紙の本
切ないけど少し人間の闇もあった
2020/09/12 21:13
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投稿者:み - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても感動した。が、1部人間の性格も表されており、闇を感じた。そこがとても興味深かった。
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死者と繋がるのはなんのためか、生きるとは、どういうことなのか、考えた。
生きている間は、ヒトに対してわがままで、ないがしろにしていて、亡くなってから縋る…
そこにどんな結末があっても、きっと、それまでの自分と会う死者との関係の清算なのかな、って思った。
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会えるのは、生きているうちに一度だけ。死後も一度だけ。
自分なら、誰に会いたいと願うだろうか。そう考えながら読み進めた。
会うことで忘れられてしまうかもしれないけれど、それでも会いたい。
そう言った、失踪したままの彼女の言葉が胸に刺さる。おそらく、忘れられることはないだろう。愛した人は、心の中でずっと生きてる。
残された彼が彼女の死を受け止め、前を向いていくためには、ふたりが会うことは必要だったと思う。
やさしい話ばかりじゃなかったけれど、それがリアルを思わせてくれて良かった。
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一生に一度だけ死者に会えるとしたら、誰と会うだろう。そもそも会ってどうするんだろう。死者とあって話したいこと、したいことって真剣に考えるほどなにもないような気がします。そして、死んだ自分に一生に一度しかない機会をつかってくれる人はいるだろうか…。アイドルと会うことを選んだ平瀬愛美の気持ちも、そして見ず知らずの一ファンのために一度きりの機会をつかってしまう水城サヲリの決断は意表をついたようで、納得させるだけの根拠と、人間の孤独を突きつけられた第一章でした。
第三章は女の怖さを見せつけられました。親友を傷つけてでも主役を手に入れたいっていう願望は、一人の男性を得ることで人生が決まってしまう女の性なんでしょうけど、結果に対する罪悪感と親友を失った喪失感はさすがに大きくて、結局告白できないままでした。伝言は結局二人の女の子を救ったのでしょうか?鹿鳴館の幕が下りたあともステージに居続ける嵐の、御園の分も演じきろうという罪悪感から吹っ切れた思いと、親友を失った姿を表していたと思います。あそこはやっぱり歩美と会って話しをして欲しかったですが、恋が始まってしまいそうで、それだと供養にならないか。
第四章は一番すきなお話でした。携帯小説っていう感想もアリでようけど。日向キラリは明らかに偽名。ホームレスなのも見え見え。家出少女?借金漬けにされて風俗店かヤクザのところから逃げてきた?やっぱり美人局?それにしては2年は長すぎる。純情可憐の演技は女なら一生続けることも可能だし、やっぱり騙されていて、ほかに男がいて、そっちへ戻ってしまった?戻って殺された?罪悪感から自殺した?などいろんなことを想像しましたが、なんか、誰も悪い人がでてこなくて、ほっとするような結末でした。遺品のポップコーンカップは泣けます(T_T) ここだけのために映画がみたくなりました。
使者は、霊界と現世をツナグ、人間とは別の存在だと思っていたら、第三章では思いを寄せられていた同級生をツナギ、第三章では依頼人に説教する、人間らしい面がでてきて、え、っと思っていたら、最終章で明かされる意外な真実。息子夫婦の無残な姿をみても、母親としての悲しみや人間として恐怖より、使者の責任が優先され、まず鏡の隠匿と使者の継承がなされる。そういう視点でみると、つまらないと思っていた第二章の「長男」とはを語る章は伏線として重要な役割を果たしていたんですね。
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辻村サン、ワタシの中ではデビュー作の怖い印象が強かったけど、ひっくり返った。
すごく心に残る作品。
ちっとも怖くなく、優しさがあふれる小説だった。
使者である歩美君が謎の人物じゃなく、普通に生活してて、使者になるにあたっての心情も丁寧に書かれててよかったな。
短編だけど、すべて繋がってて途中でまた読み返したりしながら読んだ。
ワタシはすごく好きな小説。
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「永遠のゼロ」以来、久々に小説読んで泣いた。
辻村作品好きで、でもここ最近の作品(文庫化したものだけ)はなんとなくイマイチだなーって思ってたから、これもそこまで期待してなかったんだけど・・・予想に反してすっごいよかった!!
