紙の本
『子どもの脳を傷つける親たち』
2017/11/19 19:33
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳研究に取り組む小児精神科医が明らかにした驚くべき事実
過度の体罰を受けた子は前頭前野の容積が小さくなる
性的マルトリートメントを受けた子は視覚野の容積が減少する
暴言によるマルトリートメントを受けた子は聴覚野の容積が増加する
そして、子ども時代に受けたマルトリートメントが学習意欲の低下や非行、うつ病や摂食障害、統合失調症などの精神疾患をもたらす
「虐待」だけでなく言葉による脅し、威嚇、罵倒、あるいは無視する、放っておくなどの行為、子どもの前での激しい夫婦げんかなども含む「マルトリートメント(=不適切な養育)」と、子どもの脳の発達の関連性を科学的な視点から分析し、早期対応の重要性を説く
「世界一受けたい授業」で紹介され大きな反響を呼んでいる新書
紙の本
問題行動の背景を探る
2017/10/27 22:19
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三蔵法師 - この投稿者のレビュー一覧を見る
虐待とは判断しづらい「暴言」「無視」「強制」「抑圧」と受け取れる行為を、『養育者の不適切な関わり』maltreatment(マルトリートメント)と定義し、子ども達との関わり方が彼らの発育にどのような影響を与えるかが分かりやすく解説されている。
特にマルトリートメントが子どもの脳の発育に与える影響や、愛着形成や愛着障害についても具体的なケーススタディーを紹介しながら述べられている。
養育者のみならず子どもの成長に関わる全ての人に『子ども達に適切に関われているか』『目の前にいるその子はマルトリートメントの被害を受けているのではないか』と筆者が問いかけているように感じる一冊である。
紙の本
自分の子育てを振り返る
2018/04/05 07:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銭 - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供へのマルトリートメントについて、またそれが脳に与える影響について、検証結果を交えて判りやすく書いてある。
子供への直接的なものマルトリートメントにだけではなく、間接的なマルトリートメントでも脳への悪影響が認められる。
そして傷ついた脳の回復には、投薬治療や心理療法等の治療が必要となる。
また、無意識に日常から子供の脳を傷つけている可能性もある。
子供への言葉遣いにおいて、自分の振る舞いを見つめ直すきっかけにもなった。
紙の本
子どもは許すことにおいて天才
2019/01/14 15:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:debdeme - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どものためだからと、ついつい怒ってしまったりすること、子どもは嫌がっているのに無理強いしていることも。日々の暮らしのなかで、あれはもしかして?と思い当たることが。ドキリとする一冊でした。この本を読まなかったら不適切な養育をし続けていたかも。しかし、「子どもは許すことにおいて天才」という言葉に救われました。
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びっくり
2018/06/28 02:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:walkalone - この投稿者のレビュー一覧を見る
不適切な、子どもへの関わり方や子どもの前での不適切な行動は、子どもたちの脳を変形させて、傷つけてしまっているなんて。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の脳を傷つける親たち タイトルに惹かれて手に取りました 親の心無い言葉やネグレスト 些細なことで脳が傷ついて学習意欲が低下したり心が病んでしまうんですね でもわかっていてもなかなか改善できるものではないんじゃないんでしょうか
紙の本
不適切な行動で
2019/06/09 22:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大人の不適切な行動で子どもの脳が傷つくんだなあ。
気をつけたい。
傷ついた脳もリハビリとかあるみたいではあるけど、やはり傷つけずにいきたいわ。
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子共への虐待の実情とメカニズムと対策に関する本です。第1章は虐待に関する総説で、個人的には目新しい内容はありませんでした。頭の整理にいいと思います。第2章は虐待により脳が変化するという脳画像研究内容を紹介しています。最近の形態画像や機能画像の進歩で今まで変化がないとされた精神疾患において変化が捉えられるようになっており、個人的にはさもありなんと思いますが、多くの人には衝撃的なのではないかと思います。ただこの分野は何とでも解釈できる点があります。脳が小さくなっていても虐待が原因、大きくなっていても虐待が原因、活動が低下していても虐待が原因、亢進していても虐待が原因となって、その中間にある機序が想像になってしまうのが難点のように思います。そのため、画像の知見は3章以降の対策にまだ生かされていません(療法は画像の知見があってもなくても関係ない)。今後さらにメカニズムや対策が進むことを期待したいです。個人的には叱らず、褒めるのは常識となっているように思いますが、子供が間違ったことをした時に、いつも途方に暮れてしまいますので、虐待にならないように叱らずに導く方法も書かれているともっと良かったと思います。
