紙の本
後味の悪さに
2016/01/21 22:52
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投稿者:まーしゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり気分悪くなりましたが、これがクセになる。
少年と少女の関係はそういうことなのね。
真梨幸子さん、素晴らしい。
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ちょっとレトロなタイトルが印象的だが、中身は真梨幸子らしいイヤミス。最近の文庫化作品の中では、ミステリ的に『凝った』方向を向いていたのも特徴だろうか。
特にラストシーンは秀逸。過去の事件が解決し、綺麗に収まるべきところに全てが収まったあと、こういうエピソードでお仕舞いになるとは思っていなかった。
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誰も幸せにならないし、
読んでる途中も、読後も胸になにかしこりが残る。
が、それぞれの人生が徐々に絡まり、
一本の太い糸になっていくさまは見事だなあ。
何回かページを遡っちゃった。
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鸚鵡楼での惨劇?クラシックな館での連続殺人か?うーん、クローズドサークルもんだな、面白そう・・・。
って位の動機で読みだした。おお、昭和の香りが香る花街の女郎館での殺人かぁ…ん?いきなり話のトーンが変わる!
章ごとに目まぐるしく主人公(叙述者)が変わり、時代も変わる。戸惑いながらも読み進むと最終章で鮮やかに話の縦糸がつながる仕組み。ただしあくまでも本格モノというより、殺人事件を元にそれに絡むことになった人々の愛憎劇と言う色彩が強く、本筋と関係ないドラマ部分も多い。
とはいえ、文章も上手いしプロットがしっかりしているので最後まで一気に読めた。
ただ残念なのが主婦会の話が無駄に多いことや、男娼の細かい描写なんて全く不要では?その部分が却って違和感に感じてしまった。もったいない。
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題名がめっちゃ好みなので、期待しすぎてしまった感が・・・w だいたい登場人物の名前がカタカナとか呼び名ででてきてるとこういうことになるのよねぇ・・・ww
最後の最後まで引っ張ってくれたので、結構楽しめた・・・というか、まだくるか!というかwww
このしつこさがイヤミスなのかな?w
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登場人物の情緒不安定さと気持ち悪さに胸焼けを堪えつつ、何とも救われない結末へ導かれる。男と女の辿る平行線をまざまざと見せつけられた。うわぁ~って叫びたくなると同時に、作者にしてやられた感半端なし。
幾つもの人生が狂ってしまったから惨劇というより悲劇の印象が強い。
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初めてのイヤミスデビュー!
イヤな気持ちより伏線など鮮やかに騙されて爽快な気分。最後の最後まで楽しめました。
最後の黒木瞳の解説は好かない。
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<1章 1962年 新宿十二社 >
東京都新宿区十二社の料亭・鸚鵡楼で3人が殺される事件が起きた。犯人は客に性的接待をさせられていた12才の少女だった。
<2章 1991年 テレゴニー >
鸚鵡楼の跡地に建てられた高級マンションに住む売れっ子のエッセイスト・蜂塚沙保里は4才の息子・駿の行動に悩んでいた。
特に指しゃぶりをしてる姿は元彼の河上航一を連想させた。
河上航一は、児童への強制わいせつで刑務所に送られ現在服役中。
沙保里は河上の逮捕で愛情が冷め、別の男性と結婚。
子を授かったが、河上のクセだった指しゃぶりをする駿を見て、テレゴニー(ある雌が以前ある雄と交わり、その後その雌と別の雄との間に生んだ子に、前の雄の特徴が遺伝する、という説)なのでは?となり、駿を嫌悪するようになり、しまいには息子に殺される!とまで思ってしまう。
そんな折、沙保里は、河上が出所したことを知り、更には義妹・依子が通っている近所のレンタルビデオ店の店員が河上であることを知る。
駿に対するイライラや河上に対する不安からか、
ママ友や親戚のことをエッセイに書いてしまい周囲との関係も気まずくなり、
ママ友主催のバザーに急遽欠席した日、
沙保里とその夫が、自室で刺殺死体となって発見される。
<3章 2006年 マザーファッカー >
蜂塚夫婦が殺害された事件を『鸚鵡楼の惨劇』として映画化することになった。
事件の犯人は現場証拠から河上航一と警察は断定。
指名手配するが河上は依然逃亡中の状態で、
まもなく時効を迎えるため映画化することになったという。
しかもその映画で犯人役を演じるのは事件現場で生き残った沙保里の子・駿。
映画のプロデューサーは街で偶然駿と出会い、
事件の当事者であることを聞き今回の企画を立ち上げた。
撮影は事件と同じ場所で現在は廃墟と化した元高級マンション。
目の前で両親を殺された事件の記憶はない駿は出演を受諾。
さらに、駿は自叙伝を書き公表することでマスコミ宣伝することになった。
映画はクランクアップし、駿の自叙伝も公表され、映画公開間近の頃、
駿を催眠術で事件の記憶を呼び起こそうという企画をすることに。
事件当時の記憶がよみがえる。
河上と家でSEXをする沙保里。その後夫が帰宅し口論の末、沙保里は夫を刺し殺す。。。
両親から愛されず、両親の醜い争いまで思い出してしまった
駿は、飛び降り自殺してしまう。
<4章 2013年 再現 >
映画『鸚鵡楼の惨劇』が駿の死で公開中止となってしまった映画プロデューサーが過去の鸚鵡楼の事件を調査し真相を究明する。
沙保里を殺害したのは沙保里のマネージャー・南川千鶴子。
千鶴子は捨て子で鸚鵡楼に引き取られ、12才のとき客をメッタ刺しにする。
年齢と状況を鑑み1年の入院で自由になった千鶴子は養護施設で育ち、大学も卒業し会社に入社し結婚し、一人娘を授かる。
