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「もの」を「かたる」のが文学である。奇譚と冒険と心情、そこに詩的感興が加わって、物語と日記はこの国の文学の基本形となった。
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好きな作家さん目白押しで、これは読むしかないなと。
伊勢物語おもしれえええってなっている。
川上弘美の作品かと思うくらいどんぴしゃの訳にうっとり。余韻。
竹取物語はポエム調の和歌がたまらん。これも森見作品かのよう。すばらしいテンポ感。
堤中納言物語はおもわずニヤリ。
土左日記は前段と括弧書きの注釈に痺れるし、更級日記は瑞々しくて女の日記感がさすが江國。
この全集、ほんとぴったりな人に訳を頼みますよね。さいこう。
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「こんな、おちゃらけの文学なんてあり得ない!」とも思うけど、50年後でも意味が通じる本として残せたので、これぞ文学なのかも知れない。
全30巻の中で、この3巻だけを選んで読んでみたけど、結構当たりだったかも・・・!
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文学全集なんて・・・!と絶句しないで。このまったく新しいシリーズには漱石も、谷崎も、源氏も古事記も、村上春樹もあります。古典作品は森見登美彦、町田康といった若い作家が訳していてとっつきやすく、この巻の川上弘美訳『伊勢物語』でも、ひたすら恋に泣く男と女の姿が見えてきて古典の印象が変わりますよ◎
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原文を読めるだけの素養がないので、現代訳で読めるのはありがたい。『土左日記』堀江敏幸氏の「貫之による緒言」と「貫之による結言」に紀貫之の土佐日記への想いが甦ってくるようです。それにしても、平安期の人々はよく泣いていたことを改めて知りました。1000年も昔の日本人の感情とはどのようなものであったのかと興味が湧いてきます。私たちが感じないものに感じ、見えないものを見、聴き取れないものを聴いていたのだろうかと想像が膨らみます。ただ、死生観は違っても、男女の仲は変わらなかったようにも想えます。
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森見さんの話が聞きたくて講演会に行って、欲しくなって買った本。森見登美彦さんの「竹取物語」は、確かに森見さんらしい。ファンタジーで、竹林が出てきて、美女も出てきて、そして男たちが片想いをする。川上弘美さんの「伊勢物語」は、授業でやった文章が出てきて懐かしい。在原業平すごい笑 中島京子さんの「堤中納言物語」は、歌の訳も三十一文字にしているのがすごい。こんなに楽しい物語だったんだと驚き。堀江敏幸さんの「土左日記」は、ひらがなで訳して貫之の考えを示すという独特の訳。江國香織さんの「更級日記」は、これも授業でやった文章が懐かしい。歌の訳など工夫されているのが伝わってきました。
古典文学のエキスパートでもない現代の作家たちが訳すというのはどうなんだろうと思ったりもしたけれど、豪華な作家たちの名前から読んでみようと思う人もいるはずだし、その点では素晴らしいこと。平安文学を読むことがないので新鮮な気持ちで読みきりました。思った以上に面白い作品たちでした。
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2016.2.21市立図書館
物語文学と日記文学の巻
竹取物語(森見登美彦新訳):意外とふつう。5人の貴公子や帝、翁らこの世の人の個性と愚かしさが浮き彫りに。
伊勢物語(川上弘美新訳):和歌を柱に、あっさりした雰囲気の男と女のエピソード集。
堤中納言物語(中島京子新訳):10の短編アンソロジー。ちょっと変わったお話がこざっぱりした文体で。少将とか中納言など官位で表されているが、ちょっと光源氏や夕霧&薫を思い出させるようなエピソードもあり、現代の平安王朝ものがたりのいくつかもこうした古典に想を得ていたのかもと気がついた。
土左日記(堀江敏幸新訳):冒頭におかれた訳者による「貫之による緒言」で、書き手の人生と立場、屈折した思いをしることで、作品にこめられた文体のたくらみや感傷がじっくり味わえるしかけ。
更級日記(江國香織新訳):本(物語)が大好きな少女が父親の転勤で田舎から都へ。それにともなう人や物語との出会いや別れの喜怒哀楽がすなおですらすら読める文章に。
返却期限に追われて流し読み。豪華な再話ばかり。こうしてすらすら読めると、書かれた当時の読者の感覚を追体験できている気がしてうれしい。
どれも和歌がもりこまれていて、そこをどう訳すかを現代語訳者がそれぞれに工夫しているのが興味深かった。ポエムっぽくしたり、31文字で現代語に置き換えたり(俵万智のチョコレート語訳ふう)、短い韻律に豊か閉じこめられた豊かな思いをじっくり表現したり、地の文と地続きにしたり…
