紙の本
人類創世記の悩み
2019/06/22 08:40
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文字で表されぬ精神を重んずる口伝による教育か、書かれた言葉を信奉する理性的な教えによる教育か。今尚続く言語教育論を傾聴しているような書。
紙の本
図書館……?
2022/06/18 12:38
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投稿者:きが - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに惹かれて買ってしまった1冊。
しかし個人的には肩すかし感が否めなかった。
図書館どこだよ……………………………。
作者は文学と言語学の博士で「言葉」に対して造詣と愛があるのはわかりました。
よく言えば世界観のつくり込みが細かく、悪く言えば用語が多すぎて付いて行くのが至難……。
個人的に主人公に少しも魅力を感じないのがつらかったです。
翻訳は非常に丁寧で巻末の用語集が大変ありがたいです。むしろ用語集がなければ何も理解できませんでした。
あんまりにも高い買い物でした……。
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世界幻想文学大賞など、複数を受賞した著者のデビュー作。
最近は見かけなくなった四六判の2段組なので、厚みの割に長い話なのだが、ほぼ一気に読ませる筆力は新人離れしている。
もし次作も邦訳されるなら、是非読んでみたい。
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原題 A STRANGER IN OLONDRIA
世界幻想文学大賞・英国幻想文学大賞・他 受賞
★★★★★
──〈ティオム〉のジェヴィックの回顧録
作中作の物語や叙情詩も多く
老女が語る物語「九つの不思議の都」の話しは特に好き
第十九章 焚火
「(略)きわめて多くのページをめくってきた今、本の片側はあまりに重くなり、反対側はあまりに軽く、終焉に向かって薄くなる一方だ。(略)親指の下にはあと数ページが残っている。(略)」
実際にこの状態(∩˘ω˘∩ )
クライマックス
王子の館での出来事
旅の終わり、その後のはなし
最後まで読み応えがあった★★★★★
邦題『図書館島』は最後まで読めばわかる
(^_-)-☆
続編『The Winged Histories』もぜひ読みたい
【以下覚書、いちびり書き】
物語のはじまり・・・
〈紅茶諸島〉〈ティニマヴェト島西部〉の〈ティオム村〉の裕福な農園の跡継ぎ息子ジェヴィックが父の死後初めて島を出て、オロンドリア帝国のベインの町に買い付けに行く。しかし、ベインで〈鳥の祭り〉に参加した日、売春宿の階段の上で幽霊に取り憑かれて体調を崩し〈紅茶諸島〉へ帰れなくなってしまう。滞在していたホテルの主人に幽霊の話しをすると精神を病んでいると思われ通報されてしまい
死者は北方に住んでいると信じているオロンドリアと死者の領土のあいだをつなぐ門〈浄福の島〉へ送られてしまう。
〈浄福の島〉に着いたジェヴィックはまず〈没薬(もつやく)の塔〉に送られ二代目‹石の司祭›イヴロムに尋問され、死んだ娘(幽霊)を探さなければいけないと訴えるが、きいてもらえず〈灰色の塔〉─心を病んだ者の治療院に送られてしまう
治療院ではイヴロムの娘ティアロンから治療として、本を読んであげようと提案される。
しかし、治療は効を奏さず、やがで何かを築きこの地から離れられないティアロンもジェヴィックの元へ来なくなる。
