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匿名の暴力的言論、指先一つで裁判官になれる正義が横行する現代には、人間の本質を知っていこうという姿勢。自分を大切にして相手も大切にするコミュニケーションが大事なのだ。
2023/02/17 09:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
童話・桃太郎。
川で洗濯していたおばあさんが、大きな桃を拾ったところで、批判の嵐に晒される。
「窃盗だろw」
「懲役何年?」
「ていうか、川で洗濯するなよ」
「謝罪会見マダー?」
びっくりしたおばあさんは、どうしていいかわからずに泣き出してしまう。
ACジャパンのCMでのパロディだが、全く笑えない。
それどころか、「言論圧殺だ。適切な批判を封殺しかねない」との意見まで寄せられたという。
批判も反対意見も許さない無限ループ。
そこには、「正しいことを言っている」という「正義感」に酔うことが、脳にとっての快楽だそうなのだ。
その正義感が人間の所属するコミュニティを守る倫理感となってきたのだと。
本書のタイトル「シャーデンフロイデ」とはドイツ語で「損害(もしくは毒)の喜び」と言う意味。
まさに「他人を引きずり下ろす快感」とのこと。
自分には関係ない、と思いたいがそんなことはない。
著者は、それが人間の脳に備わる本質なのだ、と緻密なデータや実験結果を持って実証していく。
匿名の暴力的言論、指先一つで裁判官になれる正義が横行する現代には、人間の本質を知っていこうという姿勢。自分を大切にして相手も大切にするコミュニケーションが大事なのだと。
紙の本
匿名の暴力的言論、指先一つで裁判官になれる正義が横行する現代には、人間の本質を知っていこうという姿勢。自分を大切にして相手も大切にするコミュニケーションが大事なのだ。
2021/12/20 10:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
童話・桃太郎。
川で洗濯していたおばあさんが、大きな桃を拾ったところで、批判の嵐に晒される。
「窃盗だろw」
「懲役何年?」
「ていうか、川で洗濯するなよ」
「謝罪会見マダー?」
びっくりしたおばあさんは、どうしていいかわからずに泣き出してしまう。
ACジャパンのCMでのパロディだが、全く笑えない。
それどころか、「言論圧殺だ。適切な批判を封殺しかねない」との意見まで寄せられたという。
批判も反対意見も許さない無限ループ。
そこには、「正しいことを言っている」という「正義感」に酔うことが、脳にとっての快楽だそうなのだ。
その正義感が人間の所属するコミュニティを守る倫理感となってきたのだと。
本書のタイトル「シャーデンフロイデ」とはドイツ語で「損害(もしくは毒)の喜び」と言う意味。
まさに「他人を引きずり下ろす快感」とのこと。
自分には関係ない、と思いたいがそんなことはない。
著者は、それが人間の脳に備わる本質なのだ、と緻密なデータや実験結果を持って実証していく。
匿名の暴力的言論、指先一つで裁判官になれる正義が横行する現代には、人間の本質を知っていこうという姿勢。自分を大切にして相手も大切にするコミュニケーションが大事なのだと。
紙の本
過ぎたるは猶及ばざるが如し
2019/01/04 08:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ABC - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見、正しいことに思えても、集団心理、承認欲求など、行き過ぎると非常に危険な心理について、実験例を引きながら解説されています。
「他人を引きずり下ろす快感」など持ちたくはない負の感情ですが、生物学的に脳と身体に組み込まれていて、排除することはできません。ではどのように対処すればよいのでしょうか。
無意識的に、負の感情がわき上がることを自覚し、自分が自分の行為や発言に酔いしれていないか、自分を客観視できる冷静さを持つことが肝要なのだと思いました。
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関わっても自分にとってなんの見返りもないのない事柄や、なんの関係もない人間の行為を過剰に批判したり。
匿名のネット環境でよくある行為がなぜ起こるのか興味があったので読んで見た。
本の内容は例えが身近で引用されている物も分かりやすく、気軽に読める。
人間にとって好ましい性質であるはずの"愛"や、社会的な集団を形成し、存続させるための"ルール""結束"が、逸脱した人間を苦しめたり、イジメを生じさせるというのはなかなか皮肉。
よく、ペットと過ごすと発生して好ましい物質だと言われているオキシトシンが、この愛情や執着を形成し、関係が崩れると嫉妬や妬みを生じさせもするらしい。
犬や猫は何をしても可愛いけれど、人間同士は上手くいかない。言葉が話せる分、自分の思い込みだけで関係を維持できないからかな。
私は捨て垢取らなくちゃコメントできないような事は書いていないつもりだけど、ツイッターで何かを批判したくなった時に、「自分はどんな指向性を持っているのかな?」「コレを書いて自分にとってプラスになるのかな?」という事を一旦考えひと呼吸おくべきだな〜思いました。
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たしかにオキシトシンは幸福ホルモンかもしれないが、シャーデンフロイデという弊害をもたらす。いや、人類繁栄のための正しい副作用か。
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他人を引きずり下ろすことにより起こる脳内の快感、シャーデンフロイデ。
なぜいじめがなくならないのか、なぜバッシングが起こるのか、なぜ愛と正義の名のもとに殺しあうのか、脳仕組みから解き明かしていきます。
納得することばかりです。
以前、集団での合意形成の有効性などを標榜する、とある団体の一部の人々から攻撃を受け、その団体を去ることがありました。
