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半島の先端に建つ心療内科に通い、そこで出会った謎の男子大学生に恋をする相沢ふたば。
早世の天才画家・島崎兵衛の幻の油絵「六本の腕の女」を探し求める藤倉一博。
喫茶店を始める男性客のために物件を探す内、その男性客の家庭の謎に興味を持ち始める不動産業の連城美和子。
何者かにより自身の行方不明捜索願が出されていたことを知り困惑する御通川進。
同じ街に住む四人の物語、それぞれの前に立ち上がった謎は、静かにひそやかに重なり合ってゆき、新たに切ない別の物語の姿が立ち現れる。
第7回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作の日常系ミステリ小説。
大して重い話ではないので、軽い気持ちで読み進めることができた。しかしだからこそ、読後は特に何も残らない。身体には優しいが味の薄い麺類を長く食べ続けたような感覚。
4つのストーリーがどのように繋がるのか、全体の折り返し地点になっても見えてこなかったので期待したのだが、蓋を開けてみれば全く大したことのない繋がり。驚きも薄ければ、登場人物が手に入れていくものも私には響かなかった。
また後半の種明かしがあまりにもわざと臭い。こんな全然関係ない人に、こんな話する必要ある?といった場面が多々見られて興醒め。
ここまでの期待外れは久しぶりだった。やっぱ売れてる小説が無難なのかなー。
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「4つの物語が重なり合う日常系ミステリ」…ええと、微妙に重なり合いすぎです。でも、読みやすい文章だし丁寧に書かれている感じはよいです。
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全く知らない4人の日常ストーリーがラストには一つの物語になるミステリー作品。4人それぞれに謎解き部分があり同時進行で4つの物語を読んでいる感じなのだが、全体的に波がない。丁寧な描写をしているのだが、登場人物に個性が感じられず盛り上がる部分もあまりなかった。きちんとラストはまとまってはいるのだが最後まで静かな波で終わった気がした。
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アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
主に四人の登場人物の物語が、交互に語られつつ次第に繋がっていくミステリ。やや不穏な空気を感じさせられる部分もあるけれど、基本的には穏やかな読み心地でした。とんでもなく大きな事件が起こるわけでもなく、だけど謎を一つずつ丁寧に解きほぐしながら進む感じの物語は、ゆったりとした気分で読めます。
当然これらがみんな繋がるんだろうなあ、というのは予測していましたが。なるほど、そう来るのかあ。特にみんながみんなすっぱりと謎が解かれるのを目撃するわけではなく、自分の知らないところで誰かが起こした行動のおかげでこういった結末にたどり着けた、という部分になんともいえない優しさを感じました。大きな驚きはないけれど、じわっとしみこむ印象です。
そしてここでも気になる作中作ミステリ。自販機のミステリ、すごく読みたい。
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第7回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
クリスティー賞とは相性が悪く、今までの受賞作を面白いと思えなかったのだが、この作品はなかなか良かった。
4つの物語が章ごとに平行して進む。それらが最終的にどう重なるかが焦点となる(前書きに書いてあるのでネタバレでは無い筈)。まあ、良く見る構成ではある。
4つの物語が全く関連が無く見えるのと、文章が手慣れていて読み易いのが良かった。キーワードが一つだけなのが弱いかな? もう少し、「あれっ? これってもしかして?」と思わせる伏線が欲しかったね。
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4つの話がどう繋がるのか期待しながら読むが、大した仕掛けもなくがっかり。自販機のミステリーはどんな話なのだろう。
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心の動きが
波になって押し寄せてきた。
ガラスを通った光のような彼の絵を
一度でいいから見れたらな。
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短大生のふたばが通院先で出会った絵に天賦の才のある謎の青年、探し求めた幻の油絵「六本の腕のある女」の贋作疑惑と経営者、喫茶店の為の物件を紹介する不動産屋女性と拘りの珈琲、警察から同名人物の行方不明人捜索願が出ていると知らされた父親、の錯綜。遠景を眺めるような読み心地。心療内科描写が期待程なくて残念。
