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世界的な知識人
2020/02/02 17:16
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いのぜい - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界的な知識人の情報をいただいた。2020年の中国武漢発の「新型コロナウイルス 」を言い当てている。
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「これまでに述べてきたことから判断すると、これらの問いに対する答は否定的だ。最悪の事態が起きる可能性はきわめて高い。二〇三〇年までに大きな危機や壊滅的な戦争が起きる。そして世界的な危機や戦争は、人類に不可逆的な被害をもたらす。
否定的な理由は、地球規模の複合的な課題を自覚している人々の数が極めて少ないからだ。また、それらの課題を理解したところで、今日、全世界に作用する巨大な力をねじ曲げられるとは思えないからだ。…」
「… そして、民主主義が機能するのは国内だけであるため、民主主義はまもなく幻想になると覚悟しておく必要がある。。そして民主主義と市場は近視眼的な要求によって逸脱するかもしれないと心得て置くべきだ。」
”自由を求め怒りにかられつつ他者を批判する”ことが横行している。
いまや学問が進歩して、どのようなわがままも「個人の自由や尊厳」に結びつける理屈を作れるようになった。「公共の福祉」を求める人間はほとんどいない。皆「自分への福祉」を「公共への福祉」と言い換えている。このような流れが民主主義を終わらせるということなのだろう。
ジャック・アタリは「審判のいない市場」と「地球規模の法の支配がないこと」が世界を壊滅的な状況に導くと言っている。「怒りの克服」と「利他主義」しか人類を救う道はないと結んでいるが、二〇三〇年までにそれが可能とは思っていないようだ。(そう書いてはいなけれど)
ただ、最後に述べられている一人ひとりへの一〇段階の自省のすすめ、そして世界のための行動一〇箇条、これに耳を傾けよう。この破滅的な将来を生きていく一人ひとりにとって、自分の人生を救う道標になるだろう。
閑話休題。
読むのに1日もかからない二〇〇余ページの本に未来予測を詰め込んである。専門家は「ずさんだ」というのだろう。(著者の「二十一世紀の歴史」はもっと大部だったようにも思う。もう10年前のことだから記憶は曖昧だ。)
何を持ってずさんというのだろうか。一方でデータを乱用して「相関関係」から「因果関係」をおそまつに説明する風潮について冒頭でアタリも指摘している。
仮説を構築する能力はプロセスに対する理解と洞察力による。そして未来の世界を予測するにはありとあらゆるプロセスに対しててそれが求められる。未来予測は予測でしか無い。その元になる仮説が証明されるのはすべて終わったあとだ。何度も試行を繰り返せない場で予測の正しさを問うことは虚しい。
人々の行動を作る説得力はどこから来るか。部分部分の専門的な正しさでなく、本人の学術的成果の追求という個人の欲を離れ、多くの視点を持ち多様な価値観を是認して、多くのプロセスを常識的な因果関係で説明できるかにかかっている。古今真理は常に単純だった。
本書の結論は自分が考える今後数十年の世界の未来像とほぼ一致している。悲観的な将来をほぼ不可避と予想しながら、自分や家族に言うことは「どのような世の中になったとしても、怒りを制御し、自分の力で切り抜けていく覚悟をもって生きていこう。」ということだ。
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フランスの叡知、ジャック・アタリ氏の2016年での未来予測本、すべての世界情勢を数値統計データで整理した上で分析/考察している。
アジアの片隅で一般庶民として生きている私でさえも直感でなんとなくわかっているが、氏の予測では地球上は混沌化しつづける一方で止まる兆しも皆無とのこと。
昔は、個人内、地域内、国内だけに目を向けて、今できる最良のことだけを一生懸命やれば、良い結果が必ずついてきていたが、グローバル化した今、それが通用しなくなってしまった。
どうすればよいか、アタリ氏は利他主義が世界を救う唯一の手段であると提案。もう、それだけ先が読めない事態らしい。
持続可能な生きがい、楽しさ、幸せ、すぐに答えはでない。でも21世紀を生きる大人として真剣にそれを考え続けていこうと思った。
