紙の本
怪談小説で有名な三津田信三氏の読者を恐怖に陥れる「怖~い!」書です!
2020/07/22 10:15
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『ホラー作家の棲む家』、『水魑の如き沈むもの』、『厭魅の如き憑くもの』、『十三の呪』、『のぞきめ』、『黒面の狐』といった恐怖小説でお馴染みの三津田信三氏の作品です。同書の内容は、三間坂という編集者と出会い、同じ怪談好きとして意気投合する作家の三津田が、その縁で彼の実家の蔵から発見された「家」に関するいくつかの記述を読むことになるという話です。しかし、その5つの幽霊屋敷話は、人物、時代、内容などバラバラなはずなのに、不思議と奇妙な共通点があるのです。しかも、この話を読んだ者の「家」には、それが訪れるかもしれないらしいというのです。読者を恐怖に陥れる怪談小説の決定版です!
紙の本
夏にオススメ
2017/07/14 16:49
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほんとにありそうなお話満載。夏にひやっと効果をお求めの方には是非読んでいただきたい。
紙の本
1秒先に起こるかもしれない恐怖
2017/10/04 17:30
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当にたまたま、ほんのちょっと運が悪かったせいで 巻き込まれてしまった恐怖という感じが怖い。1秒先、自分も出会ってしまうかもしれないリアルな恐怖だった。
電子書籍
怖かった…
2017/08/02 21:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み物は読み物として楽しめるほうだと思っていたが、読むと何かが起こりそうな気がして四話目を読むのをためらった。
不気味さがなんとも言えない。
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文庫化。
『家』にまつわる恐怖譚。『作家シリーズ』の系譜なのかとも思ったが、それとは少し趣が違っていた。
一応の論理的な結末は用意されているが、ウエイトは怪談に置かれているので、よく解らないままに終わった部分も多い。
それにしても、三津田信三の『家』ホラーの気味悪さは一級品でタマラナイ。
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『わざと忌み家を建てて棲む』を先に読んでしまっていたものの本作の方が、ホラーと謎解きのバランスが良く面白かった。土地・建物の不動産絡みのホラーということで、小野不由美『残穢』を思い起こしながらの読書だったが、ホラーの恐怖に関しては『残穢』に軍配が上がった。
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作家の元に集まった五つの幽霊屋敷話。人物、時代、内容…バラバラなはずなのに、ある共通点を見つけた時、ソレは突然あなたのところへ現れる。〈解説〉大島てる
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時代も内容もバラバラに見える5つの幽霊屋敷にまつわる怪談。でもどこか似ている気がする。その共通点とは何かを三間坂編集者と作家三津田信三が探る。
家シリーズと作家シリーズを混ぜたようなテイストの作品で、こういう虚実入り交じったメタな作品が大好きなので面白かった。一応、ミステリ的とまでは言わないが、論理的風に解釈を加えてるところも。
作中の「あれ」に追いかけられるところがどれもツボで良い感じに怖くて良いです。(こう……ゆっくり動いてたのが突然ガッと来る感じが……)
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完全ネタバレの感想、と言うより、メモです。
作中では語られていなかったけれど、何故、女の子は無事で男の子ばかりが連れて行かれるのか…という謎について。
おそらく、世智が産んだのは、男の子だったのではないでしょうか。そして、生まれてすぐに、当主に殺されてしまったのではないか、と考えています。
それから、「格子」について。
この手の話が好きな方なら、すぐに気付くかと思いますが、物理的に世智を閉じこめるだけでなく、彼女の能力も封じられたとの事なので、これは単なる「格子」ではなく、「九字」や「籠目」の役割を果たしたのだと思われます。
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著者初期の「作家シリーズ」と同様メタフィクションものといえるが、これまで以上に実話と創作の境界がはっきりしない―というより、ノンフィクション、ドキュメンタリーものだと言われたら危うく信じてしまいそうな。結末は何とも曖昧で歯切れ悪いものだが、因果を明確なものとしたり、はっきりとオチをつけないところがまた何とも、実話色を演出するのに一役買っているような。
文庫版では事故物件紹介サイトを運営する「あの人」が解説を書いているのだが、これがまたメタフィクション的な。でも今のこのご時世、現実にあっても何ら不思議じゃないから、なぁ……怖い。
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『赫眼』がマジ怖だったので、もう三津田ホラーは“心に余裕ある時のとっておき”と決めていたが連日の蒸し暑さに負けたw
小さい息子持ちなので一つ目の話からおののくヤバさ。二つ目、三つ目の話の緊迫感にページをめくる手がどうしても止まらず、四つ目の話の異様さに息を呑む。最後の最後まで追求しないのが物足りなくもあるが、それはそれで新たな怖れが後を引く。出産前だったらもっと冷静に読めたかな…。
ん?まだ喋れない息子がこちらの背後の何もない壁を指差して何か言いたげ…。勘弁してくれ~!
