますが、登場人物がちょっと多くて、「あれ?これ誰だっけ?どんな人だっけ?」ってなってしまった。これだけ多いのなら、もっと個性が際立ってないと、イメージしにくいかも。
でも後半面白くて、やっと物語に入り込めた感じでした。時系列のズレだったり、最後はそうきたかー!って感じもあって、最後に繋がってく感じが良かったです。
前科者っていうだけで自分とは違う人って思っちゃうけど、貴生みたいな人ももちろんいるんだろうし、社会復帰がどれだけ大変なのか、想像したこともなかった。皆それぞれ事情があって、犯罪者を見る目が変わりそうな1冊。
貴生自身が、犯罪を犯してしまった人とそうでない人のプラージュ的ポジションなんだろうな。
総合的には面白かったので、ドラマ是非観てみたい!
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予想以上に引き込まれたな。心理描写は深くはないけれど、Aとは、そして、記者は誰? と追い、スススーッとうまいように読めたし、最後はこういうことだったのと楽しめました。凄惨な場面はなく、脛に傷がある人も幸せになれるようにということ、各人の努力、最後はみんなプラージュを卒業でき、良かったですね。
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良くも悪くもあっさりとした読後感。
美羽ちゃんのケンカシーンがグロテスクでつらかった。
潤子さんだけは始終、石田ゆり子さんでイメージしてしまう。
それくらいはまり役です。
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過去に犯罪を犯した人間たちのためのシェアハウス・プラージュ。そこに暮らす7人の話。
ストーリーはミステリー的要素も含んでおりページをどんどんめくりたくなる面白さで、450ページの長編とは思えないくらい、すぐに読み切ってしまった
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犯罪者のその後に焦点を当てた小説「プラージュ」
太陽のような潤子さんの営む喫茶兼呑み屋兼シェアハウスのプラージュを舞台に肚に何かを抱えた者達が葛藤しながらも日々を送る物語。
どれが誰なのか少し似たキャラが多くてうまく区別がつかなかったが、ストーリーの展開は練られていて面白かった!
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誉田哲也って こういう話も書くんだねーっていうのが 率直な感想。誉田哲也っていうのと カバーのあらすじ ちらっと見て想像してた感じとは全然違ってて 意外な展開。想定外のほのぼのハッピーエンド。いや 彰さん亡くなったから ハッピーエンドというには語弊があるけど。
出だしの100ページくらいはなかなか進まなかったけど それ以降はこの世界にハマって一気読み。
登場人物みんながそれぞれ魅力的に描かれていて面白かった。
美羽ちゃんが貴生に言った わたしが何をやったか知った時に貴生くんがどう変わるのか見たい。変わらない人なんかいない。でもどう変わるかはみんな違った。わたしはそれが見たい。知りたい。っていうのが印象的だった。通彦も 自分の過去を貴生に告白した後 完全に見る目が変わったね。無理すんなって。そういうもんなんだって。って言ってて お互いに罪を犯した者同士でも やっぱり見る目は変わるんだねー。
見る目が変わるって いままでちょっと心苦しい気がしてたけど やっぱり仕方ないことなんだ。無理してだいじょぶって思わなくてもいいんだ。それは決して拒否するとかいうことじゃなくて。見る目は変わるけど それはそれとして受け入れる。ものすごく難しいことかも と思いました。なんか重すぎて 気持ちの整理がまだ全然つかない。
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見事に竜頭蛇尾なかんじ。
仕掛けはなかなかよかったのだけど
終わりにいくにしたがって、その仕掛けが
まるっきし生きてなくてつまらなくなった。
この作家当たりハズレがでかいなぁ、
って気がする。