また改めてゆっくり読みたい。
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おお、大人版!と借りてみる。
土佐物語が一番読みにくいけど、面白かったかなぁ。
それぞれあとがきも良かったです。
他の巻をみると、現代語訳や個人の作家のもあるので、現代語訳の鏡花とか!と思いましたが、なかったので残念。
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竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土佐日記・更科日記
どれも学校で古典や歴史で学んだ物語ですが、一度も
読んだことがありませんでした。(絵本とかあらすじみたい
なものを除いて)
初めて読みましたが、現代と異なって違和感のある部分
もありますし、想いのほか現代でも共感できる部分も
多く面白く読めました。現代訳が秀逸であったことも
要因だろうと思います。
中でも、伊勢物語の和歌と話しの内容の奥深さ。単なる
恋愛だけではなく人とのつながりを大事にしてきた文化
が垣間見える部分。
堤中納言物語の短編小説のような、また現代でも共感できる
家族や仲間での何気ないやり取りの記載。
土佐日記の紀行文としての情景の描き方や、昔の船旅の
リアルな様子。
更級日記の現代でも十分に共感できる日記文学と、主人公の
リアルな感情。至極日常的な感情。ドライな感情が
垣間見える部分。
など、面白かったと思います。
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自分がいかに古典にいい加減に接してきたかを思い知らされることになった。
かぐや姫の話は誤解が多かった。もっとも、絵本の印象が強くて、かなり違訳を信じていたのかもしれないけれど、それも原典をきちんと読んでいない証拠。
伊勢物語では、こんな太古から微妙な男女の機微があったのだと感銘を受けた。
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竹取物語(森見登美彦)
伊勢物語(川上弘美)
堤中納言物語(中島京子)
土左日記(堀江敏幸)
更級日記(江國香織)
月報:小川洋子・津島祐子
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初読。図書館。こちらもなかなかの顔ぶれの訳者陣。それぞれの工夫された現代語訳で読むと、小川洋子さんの言う通り「現代文学にまっすぐつながって」いることが味わえる。特に「竹取物語」と「更級日記」が面白かった。「竹取」ってきちんと読んだことなかったけど、ファンタジーで辛辣。「更級」の主人公なんて物語大好きな引きこもり妄想女子で、お勤めも結婚もいまいちな孤独な女性って、現代と同じだよ。それぞれの訳者さんが和歌をいろんな手法で訳しているのも、比べると面白い。
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森見さんの竹取物語目当てで読んだ。真面目なようで小馬鹿にした感じが面白い。伊勢物語と堤中納言物語も予想外に面白かった。平安時代って和歌のセンスが問われて大変そう。代筆多かったんだろうな…。
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伊勢物語、きちんと読むの初めて。
川上弘美さんの日本語は美しいな。
和歌の訳がそこはかとなく典雅だ。
物語絵でよく出てくる有名な九段の八橋、宇津山だけにあらず。
しかし業平はすごいね、さすが歴史に名を残すプレイボーイ…
三十段の、歌を「逢うのは 一瞬 恨みは 永遠」て訳すのはしびれる。伊勢物語もすてきだけど川上弘美さんもすてき。
最後125段
「生きるとは
なんと
驚きに満ちたことだったか」
ってところなんて、めっちゃすてきじゃないですか
もりみーの竹取物語もすごく面白い。
もちろん元の話自体が面白いけど、彼の訳がなんともシュールで人間臭くて好きだ。
しかしなんておもしろい話なんだろうなぁ、古事記とかも面白くてユーモアあふれてるけど、竹取物語のファンタジーたまらん。昔の人すごい。
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当時の生活や人々の心情、感覚がよくわかる。現代とはかなり異なるものも多いが、同じようなところも多々あって面白い。電気がないので夜は真っ暗なこと、それでも夜はあまり眠らず夜這いをしたり月を見に行ったりして過ごしたようだ。家にはもちろん鍵はかかっていないし窓も閉めていないようだ。
土佐日記は中流貴族の悩み事や苦労、諦観など、興味深く描かれている。
更科日記も中流貴族の娘の話だが、現代にも通じる中流家庭の普通の文学少女から一般職のOL、専業主婦、パートタイマー、そして老女となっていく一生がよくわかる。
また、旅がいかに苦難を伴うものあったかもわかる。朝から京都へ行くのに3ヶ月もかかり、現代で言えば東京からアマゾンの奥地やヒマラヤに行くようなものだ。