が、河上航一に娘を陵辱され、娘はストレス障害で死んでしまう。
その後、千鶴子は沙保里と出会い、河上とのことを聞き同じ被害者同士シンパシーを感じ彼女のマネージャーになる。
そしてバザーに急遽欠席した沙保里を心配し彼女の部屋を訪ねると夫を殺した沙保里が。そこで沙保里が「実は河上に未練がある」と告白。
それを聞いてキレた千鶴子は沙保里をメッタ刺しで殺害する。
そしてアメリカに逃げた千鶴子は催眠セラピストになる。
駿が自叙伝を出すことを知り、駿が事件のことを思い出すか不安になり、
千鶴子は駿に催眠術をかけたのだった。
<5章 2013年 鸚鵡楼の晩餐 >
廃墟と化した元高級マンションが取り壊され、フレンチレストラン「鸚鵡楼」がオープン。
依然逃亡中とされてる河上は、依子が殺していた、という新たな真相が明かされる。
※解説・・・黒木瞳
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1962年の鸚鵡楼で起こった惨殺事件から、1991年に跡地に建設された高級マンションでの事件。その後2013年には関係者が集まり真実が明かされていく。
後味は悪いけど、今回は名前に関するトリック?のようなものがあり、すっかり騙された感じ。
でも、やっぱり真梨さんのイヤミスは止められない。
2018.1.11
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1962年、鸚鵡楼と呼ばれる洋館で殺人事件が起きる。
1991年、鸚鵡楼跡地に建つ高級マンションでエッセイスト沙保里は夫と息子と暮らしている。何不自由ないと思われる生活で沙保里が気がかりなことは、息子が別れた恋人に似ていることだ。
似ているわけがないのに。恋人と別れた後に身籠ったのだから。でも、ぴちゃぴちゃと指を吸う癖や妙に頭の良いところ、そっくりだ。そんなことあり得ない。
連続幼女強姦犯である男に似ているなんて。
真梨さんの本を殆ど読んだためか、真梨さんのトラップがわかるようになってしまった。
何に気をつけて読んでいけばいいのか。
登場人物が、誰が誰だかわからなくなるトラップ。
これは誰で、こっちのひとは誰なのか。そういったことをきちんと整理して読めば混乱することはない。
ということで、犯人がわかってしまった。
全編、性に関する描写が多めな気はするが、物語の進行上仕方ないと思える範囲だとは思う。
でも、いくら架空の物語であっても幼女強姦とかは読んでいて気分の良い話題ではない。
本作では、長い時間をかけて物語が進む。
1962年から1991年、最終的には2013年まで。
事件が色々起きるが、それらも整理して読めば混乱しない。
イヤミスの女王と言われて久しい真梨さんだが、今回も嫌なラストと言えなくもない。
それでいて、こう終わらなくてもそれはそれで倫理として問題がありそうだし。
こう終わるところが妥当というところだろう。
主人公沙保里が、読者にとって余り共感を与える人物でないところも真梨さんらしいかもしれない。
普通は主人公に寄り添って読み進めるものだが、何だか共感できない、何か好きになれない、そういった人物を主人公に据えるところが皮肉たっぷりな感じがする。
少し気になることがある。
後半、事件解明に関わる宮野聖子に河上航一のことを話した人物とは一体誰だったのか。確か明らかになっていないように感じる。
同じミステリー作家の作品を多く読むと、作家の癖のようなものがわかってしまうところが残念なところだ。
真梨さんが手口を変えて、そういうことだったかと負けて口惜しがることがまた出来ることを願っている。
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騙された!
読みやすいのに真犯人が意外ってことで、驚いた。緻密な組み立てに感服。ラスト近傍で事件は解決し、少しばかり謎が残るなぁと思って最後まで読むと、そこに新たな真実が。騙された!
オカルトチックな部分が好きではないが、そんなものなくても一流のミステリーだと思う。オカルトは目くらましなのかもしれないけど、無駄がない登場人物がそれぞれに役割を果たしており充実感あるなぁ。
午前中の読書は楽しかった。
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真梨節炸裂の作品。
イヤミスの女王ここにあり。
「放送会」は「法曹界」だろ〜〜(笑)
いくらなんでもそこは勘違いしないわ〜(笑)
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西新宿、十二社。惨殺事件の現場となった料亭・鸚鵡楼の跡地に建つ高級マンション。
その地に未だ漂う忌まわしい記憶が新たな惨劇を呼び寄せる…。
安定の真梨節に、安心と嫌な気持ちが輻輳しながら読了。
桐野夏生とも湊かなえとも少し違う、同じ集団に属する女性同士の馴れ合いや嫉妬を性に絡めてねぶるように執拗に抽出するような、独特の薄っぺらいイヤミスぶりが癖になります。
この作品では読み手を悪夢に陥れる手練手管がいっそう板につき、ベテランの風格を漂わせていました。
ただ、情報の見せ方やどんでん返しがワンパターンなので過去の作品を何作か読むと、犯人やミスリードさせたい部分がなんとなくわかってしまうのが惜しい気がしました。
幻想と現実のコントラストにはっとさせられるシーンもあり、特別な驚きはないものの小奇麗にまとまった作品だと思いました。
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脳漿や臓物をブチまけてるスプラッター小説が可愛らしいマカロンに思えるくらいエゲツない内容なのにこのなんともラグジュアリーで美しい表紙。ストーリーも時系列がバラバラなのに読みやすい整然とした上質なミステリーでキャラ立ちもハンパない。総じて、真梨幸子先生ハンパない。
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文章上手くなったなあというのが最初に思った感想。新刊が出るたびにどんどん読みやすくなってる。ラストはイヤミスというには弱い印象で、個人的にはもっとガツンときてほしかった。