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歌舞伎町のホストが家の前に突然置かれた赤ちゃんを育てる話。
コンディションは自分史上最高!
今日も生まれるな、レジェンドが。
などチャラいホスト用語?が飛び交う。
そして、赤ちゃんの子守唄にシャンパンコールをするなど、くすりとしてしまう。
完全にギャグものだろうと読み進めるが子育ての大変さや、プレッシャーを感じる主人公の気持ちなどがリアルに描かれていく。
私は子育てはしたことがないが、まわりのママ達も同じようなことを言っていた。
最終的には2021年まで時は進む。
築地移転問題やオリンピック開催に伴った競技場問題、待機児童問題など、現在問題となっている様々なことが取り上げられている。
この本の世界ではぶっとんだ方法でこれらが解決されている。
このぐらいやらなくてはダメなのかもしれないと考えされられる。
最初の数十ページから、こんな社会問題を考えるストーリーがあるとは思いもしなかった。
2021年の話はなんだかサマーウォーズのようで近未来SF感があってよかった。
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ホストクラブと子育て。この組み合わせにびっくり。しかもクラウドファンディングでお金を集めるって、すごい発想。すごい発想だし、別の状況ならそれもありか、とも思うのだけど、ちょっとこれはどうなんだろう、と。
そもそも、自宅前に置き去りにされた子どもを育てるって言っても、その子の戸籍はどうなるの?母親は罪に問われないの?法的ないろんな問題はクリアできてるの?といくつもの疑問と懐疑が生まれる。そしてなにより、その人生すべてを見世物として切り売りし続けなければならない子ども自身の気持ちは?
面白い発想だけど、ちょっとひいて読んでしまった。
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歌舞伎町のホストが自宅前に捨てられた赤ちゃんを育てるためにクラウドファンディングを立ち上げる、という奇抜だけれども非現実的とも言えない設定。エンタメ小説ではなく、ワンオペ育児や世代格差など現代社会の諸問題をテーマにした社会小説。
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少数精鋭、短期決戦をモットーとするホストクラブの店長、白鳥神威。いつも通り歌舞伎町から帰った彼を家の前で待ち受けていたのは、見知らぬ赤ちゃん・・・母親の心当たりは無いが、育てることを決意した神威は、IT社長・三國孔明と一緒に、クラウドファンディングで赤ちゃんを育てることを思いつく。
日本を革命するソーシャル子育てサイト、名付けて〈KIDS-FIRE.COM〉!
超ポジティブな男が日本を革命する!?
ITで日本の子育てを変えることができるのか!?
試練を前にして逃げることは、カリスマホストの本能が許さない・・・のだそうだw
めろんさんって、なんか男の人を書くの好きだよねぇ?w
男たちが育児の変革に挑む、新時代のイクメン小説というふれこみだったので、そして前半はホントにそんな感じだったので、あれ?わりとまともなフツーっぽい小説書いちゃいました?と思いながら読んでいたけど後半になったらやっぱり様相は変わってゆくー私の理解不能な方向へとーww
ラストは近未来SF的。こんな未来もなくはないかも?w
めろんさんのそっちの小説が好きな読者にはおもしろいのかも・・・ね?w
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GACCOH小説読書会で読みました。
本気なのか、からかっているのか。批判的なのか、肯定的なのか。理想的なのか、現実的なのか。悲観的なのか、楽観的なのか。
そうした二項対立のどちらにも決定しがたいバランス感覚で書かれており、見事。
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子供の面倒は親が見るべきである、などという常識はくだらない。いい意味でもっと無責任になって、育てられる人間に任せてしまえばいいーー子育てを端から見ていたときはそう思っていた。だが、当事者になってみて初めてわかった。この責任は誰かと分け合えるものではない。なぜそう考えてしまうのか、自分でもわからない。 (99)
「リスクをとらなくては心は強くならない。計算にあわなくとも、魂の輝きがその方向を目指せというなら従うべきだ」(94)
「他国の子供への援助が悪いとは言いません。でも、考えてみてください。あなたの隣の子供はもしかしたら同じように、いや、それ以上に不幸な子かもしれないんですよ。愛などといった曖昧な言葉ではなく、お金で救われる子はいるんです」 (113)
「君は子供が愛の結晶だと口にした。しかし、それは、愛のない家庭に生まれた人間にとっては、自分の存在を否定されるような暴力的な言葉だ」(118)
「ガキってのは、理想と現実を合致させられると信じている青臭いやつのことだと世間は思ってる」(略)「俺に言わせるとちがうね。理想と現実は合致させられる。その力を持っているやつだけがずっとガキでいられる。そうじゃないやつらは、ガキの皮をかぶった大人になるしかないんだよ」(145)
「考えてみると、人間は誰しも誰かからお金をもらっているわけで、誰ひとりとして自分でお金を作ったわけじゃない。人のお金じゃないお金なんてないのだ」(154)