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お盆休暇、2冊目。やっぱり子育てをやり直したくなりました。マルトリートメント(不適切な養育)、私の子育ての中にも何度もあったと思います。自分でもエッというほどきつい言い方をしていたことがあります。特に小学校高学年から中学生の間。勉強を見ている中でです。仕事なら抑えることができますが、我が子となると我慢がきかない。アンガーマネジメントがなってない。自分はそんな風に育てられなかったのに。我慢のできる子になってほしいなんて理由をつけて、泣いているのをかなりの時間放っておいたこともあります。子育てにはふつう以上にかかわったのに、それがかえって良くなかったのか。自己肯定感のかなり低い人間に育ってしまいました。脳のどこかに傷があるやも知れません。いまからでも修復できるのではと、いろいろほめられるところを探すのですが、見つからない。子どもたちももうすぐ成人。いい人間関係を築いていきたいものです。
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明らかな児童虐待や暴力でなくても知らず知らずのうちに子供の脳を傷つける可能性がある。心無い叱責や悪口、子供の前での喧嘩や口論、ちょっとしたネグレクト、そんな些細なきっかけで子供の脳が傷つけ、鬱病や統合失調といった精神疾患、精神障害になることも。子供は思った以上に傷つきやすいことを忘れてはならないですね。
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子どもに対する不適切な関わり方が、子どもの脳そのものを変えてしまうという事実に衝撃を受けた。子どもへの不適切な関わりといえば「虐待」というキーワードがまず浮かぶが、本書では、より広い概念として「マルトリートメント」という言葉が使われている。このマルトリートメントには、言葉による脅し、威嚇、罵倒、あるいは無視する、放っておくなどの行為のほか、子どもの前で繰り広げられる激しい夫婦げんかも含まれている。本書では、それらの行為が行われたときに、子どもの脳にどのような影響があるのかを明らかにするとともに、そういったマルトリートメントを受けた子ども、そして加害者側である大人に対してどのような対処や療法が必要なのかが具体例とともに紹介されている。子どもたちを助けるとともに、親(をはじめとする養育者)を助けることが重要であるという著者の意見に強く賛成したい。
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親からの虐待=マルトリートメントで、子供の脳は萎縮するというのが、衝撃的だった。
虐待と言っても、身体的なものだけでなく、暴言により子供を傷つける心理的なものもあるので、日頃の言動に気をつけなければと思った。
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マルトリートメントという言葉はもっと知られるべきだと思う。虐待は自分に関係ないと思っている親も、日常の言葉遣いや夫婦関係など、暴言や悪行に思い当たることが、きっと隠れている。それらが子供の脳の発達に影響していることを、夫婦で感じ取ってほしい。より多くの人にこの本を通じてマルトリートメントの理解を期待したい。
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読みやすい新書。
「子どもへの虐待」が私たちの目に触れるのは、主に「身体的な虐待」がニュースになったときである。
がしかし、目に触れない、そこらじゅうに吐いて捨てるほど転がっているであろう「言葉による虐待」のほうが、子どもの脳を傷つけるという筆者の科学的根拠に基づく主張は、一読する価値がある。
筆者自身も子育て経験があり、時に自分の体験(マイナスなものも含め)を引き合いに出すため、大上段から語られている感じがないのがよいと思う。
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著者は、福井大学子どものこころの発達研究センター教授をされており、現在日米科学技術協力事業「脳研究」分野グループの共同研究日本側代表を務めておられるとのこと。
脳と心の関係性について、研究からわかってきた最新の情報を、心の問題で悩む人々のために書き下ろされたものだ。
本書のキーワードである「マルトリートメント」という言葉は、本書を読んで初めて知った。この言葉自体は初めて聞いたが、その意味するところは、よーく理解できた。つまりは、自分自身を振り返った時に、すでに体験済であると感じたからだ。
そもそも「子どもの脳を傷つける親たち」というタイトルに惹かれて、この本を手に取ったこと自体、自分自身の身に覚えがあるからに違いない。そして、読んでみてここに書かれていることが正しいということも実感できた。
本書は、こころの病と闘う家族がいる人はもとより、予備軍かもしれない現代社会の多くの人が、一度は目に通しておいて損はないと思う。
本書の中で、親や身近な大人が子どもに対して、積極的に使いたい三つのコミュニケーションと、避けたい三つのコミュニケーションを紹介している。
前者は
①繰り返す
②行動を言葉にする
③具体的に褒める
後者は
①命令や指示
②不必要な質問
③禁止や否定的な表現
これは、本書のエッセンスであると私はとらえました。