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利他的に生きましょう。それしか生き残る道は無いですよ、と人類に問いかけている一冊。
2018年3月①
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まあ書いて有ることは面白いんだけど、それに対するアクションプランがすげーフランス人で笑う。仏教徒からすると。
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順調に推移している世界と悲惨になりつつある世界をそれぞれ具体的に上げて、それらを合わせて、未来を考察します。
市場と民主主義はお互いに強化しあいながら新たな富の創造を促進するはずであったが、世界は既にとじておらず、まったく別の力学が働いていて、この力学こそが従来の市場と民主主義の蜜月関係を破壊し、世界を逸脱させた。その力学とはグローバル経済であり、国際的な法整備を喫緊の課題として挙げています。
また、自分の幸福は他者の幸福に依存していることに自覚して、世界のためにも行動する準備をしろとも訴えます。
未来予測というより、エリート層に向けての世界の協調とノブレスオブリュージュを諭した書と読みました。
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人類が倫理観を変化させ、世界中で人々が次世代の利益を重んじる利他的な活動を行い、人類が利他主義者達の必要とする地球規模の法規範の制定を支援しなければ、人類は壊滅的な事態に陥る。
全世界で外国への投資額は、1995年の3千億ドルから2015年の17千億ドルまで急増した。
2016年、23億人がソーシャルネットワークを積極的に利用している。
2016年、全世界で600以上の大学は4,200のムークを開講している。2015年には3,500万人がムークを受講した。
今後、企業は顔も見たことのない投資家達の為に、自社の財務諸表をインターネットで定期的に公開しなければならない。
人道と利他主義に基づく活動が世界中で拡大している。個人主義や貪欲さとは根本的に異なる世界が現実に影響を及ぼし始めている。
安定した民主主義の条件である情報開示は大きく進展している。
1995年、外国人旅行客の総数は5.4億人。2016年には12億人。
暴力による年間死者数はを人口10万人当たりで表すと、5,000年前は500人、中世は50人、現在は6.9人。
戦死する年間兵士数を人口10万人当たりで表すと、WW2時は300人、朝鮮戦争時は23人、ベトナム戦争時は9人、イラン・イラク戦争時は5人、2001年は0.5人、2011年以降は0.3人。
殺人事件の年間犠牲者数を人口10万人当たりで表すと、16世紀のオックスフォードでは110人、20世紀中頃のロンドンで1人未満。
過去数十年間に表現の自由や法の支配などに関する公衆の自由は、105カ国で著しく後退し、61カ国で改善された。
世界では企業の租税回避によって、国の税収は年間2,400億ドル失われている。これは世界の法人税収の4-10%。
企業の外国人持ち株比率は、イギリスのFTSE100が50%以上、ドイツのDAXが50%以上、フランスのCAC40が45%以上、日本の日経平均株価が32%、アメリカのS&P500が16%。
あらゆる側面において相互依存が強まっている以上、他者の失敗で利益を得る者は誰もいない。人類のサバイバルの鍵は利他主義。
自己の利益の為に最大限に利他的に振る舞うこと。こうすれば全員の利益の為に自己実現が図れる。
協力は競争よりも価値があり、人類は一つであることを理解すべき。そうした認識があれば、人類の倫理と政治組織を高度な次元に移行する自覚が芽生えてくる。
誰にでもなんらかの素晴らしい天賦の才能が備わっている。
世界の為に役立つ持続的な活動をする為の10ステップ
1.自分の死は不可避だと自覚する
2.自己を尊重する。自分自身の事を真剣に考える
3.変わらない自分をみつける
4.他者が行おうとしている事、そして世界の行方について、絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめる。共感力。
5.自分の幸福は他者の幸福に依存している事を自覚する
6.複数の人生を同時かつ継続的に送る準備をする。自己実現の様々な形式を絶えず発見する為。
7.危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつける
8.不可能な事はないと思う
9.実行に移す。PJの��料は憤懣であり、エンジンは心と身体。
10.世界の為にも行動する準備をする
自分は世界の幸福の為に何がしたいのか?
