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探偵小説のつもりで読み始めたが、表紙をよく見ると幽明志怪とあった。これがシリーズ名か。
ミステリ要素もありつつのホラー、怪奇、幻想小説か。たまらんね。
大変面白かったです。続きも読まねば。
津原さんの作品、読んでへんのがたくさんあるな。ウキウキ。
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猿渡と伯爵のコンビ。短編集。
猿渡の一人称視点の軽妙な語りで、テンポよく読めた。にもかかわらず、文章は洗練、流麗という印象を受けた。
各編とも、綺麗さっぱり丸く収まりました、というような幕引きでなく、後に残るような読後感。かといって、それは湿っぽい後味の悪さではなく、むしろ丁寧に紡いだ糸をスパッと切ったような、妙にさっぱりとした感じもするから不思議。特に、『ケルベロス』の最後「一緒に帰ってきました。これからはひとつの人生を生きようって」という台詞は一体誰が発したものなのか、悩んでしまう。
ひたすらマニアックな豆腐を食べる話かと思ったら、それだけにおさまらず、葱やら蟹やら蟲やら、出てくる食材はひたすらにマニアックだった。
個人的には『カルキノス』が好き。蟹の話。冷静に殺人事件を推理する伯爵と、その予想外ともお約束とも言える結末の対比がなんとも滑稽だった。
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猿渡と伯爵の豆腐好きコンビを主人公としたシリーズの第一弾。軽妙な語り口で綴られる日常に侵入してくる怪異にぞわぞわと背筋が粟立つ思い。その奇想といい文体といい、やっぱり津原泰水は巧いなぁ。集英社版にはなかった書き下ろし短編が加わってるというのも嬉しいね。
どれも素晴らしいけど、特にお気に入りは「猫背の女」、「ケルベロス」、「奈々村女史の犯罪」、「水牛群」かな。
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集英社文庫版持ってるのだけど、書き下ろし短編もあるし、購入。
「猫背の女」だけは怖くて再読できない。
表題作と「カルキノス」「ケルベロス」が好き。あ、猿渡くんがもてる話ばっか(笑)。「埋葬虫」もなんか好き。
初めて読んだせいか、「ピカルディ」より密度が濃いような。「猫ノ目時計」楽しみ!
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津原泰水作品はこれで読むのは二作品目。『たまさか人形堂物語』に続いて。
『たまさか』の時の感想で、もう少しだけ文章がスマートなら、と書いた。『たまさか』よりもっと文章は読みにくかった。それもその筈、随分前の作品なのね。
しかし、物語はとても面白かった。
短編は、オチがバチーンと決まるか、思わせぶりな不思議な余韻を残すか、というところだけど、バッチリ決まるには、決まりきってなくて、余韻を残すには、ややぼんやり、かな。結局オチは、読み手にハマるかハマらないか、というところはありますが。
あとは、印象として、色んな要素が、入り過ぎてゴチャゴチャした感じもあった。
個人的には、やっぱり表題作『蘆屋家の崩壊』が一番面白かった。
オチも一番好きかも。
『さようなら。さようなら。』
で終わる感じも、文字通り、家が崩壊する感じも、可笑しかった。
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一遍が終わってはもっともっとと後を引くような、不思議と引きこまれる文章にすっかりはまりました。珍味のよう。
「猫背の女」は怖かった。背中を丸めて、必死の形相で一気に読んでしまいました。
跋で作者が言うように、私も短編集のあとがきを読むのが好きで、気に入った作品が作者にどう語られているのか気になります。私の気に入った作品は、なぜか「締切前に何も浮かばなくて苦し紛れに書いた」のようなエピソードが多い気がします。
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パロディっぽいタイトルですが、純和風な怪奇短編集でありました。ホラー・ミステリー的であったり、和もの幻想小説的であったり。
ユーモラスな語りで展開するにも関わらず、どれも微妙に陰惨な結末が訪れる。何ともすっきりしない読後感もまた好し。
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おもしろかったな~
趣の異なる話で飽きないし一気読み。
もっと早くに読んでおくんだった。
豆腐愛がすばらしい。
泣きながらって…
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いつの間にやら出版社が変わっていた…。
次巻と装丁が違っていることが嫌で、結局買い直し。何てことだ…。
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ちょっと怖いけど、不思議な後味の残るお話たち。「埋葬蟲」読んで、貴志祐介の「天使の囀り」を思い出して、ゾワゾワってした。
猿渡の危なっかしいところを伯爵がフォローして、いいコンビだと思う。
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現実であろう部分と非現実であろう部分 の境界線のぼかし方が上手い 夢うつつのまま物語に引き込まれ短編の落ちの所では突然後ろから突き飛ばされたような何が起きたのかよくわからない混乱に陥る ゾッとする場面も多いけど読んでいて非常に楽しい
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タイトルから推理小説のパロディかと思ったが
どちらかと言えばホラーより、かな?
謎解き部分もあるがそれを覆す不可思議さとほの暗い怖さが特徴。
第一話と最終話が怖かったなぁ。
シリーズ化されているようなので次を読むかどうか考え中。
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IKさんお勧めにより拝借。面白いけど、オマージュコラージュの印象が強くて創造性を感じなかった。いかにもサブカル。「ケルベロス」が一番好き。
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三十路を過ぎて定職に付かない猿渡と、怪奇小説作家の「伯爵」に起こる奇怪な現象たちをつづった短編集。
巨大な赤い蟹、悪しきものを封じるケルベロスのような海外神話めいたテイストもあれば、トンネルにまつわる幽霊談・ストーカー女など都市伝説っぽいもの、葛の葉・白狐・蘆屋道満などの伝承・歴史もの、和洋折衷で恐ろしいもの・幻想的なものを様ざまに登場します。
虫のお話は、貴志さんの「天使の囀り」を思い出すけど、もっとこちらは綺麗にまとめあげている感じ。
血なまぐさいホラーではなく、あくまで静寂な余情をもったミステリー風味のファンタジー。
メインの伯爵と語り部の関係性も、少し歪で不安定さがあって一般的な「友達」とも違って面白いです。
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② 怪奇幻想連作短編集です・・・といっても、背筋が怖気立つようなオドロオドロしたものではなく、行間から怖さがじわぁっと染みだしてくる感じです。シリーズであることを知らず、先に〝ピカルディの薔薇〟を読んでしまいましたが、とくに違和感を覚えることもなく物語に入っていけました。日常の中に潜む、すぐそこにある怪異という親しみやすさ(?)がリアリティを生むのでしょうか。無頼を気取っている主人公も、実は繊細な感情の持ち主で、実はロマンチストなのかなぁと思わせるところも、作品の魅力になっています。