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2017.1.14市立図書館
言葉や人との交流(コミュニケーション)の繊細な部分をていねいにすくって描き出す物語。考えるより先に言葉を口にして後悔しがちな人、思いをなかなか言葉に乗せられなくて苦しんでいる人、声をかける以前に相手とどう向き合ったらいいかとまどっている人…言葉をめぐる悩みを抱えたいろんなひとを励ましてくれる物語。
2巻までは朝日小学生新聞の連載だったけれど、詠子が中学生になったこのお話は書き下ろしらしい。前の2巻が未読でも事情がわかるように書かれているのでここから読んでもだいじょうぶ。新たな仲間とのであい、家族の背景…まだまだ物語は続いていく感じで楽しみ。
この春中学生になる娘にも、ぜひ読んでもらいたいなぁ…
→4巻新刊を機に4冊大人買い。
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中学生になりました。
読みながらびっくりして書いたのはこの二つ。
・中学生編がしょっぱなからめっちゃ青春まっしぐらでかわいすぎてときめくんだけど
・なんだこの中学生、メンタリストのDaiGoか!?てなる
今作、読おじさんがしょっぱなに出てきて、いっぱい語ってくれました。読おじさんのお話に、主人公詠子がじ~んとくる場面が毎回好きです。
また、三作目にしてわかったことがたくさんあって、次回作にも期待が高まる1冊でした。いいぞ~!
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第一章 中学生になった詠子。しぃちゃんとは違うクラスになってしまった。クラスメイトのしぃちゃんへの嫌がらせ。須崎くんの優しさ。
第二章 詠子のクラスに喜多方くんがカンボジアから帰国して転校して来た。そして、彼の家も言葉屋だった。生意気な彼で読んでいて嫌な気分にもなったが、最後はちょっとキュンとした。
ここまで読んで返却。次は第三章から。
(2022年2022年9月4日)
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伝え方に正解なんてない
これは、この本の第五章に載っている、まるで名言のような一文です。
私は、その一文に強くひかれました。
この本は、主人公の詠子のところに、今は離れてしまったアメリカ人の父親から毎月必ず送られてくる絵はがきについての話が書かれています。
詠子が八歳の三月、父は飛行機に乗り、詠子たちと別れました。
詠子が小さい頃、父はカタコトの日本語で話しかけていましたが、図書館でいろいろな絵本や童話を借りて読むことに夢中だった詠子は、「いま、ごほんよむから、あーとで。」と行ってしまいます。
その時父はどんな気持ちで、父の気持ちを詠子はどう思ったのかなと、感情移入していました。
父と別れるとき、詠子は本当に淋しかったのかなと、深く考えてしまいました。
気持ちを考えるのが少しむずかしい話でしたが、毎月送られてくる絵葉書に、詠子も返事の絵葉書を送ることにしたことでスッキリしました。
「伝え方に正解なんてない。」
ページをパラパラとめくったとき、直感でいいかもとなんとなく感じた言葉でしたが、話を読んで、とても深い言葉だと感じました。
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あっというまに中学生!新しい環境で、最初はしぃちゃんと離れていたけど、やっぱり詠子としぃちゃんは2人でなくちゃ。と気づいた一冊。
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詠子ちゃんの成長と共に言葉も成長して難しくなっていく。
「コミュニケーションって、言葉だけじゃない」
SNSが子供達の間でも普通に使われるようになったからこそ、読んでほしいなと思います。
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「これから主人公の世界観が広がっていくんだろうな」と、今後に期待が膨らむ作品でした。字が大きめで、温かい雰囲気の作品なので、読みやすいと思います。読書に抵抗がない子ども向けです。
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「言葉屋のたまごの詠子も、とうとう中学生!初めての制服に、変わっていく人間関係。「新しいものパレード」の中で、もみくしゃにされている詠子のもとには、謎の転校生まで現れて…。言葉で解決できることと、できないこと、その壁にぶつかりながらも、今日も詠子は、言葉屋修行にはげみます!」
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中学生になった詠子の日々。
1、中学校の入学式。仲良しのしぃちゃんとクラスが離れてしまった詠子。しぃちゃんは新しい友だちを作るチャンス!しばらく一緒に帰るのも無しにしよう、と言って行ってしまった。本当に一緒に帰ることもなくなったし、交換日記も返ってこない。クラスが離れているのでしぃちゃんを見かけることもなく日々が過ぎていく。
きっと新しいクラスでしぃちゃんは人気者になって忙しいのだろう。このままあんまり話さなくなっていっちゃうのかな…。そんな時、とうとう詠子はしぃちゃんを目撃した。
2、GW明け、詠子のクラスに転校生の男の子がやってきた。カンボジアから帰国してきた色黒の男の子、喜多方語(かたる)くんは、ハキハキと話す万人受けするタイプのよう。しかし転校初日、語くんに意味深なことを言われた詠子は気が気でなく…。
3、6月だというのに、詠子はまだクラブに入っていなかった。帰宅部でもいいのだけれど、言葉屋の仕事のためにも自分の世界を広げたい詠子。とりあえず図書館に行って悩もうかな、そう思い放課後、校内を歩いていると、一人の女生徒に声をかけられた。良かったら未来を占ってあげると言って、タロットカードを持ち出した。
4、一学期の終わり頃、詠子がおばあちゃんのお店に行くと、常連の藤居さんがいた。いつもは二人でお喋りをしているのに、今日は様子がおかしい。
藤居さんの孫が今、オーストラリアに留学しているが、友達がなかなかできず参っているそうだ。おばあちゃんはタブレットと睨めっこをして、現地の言葉屋がいないかを探している。
5、八才の頃にお別れをした、詠子のお父さんと詠子のお話。
毎月お父さんから季節のうつろいを知らせる絵葉書がお父さんから届く。詠子は一度も返事を出したことがないが…。
しぃちゃんと須崎くんの関係がとてもいいなと思いました。そこにはなかなか詠子が入る余地がなさそうに思えましたが、しぃちゃんは詠子に私のことをもっと考えてと言います。しぃちゃんから詠子に語る言葉が、核心をついていてとてもいいな、私はしぃちゃんが好きだなと思えました。
「ごめん」って言っちゃうと、詠子の中でこの話は終わってしまう。だから言わないで、もっと私のことを考えて、って。
詠子にとっては人気者でいつも元気な、太陽みたいなしぃちゃんだけど、しぃちゃんは、そうじゃない私のことも知って欲しい、たまにでいいから、元気かどうか確かめて欲しいって。一見面倒臭い彼女みたいなことを言うなと思いましたが、たまにでいいって言うしぃちゃんの言葉は湿度がなくカラッとしていて、やっぱり太陽みたいだなと思いました。
須崎くんは、俺なんもできねーしって言いながら、自分にできることをしぃちゃんの負担にならないように陰ながらやっていて、かっこいい〜!って思ってしまいました。
1のお話がとても好きで、その感想ばかりになりました。
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とても丁寧に書かれた物語だと思います。言葉に気を配る人は、おのずと丁寧な表現になるでしょう。
児童書なのであまり注目されることもないだろうけど、読み応えもあるし、たくさんの人に読んでもらいたい!