世界に対する10の提案
1.学校や法律の教科書など、いたるところに利他主義、寛容な精神、誠実さを養う為の学習を取り入れる。
2.国連総会の元に、安全保障理事会、30歳未満で構成された次世代会議、世界環境裁判所を設立する。
3.世界的な紛争が勃発するリスクと戦う。
4.法の支配と暴力を抑制する合法的な手段を強化する。特に女性と子供に対する暴力を撲滅する。
5.世界経済の連携を組織する。
6.ブロックチェーンを基盤とする世界通貨を導入する。
7.小規模農家の農地を守る為に、農地に関する所有権を世界的に強化する。
8.積極的な経済を推進する為の世界的基金を創設する。
9.新たな技術進歩を世界中の人々が利用できるように支援する。
10.企業、都市、地域、国、世界単位で客観的な指標を用いて計測する。
フランスが自分たちの役割を担う為に実行すべき提案。
1.自分自身になる各自の手段を強化する。全ての保育所と小学校の整備率を上昇させる。
2.教育システムの改革。技術、知識、哲学、倫理を誰もが生涯を通じて学べるようにする。失業者には職業訓練を施し、ホームレスには社会復帰の機会を提供する。
3.職業人としての最終条件を均等化させる。退職後の人生を教える事をはじめとする他者の為の活動に費やせるようにする。
4.利他的に行動するための手段を大幅に強化する。国民全員がNGO、団体、組合、政党に参加する為の時間と手段を自由に使えるようにする。
5.世界の為の計画をフランスの外交方針にする。
6.EUを合理的利他主義のモデルにする。その為には国境および国内の警備、共通の防衛、欧州のベーシックインカム、共通の社会政策を施行する事により欧州法を補完する。
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世界を取り巻く現状から2030に向かって、次の大戦が起きかねないと予想。これの裏付け的な文章が9割がた続くのが読んでいて辛い。この手の本によくある参考文献の多さも…
ホラーストーリーからの主題としては、憤懣が充満して行く世界において、「利他の精神」がキーワードと説いている。
トルストイは「人生にはただひとつだけ疑いのない幸福がある ~ 人のために生きる事である」と言っているし、共通の部分は精神性としてはあるのだろう。
本の中では、「集団の活動に大きな変化が必要な際には、すべて必ず個人が変わることから始まる。」であったり、「自分自身になる」というキーワードも。これは「自他共の幸福」という事なのだろう。
著者は、アルジェリア生まれのジャックアタリ氏。フランスのご意見番といったところか?
いくつかの「〜せよ」説を挙げているのだが、彼の説を実現させるのは政治の範疇では無いし(フランス向けの部分は政治に対してかな)、利益追求の組織でもない。個人が変わるしか無いと言いながらも、多くの人を糾合し団結させ大戦を回避させる力を持つものはなんなのかについての考察がほぼなくて、「~せよ」って言うのは、個人的には、ちと共感しにくかった。
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今年(2018)の初めに読んでいた本ですが、部屋の片隅に、私にレビューを書かれることをずっと待っていたような本です。テーマは、今年になって興味を持ち始めた、私が社会人を引退することに世の中はどのようになっているのか、というものです。
世の中では、定年60歳は過去の話、65歳ならず75歳まで、更には生涯(死ぬまで)現役!ということまで言われていますが、その一方で、企業側はしっかりと人材不足になったときの準備も着々としていると感じます。
この本では、ジャックアタリ氏による、2030年までの変化を予測した本です。残りの社会人生活を悔いなく送れるように、自分らしさをいかに表現できるかを考えつつ日々を過ごしたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・世界人口に占めるインターネット利用者の割合は、1996年の1.3%から、2016年の49.2%へ増加、世界人口74億人のうち、23億人がSNSを積極的に利用している(p25)
・宿泊先を共有する、エアビーアンドビー社は年間換算で1.5億人の宿泊を提供する、これは高級ホテルチェーンヒルトンの宿泊者の延べ人数1.27億人を上回る。ウーバー社の時価総額は、デルタ・アメリカン・ユナイテッド航空の価値を上回っている(p32)
・世界中の外国の軍事基地の95%はアメリカ軍のもの、世界160か国に800の軍事基地に駐留している(p37)