笑いと遊びは善悪を超えたところにある。人は退屈な正義よりも面白い悪を見たがるものだ。
「どうやったら、たのしいことと、いいことがおなじになるのかな」
ぼくはその問いに答えられない。たぶん、今の社会にも。(169)
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現実の社会現象を糧に、ただのニュースで終わらせないために、刺激的なフィクションをかなり計画的に書き上げた、といった印象を受けた。前半は、保育園不足や子育ての孤立の問題が中心に、後半では、高齢者が問題が中心となって話が展開していくが、今の社会システムについて考える大胆なフィクションに、読む手がとまらなくなった。読みやすいから、中高生くらいから読めるのでおすすめ。
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子育て支援にクラウドファンディングも、リターンのプランもアイディアが面白い。が、子育て自体にも、もう少し突っ込んでほしかった。例えば「「赤ん坊は良いものであり、それを愛するのは当然である」という世間の常識」(p.53)や「助けを求めればいいと頭ではわかっているのに」「赤ちゃんにとっての幸せは愛情を持った保護者と一緒に過ごすことだーなどと保守的なことを考えてしまう」(p.54)、「赤ちゃんの世話を他人にしてもらうことへの精神的な抵抗がますます大きくなりつつあった。」「この責任は誰かと分け合えるものではない。なぜそう考えてしまうのか、自分でもわからない」(p.87)に共感して読んだので、その辺りが以降もう少し追及されるのかと思ってしまったが、そうではなく、さらっと流されていた。とはいえ、全体的には面白く読めた。
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変わったモノを読めたなぁ、という読後感でした。
歌舞伎町のホストクラブの店長が、ある日家の前に「よろしくお願いします」との手紙と一緒に置き去りにされた赤ちゃんを育てることを決意し、子育てにクラウドファンディングを活用する…という凄まじい展開の小説です。
本著には上記の表題作「キッズファイヤー・ドットコム」とその6年後を舞台にした「キャッチャー・イン・ザ・トゥルース」の2作が収録されていて、前者はナルシストなホスト文体、後者はマセた子ども文体(まだこっちのが普通)と結構な高低差です。
個人的には、前者を読み通した段階では文体は面白いものの正直何が何だか良くわからなかったのですが、全編読み通したことで言いたいコトがちょっとわかったように感じました。(後者もストーリー展開はなかなかに急ですが。。)
しかし、ホスト文体が強力すぎて毒気に当てられたような…。冒頭から大量の名詞がページを埋め尽くし、ホストクラブの謎に意識が高いやり取りが、普段意識しないような場所をくすぐられているような気分になります(笑
「今日も生まれるな・・・レジェンドが」とかもう。
著者はホスト経験もあるようで、それっぽさを保ちつつも現実離れした描写はお見事だなぁと思いました。
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カリスマホストがクラウドファンディングで見知らぬ赤ちゃんを育てる、というあらすじだけで、おもしろそうだと思いました。実際に読んでみても、主人公のホスト白鳥神威の、前向きで自分が大好きなキャラクターがおもしろくて、好きになりました。
しかし、ただおもしろいだけでなく、新しい子育てやプライバシーなどについて考えさせられるような、さらっと読めるなかに重いテーマがあります。
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ホストさんが主人公の小説って、初めて読みました。
カリスマホストが、ひょんなことから赤ん坊を育てることになるのだけど、その育て方が斬新。
現代的な手法を取り入れながらも、そこに反発する人や、問題点など、共感者だけでなく、主人公サイドにご都合主義的な感じではなく、現実的な展開で物語が進む。
世界観が一貫していて、後の方で出てくるウェーイには笑ってしまいました。
こんな世の中になったら幸せかもしれないし、傷つく人もいるかもしれない。
視点が偏っていないので、子供がいる人・いない人、子供が好きな人・そうでない人など、色々な人にオススメできる、ハッとさせられる本です。
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小説で別世界を持ちつつ、子育てをすることにした。
時代の変化を感じさせつつ、永遠のテーマも描いてる、というかんじがして、よかった。
おすすめです。
過去も、いまも、死だけはぼくのものだ。それさえあれば、ぼくは生きられる気がする
この台詞は、深いと思う。
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かつて文科系トークラジオLifeによく出演していた海猫沢めろんの作品。喋るメロン先生はよく聞いていたが、その作品は実は初めてだった。が、予想以上に面白かったし、いろいろと考えさせられた。ホストがクラウドファンディングで子育てをする話。そしてそのように育てられた子供がやはり人間らしく何かを取り戻すように成長していく話。感動したし、すがすがしくもあった。メロン先生の人間に対する希望のようなものを感じる良い作品だった。しかしキャラづくりが面白い。