そんなある夜、‹石の司祭›の敵であるアヴァレイの大巫女メイラーのサロンへ行くこととなり、
ジェヴィックを苦しめている死んだ娘の亡骸を探す手助けをする変わりに〈夜の市〉を開く手助けをするように言われる・・・・・・
ジェヴィックの故郷〈紅茶諸島〉では
「ジェプナトウ=ヘット」
悪い死に方をした者、死んだけれど生きている者たちの国。海を渡ってもたどり着けない場所
と
よい死に方をした者だけがいける天使が暮らす島「豊潤の島」
があると信じている
幽霊は、悪い死に方をした者
・アナドネデト 経歴的なこと?(巻末語句解説に記載がなかったんだよね・・・)
・ヴァロン 本 「言葉を収めた部屋」という意味
・ジュート(複数形ジャヌート) 外なる魂
ジュートの並ぶ祭壇
ジェヴィックのジュート
額が広く、足には鉤爪があり、首には乾燥したヘンプをねじったものが巻いてある
ジュートが話しかけてきたら死期が近いといわれている
・アヴネアニー 交霊者
●登場人物
・勝手に実写化キャスティング(笑)
●ジェヴィック(22歳)
・森永悠希 (『ちはやふる』に出てた子)
●ジサヴェト(不治の病キトナの患者)
〈キエム〉のジュートのない貧しいホタン
●母ヒアノト(ホタンの評判の美女だった)
ジサヴェトは母を馬鹿だと思っている
額に傷、右手の小指と薬指がない
●父ジェディン〈南ティニマヴェト〉の首長の息子、強いジュートをもつ鳥の医者
●ティプヤヴ
ジサヴェトの父の元召使で父を探して丘を下りてきた。今は母の召使の信頼できる老人
●神官アウラムの甥で従者ミロス
・山崎賢人
●アヴァレイの神官アウラム
・草刈正雄
●アヴァレイの大巫女メイラー
・藤原紀香
●アヴァレイの王子
✩続編で詳細が明かされるらしい!
〈浄福の島〉
●二代目‹石の司祭›イヴロム
●イヴロムの娘ティアロン(30歳くらい?)
・江口のりこ
13歳のティアロン
・芦田愛菜
●オロンドリア人のルンレ先生
〈ケブレイス〉(50歳くらい?)
ルンレ=光がいちばん清らかな月、一年の最後の月を意味する名前
・佐々木蔵之介
●ジェヴィックの父
●母(キアヴェト〈ピトート〉)
●兄(ジョム)
●従者ステン
●ベインのホテルの主人イェドヴ
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A Stranger In Olondria
図書館島というタイトルで、なんとなく薔薇の名前みたいな感じの本かと思ったけど、もっとロマンスだった。
主人公ジェヴィックと、不治の病で死んだあと主人公に取り付いた娘である”天使”ジサヴェト。二人の恋を軸とし、父と母と第一夫人、ジサヴェトの父と母、家庭教師とその師の娘、神官の甥と侯爵夫人、いくつものかなわない恋が散りばめられている。
その後が気になる登場人物が多すぎ!と思ったら、姉妹編が2016年に書かれているらしい。翻訳が待ち遠しい。
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本を語るための本.入れ子のようにたくさんの物語がはめこまれて,一冊の本の中にたくさんの時代と世界が広がっている.また,文字のない国の言葉を書くのに,言葉を作るとかそう言った創作言語があまりにも多くて,読むのが大変だった(訳される方はもっと大変だろうが).主人公と『天使』になったジサヴェトが,心を通い合わせていくところ,切なくなりました.
最後にルンレ先生の結婚相手が登場するまで,てっきり,「石の司祭」の娘ティアロンがやってきたと思ったので,ちょっぴり残念.ティアロン気に入ってたのになぁ.