・世界の紛争のほとんどは、世界人口のおよそ6分の1が暮らす、マリからパキスタンの地域で起きている、戦死する兵士の数を年間人口10万人当たりで表すと、第二次世界大戦中は300人、朝鮮戦争22人、ベトナム戦争9人、イランイラク戦争5人、2011年以降は0.3(p47)
・難民のおよそ86%は途上国が受け入れている、トルコ・パキスタン・レバノン・イラン・エチオピア・ヨルダン・ケニア・チャド・ウガンダ、先進国が受け入れた難民の数は160万人(p52)
・都市部で暮らす人口の80%は、WHOの定める環境基準を超えた大気汚染にさらされている、途上国・中進国の人口10万人以上の都市の98%では大気汚染に関する基準が守られていない(p53)
・海洋の温暖化により、グリーンランドの氷床の年間平均減少率は、1992-2001には34Gt(10億トン)だったが、2002-2011年には、215Gtと急増した、これにより海面上昇(1.7ミリから3.2ミリ)も起きている(p55)
・農業に関する懸念材料として、農民たちは種子を毎年購入せざるを得なくなり、種子を交換することもできない、種子市場は、モンサントーバイエル、デュポン、シンジェンタによる寡占状態(p59)
・先進国上位25か国の世帯の65%(5.4~5.8億人)は、2005-2014年にかけて収入が横ばい、減少した、中産階級が貧困化している(p62)
・2011年以降、世界中のGDPは20%増加したが、国際貿易は停滞した、保護貿易障壁はいたるところにある(p77)
・アメリカの公的年金システムを維持するには、3.4兆ドル足りない、将来的にバランスさせるには、州と都市の負担割合を現在の歳入の7.3%から、17.5%まで引き上��る必要がある。だがこれは無理、シカゴ・ヒューストン・ダラス、イリノイ州、オハイオ州はすでに破たん寸前である(p79)
・世界中の人々の平均寿命は横並びになるだろう、2030年、人類の3分の2は都市部で暮らす。1000万人以上の人口を持つ巨大都市の数は、41になる、都市化したから農業生産性は向上する(p112)
・2025年以降、コンピュータは1秒間に、2.88x1017回の計算をする、人間の脳は同じ時間内に、10x1017回でありその差は3.5倍しかない。予測モデルは効率かつ詳細になり、知識および医療分野は次第に自動化される、2030年には1500億個のものが互いに、そして数十億人の人々とインターネットにより接続される(p115)
・3Dプリンタが産業界、一般家庭に浸透するだろう、これにより一部の製造現場は先進国に回帰、一般家庭ではカスタマイズしたモノが作られる(p115)
・拡張現実や仮想現実の道具を利用すれば、ホログラフィー対応のスマホで通話中の相手を3Dで眺められる、今後15年間に進化する視線追跡と顔追跡のテクノロジーにより、現実と仮想の相互作用が促される。スクリーンを利用せずに拡大した現実に、我々のデジタルデータを投影することが可能になる、現実と仮想が行動および思考において混ざり合う(p116)
・2030年、セマンティック・ウェブにより、検索エンジンと自然言語で会話できるようになる、人工知能とセマンティック・ウェブを組み合わせると、自動翻訳機となり、これがあれば世界中の専門家の見解を知ることができるようになり、国境はいずれ廃止される(p117)
・今から2030年までに、KWh当たり150ドルのバッテリーが開発されるので、ハイブリッド車が急速に普及する。航続距離が内燃機関車(600キロ)と同様になるだろう(p123)
・共有経済の5つの主要分野(金融、求人情報、宿泊、自動車共有、音楽・動画のストリーミング)の市場規模は2016-2030において、30倍になるだろう(p127)
2018年7月1日作成
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要約ダイジェスト
2030というと後わずか干支一周分だ。
その時50前なので一発当てない限り、まだまだ現役であることを考えると、世の中の先を知っておく必要があろうと思う。
インターネットは情報収集のハードルを下げた。従い、世界のどこかで今起こっていることはある程度わかるようになった。
しかし、これらを組み合わせて未来を予測することは難しい。例えば仮想通貨なんて10年前思いもしなかった。(不勉強だったからかもしれないが)
未来に備えるためには、考え方を知っておく必要がある。この本はちゃんと全部読んでみようかな。
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ジャック・アタリが天才だからだろうが、現在の状況やら分析やらがどんどん押し寄せてきて、のどに詰まって飲み込めないといった感じである。結論も分析の続きのようで、なんでそのような結論が導かれたのかいまいち消化不十分である。
