紙の本
血となり肉となる
2018/06/22 11:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
出口氏の読書量や、世界史への造詣の深さは以前から伺っていましたが、児童書にも詳しいとは。本書で使われる「教養」は、大人の教養とは少し違った意味があるように思います。人として成長する基盤を強固にしてくれる知識、態度、意欲などを指しているのでしょう。それらを教え込むのではなく、読書を通じて自然と血肉としていける児童書の役割を再認識しました。
紙の本
夏休みには何を読もうか
2020/07/31 07:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いい経営者で読書家の人は、例えば資生堂の福原義春氏のように、多い。
この本の著者出口治明氏もそんな一人だろう。
ライフネット生命の創業者で、2017年には同社の役員を退任し、2018年には立命館アジア太平洋大学の学長に就任している。
会社には多くの業種があるし、大学という組織まで広げると、そのトップと呼ばれる人もさまざまだろうが、出口氏の「本にはいい本とそうでない本しかない」という言葉を借りれば、経営者にもいい経営者とそうでない経営者しかなく、読書家であることがもちろん絶対条件ではない。
ただ出口氏がいうように「本をつうじて何かを知ることは、無条件に楽しい」と思える経営者に魅力を感じるのは間違いない。
読書家である出口氏はいい児童書は「無駄をすべて削ぎ落したうえで、ていねいにつくってある」からという。
そのうえで、優れた児童書は「子どもが子どもとして楽しめると同様に大人も大人として楽しめ」ると書いていて、この本ではそんな十冊の児童書が紹介されている。
十冊なのですべてあげておくと、『はらぺこあおむし』『西遊記』『アラビアン・ナイト』『アンデルセン童話』『さかさ町』『エルマーのぼうけん』『せいめいのれきし』『ギルガメシュ王ものがたり』『モモ』『ナルニア国物語』となる。
たった十冊が紹介されているわけではない。
一冊の児童書から関連した本、この中には児童書だけでなく学術書もあったりする、が六冊ばかり紹介されているから、この新書一冊でたっぷり読書が楽しめるようになっている。
紙の本
『教養は児童書で学べ』
2017/10/01 19:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間が賢くなるためには「人、本、旅」が必要である、を持論とする著者が、子どもも大人も楽しめる選りすぐりの児童書十冊を解説
本を通じて何かを知り、知識がつながっていつかどこかで「腹落ち」する
幼少期に読んだ古典的な児童書、人類共通のテキストが教養の一部になる
読んだ本の何かが「毒」となっていつまでも心に残り、いつか甦る
そんな児童書を紹介しながら、本を社会を人生を縦横に語る格好の読書案内
この本を読むと本が読みたくなる!
投稿元:
レビューを見る
幼少時に絵本がたくさん詰まった児童書セットを親が買ってくれた。
優に100冊以上は超えていたと思う。
毎晩読み聞かせてもらい、途中からは自分でも読むようになった。
そのおかげもあって、本を読むことが今も好きだ。
投稿元:
レビューを見る
最近ハマってる出口さんの本.この中でちゃんと読んだ事があるのはモモだけだったので,折に触れて,いろいろ読んでみよう
#fb
投稿元:
レビューを見る
家族皆でよむ書籍を探すのに、いいサジェスチョンが頂けました。(まだ家族と呼べる所帯はありませんが。。)
家族ができる前にパートナーとなる人と一緒にあーだこーだ言いながら読みあいたいな。なんて妄想が膨らみ中(その前にパートナーを見つけろよ。と一人突っ込み)
思いを馳せるあの子はきっと、あれを選ぶだろうな。
なんて、児童書だからか想像力がいつもの1.5倍は伸びてまーす。
投稿元:
レビューを見る
出口氏による児童書の紹介及び解説。洞察が深すぎて嘆息もの。腹ペコ青虫をつかまえて、「この世界は色彩に満ちている」といえる人間がこの世の中にどれほどいるだろうか。時間をみつけて色々な児童書を読み返したくなる、そんな一冊。
投稿元:
レビューを見る
【読了】
前に「モモ」を読んだ時に「面白い。深いなぁ。」と思った。
この本に紹介されたいる児童書をじっくり読んでみよう。
投稿元:
レビューを見る
童話をもう一度読んでみたくなりました。
ブックガイドにも沢山の児童書が
紹介されていて深い豊かな森への入り口のような本です。
投稿元:
レビューを見る
教育は10歳までにしっかりしておきたいところです。しかしながら児童書も大人の心を豊かにしてくれます。
投稿元:
レビューを見る
教養が児童書で学べるのではなく、教養が児童書を読むのに厚みを持たせ意味を持たせることのような。
さかさ町という本は知らなかったので読んでみよう。
はらぺこあおむしとアンデルセン童話に対する考察は興味深く読んだ。
投稿元:
レビューを見る
児童書大好き!
難しいことも楽しいことも分かりやすい世界
ライフネット生命」社長がこんなに児童書に造詣が深いって知らなかった
いろんな本の紹介
まだ読んでいないのは是非読んでみたい
図書館の予約メモがあふれています
≪ 婆さんが ワクワク読むの 児童書を ≫
投稿元:
レビューを見る
以前、出口さんのお話を伺ったことがあります。
ちょうど駒崎弘樹さんとの共著「世界一子どもを育てやすい国にしよう」を読了した時だったので、その感想をお伝えし、居場所作りのお話も聞いていただきました。
出口さんのお話は、深く広い教養を感じさせながら押し付けはなく、京言葉を思わせるはんなりとした口調でスッと入ってくる。聴いていて心地いいのです。
この本は、その出口さんの優しい語り口が聞こえてくるような気がして、読んでいて心地がよかった。児童書を児童書としてではなく、一文学として大切に捉えていらっしゃるのがスッと伝わってくる。
紹介された10作品。実際に読んだ、読み聞かせたのは1作品だけど、あとの9作品も読みたく & 読ませたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
読んでいない児童書が結構あったので手に取るきっかけになった。お子さんに何を読ませるか悩んでいる方には役に立つと思う。
投稿元:
レビューを見る
「二十歳までが人生を決める」とすれば、その1/2超は12歳未満にあると思う。
『せいめいのれきし』だけが理系。
『はらぺこあおむし』のテーマは「欲望に期限がある」ということだろうか。
『ギルガメシュ』は最古の物語で必読。
『さかさ町』は労働が苦痛であるという西欧的人生観。
『西遊記』『アラビアンナイト』はオリエント思考の結末。『アンデルセン童話』は残酷でもあり、論理的でも倫理的でもないのが訳わからないが人生はそういうものだし美しいから世界名作なのだろう。
教訓があからさまな『モモ』より奥深い『はてしない物語』の方が好きだ。
最後に児童文学とはいえない『ナルニア国物語』というキリスト教文芸を採ったのはキリスト教の、現代資本主義=グローバリズムへの迎合に対する批判かもしれない