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まず、ほろりとさせられる結末でした。
前の二冊も楽しく読めましたが、私的にはラストとなるこの完結巻が特に良かったです。
ヒロインのノエルは行方知れずとなった父親を探すため、また、幼い頃からの夢である宮廷画家を目指すため、男装して少年として過ごしています。
そんな彼女がある日、「引きこもり」公爵であるフォール公爵の肖像画を描くことに。
それが縁となり、公爵の提案で二人は「仮面夫婦」として過ごすことになりました。
契約結婚を発端として芽生える愛。
紆余曲折を経て、ノエルの実父が実は国王であったことが二巻で発覚します。
主役の少し変わり者のイケメン公爵と正義感が強くてお人好しの少女ノエルの心が少しずつ接近してゆく過程にドキドキしつつ、一方でノエルの父親が誰なのか?
また他にも複数、謎解きのような部分もあり、興味深く読み進められました。
この完結編のラストは泣けました。
探し求めていた父親(国王)とは数十日しか一緒にいられなかったノエル。
それは、彼女にとって、愛する男性を選ぶか、父親を選ぶかという究極の選択でもありました。
ー今、心から思う。この人の娘に生まれて良かったと。もう、しばらく会うことはできないけれど、絶対に忘れない。父親の愛がどれだけ温かく優しさに満ちたものだったかを。
ノエルが父王の胸に抱かれて泣く場面からの抜粋です。
思わず、ほろりと目頭が熱くなりました。
最後に。
まとめ的な感想になるかと思います。
当初、私は書店店頭で、第二巻を見つけました。購入後、様々なサイトで読者評がイマイチなのを見て、正直、外したか、、、と落胆したのですが、実際に読んでみたところ、なかなか面白かったので、前に戻って初巻を読み、最後にこの巻を読みました。
ラノベだけでも綺羅星のごとくの本が出ています。読者の好みも千差万別ですから、誰かが読んだ感想がそのまま自分にも当てはまるとは限りません。
今回は改めて、その認識を新たにしました。
個人的には「オススメ」の作品シリーズですが、やはり、それも読む人の好みによって変わってくるのかもしれませんね。