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題名と幻想文学大賞の文字に惹かれて手に取った。
図書館とあり、表紙もそれにちなんだものであったが、あまり関係なかったと思う。本に重要な意味はあったが。本は(外なる魂を模した人形)ジュートだという台詞は何だかわかるような気がした。
島や街、各地の様子や暮らしを営む人々の描写が濃密で目に浮かぶ。それゆえに、物語の動きが動というより静で読むのに苦労した。
終わり方に特にはっきりした結末が見えないような読後感。文学だからそういうものか。
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「世界中の書物を収めた王立図書館のある島に幽閉された彼は、書かれた言葉を奉じる人々と物語る声を信じる人々の戦いに巻き込まれてゆく……」というあらすじに、わくわくして読み始めましたが、そのわくわくは長くは続かず。続きが気にならず、なかなか読み進められません。なのに上下二段の350ページ。長かった。ファンタジー好きなのに、残念です。私の中でのあらすじは「死者に取り憑かれた男が、死者を成仏させる話」でした。
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翻訳本は肌に合わないのかもしれない。
どうにも読み進めることができず、久しぶりに読むのを諦めてしまった。
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タイトルの図書館島、というのはかなりミスリーディング。特に図書館島、という言葉から想像するようなストーリーではない。
原題の「A STRANGER IN OLONDRIA」の通り、オロンドリアという国の動乱に巻き込まれ、翻弄される主人公を描いた作品。
描かれるオロンドリアという世界は緻密で、十年に一度の大型新人、というふうに記載されているのも頷ける。魅力的な世界をきちんと作り上げている、というところは素晴らしい。
二点ほど気になる点があった。
(1)主人公の主体性
主人公はごく普通の人間であり、他人の意思、歴史の流れに翻弄され続ける主人公を追い続ける、という筋なので、読了したとき若干疲労感が残った。
例えば、抑圧されている少数派の団結をもたらすために虐殺を意図的に引き起こす、というタクティクス・オウガのようなシーンが有るのだが、主人公はあくまでそれに巻き込まれるだけで、Cルートのように事実を主張して暗殺されかけるのでもなく、団結のためとして虐殺を是とするわけでもなく、ただほうほうの体で逃げ出すだけである。
逃げ出したあと主人公は無事自分の家に戻れました、で終わり、で、結局騒乱の結果がどうなったかはわからないまま。
オロンドリアという緻密な世界を味わう、という意味ではまあ良いのだけど、主人公の決断で大なり小なり世界が変わるなり、騒乱の結果を示して大河ドラマのような時代のうねりなりでもう少し楽しく読ませてほしかった。
(2)背景の設定
緻密な世界観、というのとは表裏一体とは思うが、意味深に出てきたものの明らかにはなっていない設定が結構ある。
書き記された文字を奉じる人々が大切にする黒い石の正体あたりはもう少し説明してほしかったところ。。
何にせよ、世界観は非常に魅力的なので、姉妹編でまだ未翻訳の「The Winged Histories」を読んでみたいところ。
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[関連リンク]
魔法と芸術そのものである、書物についてのファンタジィ──『図書館島』 - 基本読書: http://huyukiitoichi.hatenadiary.jp/entry/2017/12/03/080000
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何となくの「スゴい」感を世界観に対して感じたが、トータルな印象としては、いまひとつパッとしなかった。
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最初すきま時間に読み始めたのもあり、オリジナル用語が覚えられず、幻想的な世界観に馴染むのに時間がかかったのだけど、途中から惹き込まれて一気読み。出てくる土地の設定の作り込みがすごい。各地の風土、人々、暮らし、信仰、土俗的なまじないや習慣などが細かく描写されていて、主人公とともに旅している気分になる。その分ストーリーは複雑すぎず、納得感ある流れでエンディングへ。
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図書館島異聞を読みたくて4年ぶり?くらいに再読。
前回読んだときには、理解が追い付かず疲労した記憶が強かったが、2回目でやっとこの本との付き合い方が分かった気がする。
異国の風景、匂い、色彩、人々の暮らし。
死に取り憑かれた主人公の生き方と愛。
旅するように、ただ、この世界の空気を吸って、浸りきればそれで良い。
理解できない部分を理解しながら読み進めるというより、どこまでも深く本の中に潜っていく感覚を味わう本。
時間を置いて何度も読み返したいと思う。
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手のひらに異世界はあった。知らないの逸話、分からない単語、本を開く度に異世界の息遣いが聞こえて色づいていくのが堪らなかった。
ボリュームありすぎてちょっとだけしんどかったけどな!!あと用語表は早く見つけたかった…