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映画も本もホラーは苦手なのですが、そこそこ年を食って、怖いモノへの耐性がそれなりにできてきたからか、ここ数年はたまに手を出すようになりました。
ホラー作家で特に気になるのがこの著者。『のぞきめ』の映画版は怖そうでショボそうだからスルー、原作は大好きでした。刀城言耶シリーズもお気に入りです。とはいうもののこれはホントに怖そうだ。止めておくべきかと思いつつ、好奇心が勝りました。
著者・三津田は、彼の大ファンだという若手編集者・三間坂と怪談話で盛り上がる。別の時代に別の人から聞いたのに奇妙な共通点がある幽霊屋敷のこと。これらの話を詳しく調べて本にまとめようとするのだが……。
三津田さんお得意のモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)。ホンマちゃうんこれ!?と思わされてしまいます。「聞き慣れない奇妙な音を耳にしたら、いったん本を閉じたほうがいい」なんて書かれているのです。怖いんですけど。煽らないでもらえます!?(笑)
結果的には相当恐がりの私でも読むに耐えうる程度の怖さでした。相変わらず「昭和」な雰囲気が入りまじるところも好きです。ただし、もともとホラーが苦手な人で、これから一人暮らしを考えている、もしくは小さな子どもさんのいる家庭で引っ越しを予定している場合は、読むのは止めておくのが無難かと。ビビります、たぶん。
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これは怖かった!特に夜にひとりの家でじっくり読むのが雰囲気が出て良かった。
それぞれ、年齢も年代も違う書き手による、日記・インタビュー・ネットへの書き込み…という独特の形式で、長さを感じずあっという間に読めた。「向こうから来る 母親の日記」と「光子の家を訪れて 三女の原稿」が、日常の不気味さが感じられて怖かった。
一応の謎解きもされるが、怪談はやっぱり正体がわからない方が怖いなあと思う。
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新居に越してきた専業主婦の日記、昭和初期の少年の恐怖体験、インターネットに投稿された学生の実録怪談。
それぞれが全く関係ない独立した話でありながら何故か既視感を覚える三編の怪談の共通項を、若き編集者とホラー作家とが推理する安楽椅子探偵もの。ノンフィクション仕立てのフィクションとして出版する試みも実験的で面白い。
結論から言えば、ホラーとして読めば十分怖い。
主婦の日記と少年の速記録とインターネットの投稿、それぞれ記録された媒体も文体も異なりながら、擬音を織り込んでの雰囲気の盛り上げ方が秀逸。それぞれ時代も背景も違うため、どの話に一番恐怖を感じるかは読者の感性によるところが大きい。
最愛の我が子が柵の中の得体の知れぬ存在ー「あれ」によって脅威に曝される主婦の怯え、不気味な森で「割れ女」に追いかけられ逃げ込んだ先の邸でも次々と怪異に襲われ追い詰められていく少年の焦燥、初めての一人暮らしで入居したアパートで隣人の不可解な行動に悩まされる学生……
「あれ」の正体とは何か。
何故似た感じを覚えるのか。
そこに編集者と作家が後日発見した、解答編ともいえる二編が追加され、ミステリーとして構成される仕組み。
小野不由美の「残穢」が面白かった人にはおすすめ。
というのも怪奇現象がミッシングリンクを介して伝播する経緯を、議論と考察を重ねてロジックで解き明かしていく構造が似ている以上に、下敷きにされた資料が同一。「残穢」で重要な手がかりとなった参考文献が本書でも怪異の起源に至るヒントとして登場した時は、共通項に興奮を覚えた。
また序盤で博識の作者が語る、タイタニック号や大統領暗殺における歴史の符号の一致も興味深く、知的好奇心が満たされる。著作の裏話や執筆時の状況も折に触れ言及されているのもファンには嬉しいサービス。
背筋が寒くなる良質なホラーだったのだが、専業主婦の日記にしるされた二人目の消えた子供、狂い女の落とし子の消息など消化不良な部分も多くもやもやが残る。
もっとも本質がホラーに傾いてるのなら、いくつかの謎を残して後味の悪さを長引かせるのは正しい判断といえよう。
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作中に出てくる、それぞれの怪談が、それぞれ怖い。
もう、割れ女と狂女とか、三津田ワールド全開でしたね!
怪談ミステリーみたいで、おもしろかったです。
最後、謎解きみたいになってたし。
いやでも、怪談は憶測でも謎を解いたらつまらない。ので、☆4つにしました。
最後の頭三会でようやく気づいたけど、私も名前だけなら頭三会に入れる!(笑)
そして解説が、てるさんだったのも嬉しかった。
てるさんのお人柄がにじみ出る、知的で優しい文章でした。