死者に会えたからって、会った人すべてが救われるわけじゃないってとこまで書いてたのがよかったのかも。
全部がハッピーで、全部が泣ける話しだったら、ここまで手放しでよかった!って言えなかった気がするから。
でも、救われなかった、会ったあとでさらに深い悔恨を持ってしまった女子高生は、自ら立ち直ろうとする姿を最終章で書いてくれたから、やっぱり全編ハッピーエンドと呼べるのかな?
そのおかげで、読後感のよさはハンパなかったです。
映画見てないけど、キャストだけ見たらどれもハマってたから、結構映画もおもしろくなってるかも?
変に原作いじってないことを祈ります。
・・・映画館に見に行く予定はありませんが。
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内容(「BOOK」データベースより)
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
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望む者に死者との面会を叶えてくれる
謎の存在・使者(つなぐ)。
それぞれの想いにより死者との面会を
望む人々と使者の物語。
最初のエピソードでの面会者と死者の
関係性に、連作の1話目としてこれは
どうなんだろう?と少しだけ思ったが、
終盤になり物語の構成としてはこれ以上の
配置はないのだと気付き、唸ってしまった。
やはり辻村深月のプロットは見事だ。
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2013.9.7読了。
生きているうちに一度だけ、亡くなった人と会える。
自分だったら誰に会いたいかなぁ。と思いながら読んだ人は多いと思う。
でも亡くなった人も、一度しか生きてる人に会えないときた。
使者と書いてツナグと読む。
暖かったり、辛かったり、切なかったり。
これは涙なしでは読めないと思うなぁ。
失踪した彼女を想う男性の話の時は、私がツナグを必要とするほど大切なひとはまだ、みんな元気でいることに感謝した。
祖母に逢いたいけど、祖母はきっと断るだろうな 笑。私じゃないだろうなー。
なんか感想がチグハグだけど、読んでよかった。まわりのひとを大切に感じた。
心に届く一冊でした。
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私がこれまで読んだ辻村さんの本の中では、
一番読みやすいかもしれない。
読みながら何度か「これ、辻村深月の本だよね?」と
頭の中で確認してしまったほど。
死者に会いたい側の人たちの視点だけでなく、
ツナグの側から話が書かれているのもよかった。
まさに「今」の私だったら、ツナグに誰に会いたい、と
依頼するかな……。
会いたいのは、産まれることもなく天国へ行ってしまった
私の2人の子供だけど、2人いるから、どっちかなんて
選べないしなぁ。
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SFミステリ。死んだ人間に合えるというSFでよくある設定だけれども、単純に泣かせに来るだけではなく、色々なパターンを見せてくれる。
「待ち人の心得」は王道展開で泣けるし、ひとつ前の「親友の心得」では……泣けるし(違う意味で)
この本は章ごとに語り手が違っていて、主に依頼人目線で進んでいく。そして最終章で使者の少年の目線から語られるわけだけれど……そこでの裏話というか心理描写もよかった。(映画だとどちらかの視点にまとめられそうだ)
そういえば、映画版では最初の「アイドルの心得」が省略されているとのことで、シンプルながらに結構好きなんだけど尺の都合上しょうがないのかなーなんて…
レビュー冒頭でSFミステリと言っているけど人によってはジャンルはファンタジーだと言うかもしれないしぼくもそう思う。作者が辻村深月じゃなければ。
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辻村さん久しぶりに読んだ。冷たい校舎を考えると、優しくて暖かい部分が全面に出た作品だったなー。何度か泣いた。
映画の告知で見ただけなのに桃李くんと樹木希林の存在感がありすぎたww
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人生に一度だけ死者に会える物語。前半は死者への思い出や心残りをたっぷり説明し後半はその死者登場の水戸黄門的構成の連鎖短編。ラストは間を取り持つ使者(ツナグ)の編で、今迄の話が絡み合い読み応えありの感動ストーリー。映画が楽しみ!
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死者と再開させてくれる。生きているうちに一度だけ。それを信じて探せば叶えてくれるツナグ(使者)に会える。会いたい死者がOKを出せば会う日を設定してくれる。
アイドルの心得/長男の心得/親友の心得/待ち人の心得/使者の心得
探し出して使者と会うことを希望した人たちと、使者をすることになる彼の話。
今までの生き方に向き合うこと。これからの生き方を見つめること。そこにはプラスもマイナスもあって絶対は無い。
今の私には会いたい死者はいないけれど、そんな気持ちになる時が来るだろうか?
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これぞ辻村深月の真骨頂。
ひとつひとつのエピソードがしっかりと深く、そして最後には見事な伏線回収。何箇所か泣きそうになった。
これは名作。文句無しの☆5。