世界全体で見れば生活水準は上がり技術は進歩し順調に見える反面、富の偏在や気候変動などの環境悪化、保護主義化や原理主義者の台頭などの混乱要因があり、2030年には大混乱になるだろう、という議論である。現在の状況なり課題が勢ぞろいでまとめてある。
結論として、それを阻止するためにみんなが行動する必要があり、国連に機関を設立しろとか世界通貨を導入しろとか10項目を提案している。普通の人なら数冊以上の本になるような内容を凝縮して書いている感じである。
本書を読んでなるほどと理解納得し、ジャックアタリが期待するような行動を取れる人が一体どれだけいるだろうか?私の読解力がないだけかもしれないけど…。
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現在世界の地政学や宗教から来る敵対関係、内情事情、環境問題、貧困、公害、高齢化など多様な社会的な懸案事項を取り纏めて解説して今後の動向をどう見極めるか?を提示してくれている。そこまではとても興味深いものがあったけど、ラストの回答とう言うか今後の指針は特別なものは無かったかなぁ〜けどね、出来るだけアンテナを高く上げていないと2030年までの荒波を乗り切る事が難しいんだよって、それは強く伝わって来た。本当にこの本で書かれていることの全てが起こるとは言えないけれど、形は少し違えども似たり寄ったりの事件や事象が発生するんだと思う。それに備えることを始めるきっかけにはなると思う。これからの世の中、情報は最大の武器だから、早く気付いて上手く使うスキルを身につけて荒波を乗り越えていきたい。
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資本主義への警鐘と受け取れた。利他的に振る舞えるよう、1人1人が内面から変わっていかないといけないという著者の啓蒙書。語られている事実は衝撃的で、説得力があった。
一方で、変わっていかなければいけない理想は分かるけど自分が損をしないためにマネー社会に飛び込んでいかなければいけないジレンマもある。一般人にはなかなか難しい。
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グローバル化による市場と民主主義の崩壊から起こりうる大惨事を食い止めるためには利他主義という捉え方に立って行動するよう説かれていた。
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この本で語られる2030年は、たった12年後。
「最悪の事態が起きる可能は極めて高い。その場合、2030年までに大きな危機や壊滅的な戦争が起きる。そして世界的な危機や戦争は、人類に不可逆的な被害ももたらす」、「危機がせまっていると自覚することが絶対に必要だ。そうした自覚こそが、危機をかいひするための唯一の方法なのだ。」
「自分自身ができる限り高貴な生活を送りながら世界を救う」
そのために、10段階の精神的道筋を歩むことが進められている。
1.自分の死は不可避だと自覚せよ
2.自己を尊重しろ、自分自身のことを真剣に考えろ
3.変わらない自分を見つけろ
4.他者が行おうとすること、そして世界の行方について、絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめろ
5.自分の幸福は他者の幸福に依存していることを自覚せよ
6.複数の人生を同時にかつ継続的に送る準備をせよ
7.危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつけろ
8.不可能なことはないと思え
9.実行に移す
10.最後に、世界のために行動する準備をせよ
世界を変革するための10この提案は以下。
1.学校や法律の教科書など、いたるところに、利他主義、寛容な精神、誠実さを養うための学習を取り入れろ。
2.国連総会のもとに、次の三つの機関(組織改革された安全保障理事会、30歳未満の次世代会議、世界環境裁判所)を設立せよ。
3.世界的な紛争が勃発するリスクと闘え。
4.法の支配と暴力を抑制する合法的手段を強化せよ。とくに、女性や子供に対する暴力を撲滅するのだ。
5.世界経済の連携を組織せよ。
6.世界通貨を導入せよ
7.小規模農家の農地を守るために、農地に関する所有権を世界的に強化せよ。
8.積極的な経済を推進するための世界的な基金を創設せよ。
9.新たな技術進歩を世界中の人々が利用できるように支援せよ。
10.最後に、今までに述べたことに対する取り組みの進行状況を、企業、都市、地域、国、世界という単位で、客観的な指標を用いて計測せよ。