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心療内科に通う短大生の相沢ふたばは、治療所で大学生の湯本守に出会う。守をもっと知りたいと思うふたば。が、彼は姿を消した。看護師に守の行方を訊くが、「そんな名前の患者は知らない」との答えが…/壁紙販売会社の社長藤倉一博は、数年来探し求めていた幻の油絵、〈六本の腕のある女〉をようやく見つけ出す。だがまもなくそれが贋作ではとの可能性が浮上し…/
四人の視点で代わる代わる話が進むので、どうしても進行はゆっくりに。それが作品全体のさらさらした手触りに繋がっているのかもしれないけど、ちょっと焦れた。物語が繋がっていくのも良かったんだけど、重なったところで鮮やかに景色が変わる、というのではなくただどこかで交差していた、に終わってしまったので全体的に地味な印象になってしまったのかなって。不穏感が必要だったのかもだけど、家出人の件は省いてもよかったような。アガサクリスティー賞大賞作。
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誰も悪くない
むしろチョットはらはらする人たち
どういう風に繋がるのか・・・
最後に彼の言葉で終わってよかった
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岬の心療内科似通うふたばは、クリニックのテラスで出会った湯本守をもっと知りたいと思った。しかしクリニックの看護師たちは、クリニックにはその名前の人はいないと言う。
会社社長の藤倉は長い間探していた幻の絵画がみつかったと聞き色めき立つ。
店舗を中心に紹介している不動産屋の連城美和子は、喫茶店を開業したい長谷部に最適な物件を紹介する。
免許更新に行った営業マンの御通川は、自分に行方不明人捜索願いが出されていることを知らされ驚く。
全く関係のなかった4人が、少しずつ繋がっていく。最後まで4人が直接かかわり合うことはないのだが、一人の青年を軸にした謎が解き明かされていく。一人の人間が殺され、詐欺でそれなりの大金か動いたりしているのだが、最後はほんのりと優しい気持ちになれた。
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*
4人が物語の主として話は始まります
診療内科に通い始めた短大生の相沢ふたば
一人の早世な画家の絵に魅入られた藤倉一博
客に寄り添い不動産売買する連城美和子
運転免許更新で、突然失踪人だと言われる御通川進
四人の悩みや日常生活、事件が場所を異にして
並行して進む中、話は思わぬ点で絡み始める
前後左右に行きつ戻りつしながら核心へ。
最後まで読んで終着駅へ辿り着きましょう
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登場人物は4人。相澤ふたばは心療内科に通う短大生。藤倉一博は100年前に早世した画家の作品に魅入られた中小企業の社長。連城美和子は不動産会社の営業、喫茶店を買いたいと言っている長谷部が半年ほど物件を決めきれずその対応をしている。御通川(ミツカワ)進は自動車免許の更新に行くと、妻と小学生の娘と平穏に暮らしている自分に家出人捜索願が出されていると言われ、その後警察署へ出頭。
この4人の話が7つのシーンとなって次から次へと場面が変わりながら彼らの置かれた状況が変化して行きます。4人の置かれている年齢、立場に何ら共通点の無いまま、30年前の大雪そしてその事を思い出させるかのような数日前の大雪、この事がトリガーとなり一気に4人が抱える「謎」が一点に集中しながらあっという間に解き明かされて行くような感覚を覚えた作品でした。
色々なミステリー小説を読んでいく中で、どんな仕掛けが用意されているのか、そしてどんな風に謎解きがなされて行くのか?ただ受け身で読むのではなく、自分なりにこんな展開になるのではと予想しながら読み進め、「大雪」と言うキーワードを見た時、「来た!」と思いましたが、そんな簡単に謎解きの答えにたどり着ける訳もなく(笑)、作者の掌の上で弄ばれておりました。
余談ではありますが、御通川(ミツカワ)進がミステリ好きの妻が熱心にミステリ小説を読みふけっている姿を見て「読書とは究極の現実逃避」と思う件は、熱心にこの作品を読んでいる自分と重なり、ニヤリとしてしまいました。
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131ことなるストーリーが並行して進みながら、最後に収斂して行くという手法はほんとうに苦手で、しかも時系列が飛ぶと一回だけでは理解できない。ただ登場する主役級の人々が心繊細な優しさに溢れているのが救いです。チャンネルが少し変わったら行きやすいこともあるのかもしれないね。
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それぞれ違った人物のストーリーが代わる代わる展開するため、少し読みにくさを感じました。最後の繋がりは思ったよりあっさりでした。