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201907/
やる気というのはむしろ読み書きのような能力であり、習得したり磨いたりできる能力である。もし正しい練習を積めば、自分で自分のやる気を引きだすのがうまくなる。研究者たちによれば、やる気の必要条件は、自分は自分の行動や周囲に対して主導権を握っていると信じることであり、それを理解することが重要だ。/
自分がコントロールしているのだということを自分に対して照明するひとつの方法は、決断することだ。コロンビア大学のチームはこう書いている。「たとえどんなに小さな決断でも、一つ決断するたびに、自分は自分をコントロールできている、自分は有能だ、という確信が強まる」。たとえその決断がなんの利益も生まなくとも、人はそれでも選択の自由を欲する。/
やる気を引き出す第一歩は、選択する機会を与えることだ。それによって自立と自己決定の感覚が生まれる。実験によれば、命令されたのではなく自分で選んだものなら、人はどんなにつまらない仕事でも進んでやる傾向が見られる。だからケーブルテレビ会社から、カード払いがいいか請求書払いがいいか、ウルトラ・パッケージがいいかプラチナ・ラインがいいか、ケーブルテレビのチャンネルはHBOがいいかショウタイムがいかを尋ねられると、毎月すすんで視聴料を支払うようになる。自己決定をしていると確信していると、喜んで金を払うものである。/
大事なのは意見が言えることと、社会的感性だ。/
チームは、自分たちが重要な仕事をしていると信じなくてはいけない。
チームは、自分たちの仕事が個々人にとっても意味があると感じている必要がある。
チームは、目標と役割分担を明確にしなくてはならない。
チームメンバーは、たがいに頼ってもいいのだということを知る必要がある。
そして最後に、最も重要なことは、チームには心理的安全が必要だということである。/
心理的安全を生み出すためには、リーダーが正しい行動の模範を示さなくてはならない。グーグル社が考案したリーダーのためのチェックリストがある。リーダーは議論のときにチームメイトの話をさえぎってはいけない。さえぎると、みんながみんなの話をさえぎるという習慣ができてしまう。ちゃんと話を聞いているということを示すため、誰かの話が終わったら、それをようやくする。自分が知らないことは素直に認める。メンバー全員が少なくとも一回発言するまで、会議を終えてはいけない。メンバーが同様して不満を述べるのを促し、他のメンバーがそれに否定的に反応するのを促進すべきだ。チーム内の対立には目をつぶらず、みんなでオープンに議論すべきである。/
メンバー全員が、自分も意見を述べていいのだと感じていること。そして、他のメンバーの感じていることに対して自分は敏感だということを示すこと。そうすればチームワークはうまくいく。/
ダーリーンの話では、彼女は頭の中に健康な赤ん坊はこうあるべきだというイメージがあって、いつもそれを保持しているのだという。保育器の中の新生児を見たとき、そのイメージと合わないと直感した。そこでダーリーンの頭の中のスポットライトが、赤ん坊の肌、かかとの血の滲み、膨らんだ腹部に焦点を当て、ダーリンに警告を発したのだった。対照的に担当看護師は、どうあるべきかという明確なイメージが頭の中になかったために、栄養状態には問題ないし、鼓動もしっかりしているし、泣かないという、最もわかりやすい細部だけにスポットライトを当てていたのだ。わかりやすい情報によって惑わされてしまったのである。/