下記の所を読むと、なるほど、そういうことだったのかと、改めて納得しました。
ヒトは、集団を構成することで生存確率を高め、生き延びてきた種であると考えられています。すると、最も生存確率を下げるネガティブ要因が、集団の崩壊になります。集団が崩壊する要因となるのは、外部の敵と内部の敵の双方が考えられますが、外部の敵は集団を結束させる役割を果たし、集団の維持にとってはプラスに働く場合があります。一方、最も危惧すべき要因になり得るのが、内部の敵です。内部の敵とは、その人一人だけ得をしている(ように見える)人物です。 ー 83ページ
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タイトルの言葉の意味も分からす読んでみた。意味は誰かが失敗したときに、湧き起こる喜びの感情だそうだ。
ネット社会になり、注目されているようだ。本来喜びに満たされているとこういった妬みからくる喜びも少なくなるようなので、リア充を目指したい。
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世の中には「モラル・オヤジ」と呼ばれる現象がある。その名の通り従来は高齢の男性であることが多かったのだが、些細な倫理違反を公共の場所で異様に凶弾するアレだ。この本ではモラル・オヤジの頭の中で起きている生理現象を、「シャーデンフロイデ」(社会悪が排斥されたときに感じる快感)で説明しようとする。
社会的動物として進化・生存してきた人間には、自分の集団を破壊する存在や、自分の集団の利益にタダ乗りしようとする存在を排斥することを快感と感じる仕組が遺伝的に備わっているという。これが自分自身にとっては何の特にもならないばかりか、反撃のリスクすらある利他的懲罰を嬉々として実行する心理を説明する。しかも、インターネットの登場で匿名、簡単かつ自己承認欲求を満たす形で制裁(サンクション)を実行できるようになってきたため、モラル・オヤジは老若男女を問わずますます元気だ。
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童話・桃太郎。
川で洗濯していたおばあさんが、大きな桃を拾ったところで、批判の嵐に晒される。
「窃盗だろw」
「懲役何年?」
「ていうか、川で洗濯するなよ」
「謝罪会見マダー?」
びっくりしたおばあさんは、どうしていいかわからずに泣き出してしまう。
ACジャパンのCMでのパロディだが、全く笑えない。
それどころか、「言論圧殺だ。適切な批判を封殺しかねない」との意見まで寄せられたという。
批判も反対意見も許さない無限ループ。
そこには、「正しいことを言っている」という「正義感」に酔うことが、脳にとっての快楽だそうなのだ。
その正義感が人間の所属するコミュニティを守る倫理感となってきたのだと。
本書のタイトル「シャーデンフロイデ」とはドイツ語で「損害(もしくは毒)の喜び」と言う意味。
まさに「他人を引きずり下ろす快感」とのこと。
自分には関係ない、と思いたいがそんなことはない。
著者は、それが人間の脳に備わる本質なのだ、と緻密なデータや実験結果を持って実証していく。
匿名の暴力的言論、指先一つで裁判官になれる正義が横行する現代には、人間の本質を知っていこうという姿勢。自分を大切にして相手も大切にするコミュニケーションが大事なのだと。
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私は「愛」という言葉で表される何かが包含している、絶望的なまでの閉塞感を、そこに嗅ぎ取ってしまうのです。 こうかん巷間 捉えようと "幸せホルモン"オキシトシン 撫でられたりリズミカルにふれらたりすることで分泌されるオキシトシンが、痛みや炎症を抑え、傷の治りを速くする。 "愛と絆のホルモン"という言葉で表現することができるでしょう 母子関係では、出産・授乳というオキシトシンか一度に大量に分泌されるという身体上の大イベントが立て続けに起こるわけですから、否応無く密度の濃い愛着関係が形成されるのです。 社会通念というのは強固なもので 「単なる物理的刺激」「単なる化学物質のやり取り」 反駁したくなる気持ちが強く生起する人ほど 子宮けい頸部 私達が自分の意志で決定していると思っていることは、実際には、脳に分泌される物質に大きな影響を受けていることが殆どです。経産婦 ただひたすらに、愛というものの捉え方に本質的な相違があるということを示しているのだろうと思います。 嫉妬が、自分が持っている何かを奪いにやってくるかもしれない可能性を持つ人を排除したい、というネガティブ感情であるのに対し、妬みは、自分よりも上位の何かを持っている人に対して、その差異を解消したいというネガティブ感情です。憧れ 妬み感情から派生するもので 尊敬と相俟って 妬みのサブカテゴリを念頭に置いて 戦場で出会う最も怖しい敵は、少年兵だ、と聞いたことがあります。 障害を持った人を躊躇なく貶めるような発言をしたり 言ってみれば、子供は誰でもサイコパスに似たようなところがあるのです。 トレードオフの関係にあるようで 繁栄の礎 淘汰され フリーライダーの出現 向社会性を持たないので、同調圧力にはあまり左右されない。 合理的に自分が生き残る道を計算します。 プラセボ(偽薬) けいび経鼻投与し 相手の気持ちを忖度できない振る舞い げんがい言外にアピール オキシトシンが安らぎと癒しをベースにした絆であるのに対し、アルギニン・バソプレシンは逃走または闘争をベースにした絆ホルモンです。 一夫一婦制 乱婚型 離婚遺伝子 不倫遺伝子 糾弾きゅうだん 種を残す とてつもない脅威なのです オキシトシン商法 愛着と信頼 セキュリティーホール 騙されてしまう側のリテラシーの低さを指摘しても解決にはならないのです メシウマ=シャーデンフロイデ 暴走する「正義感」 脳には可塑性がある 男性ではテストステロンの分泌量が多いために サンクション DVの加害者側に見られる心的状態にも、類似の構造があります。 ドーパミンの分泌による快感 利他的懲罰 利己主義的 沈思 規範意識 互いへの攻撃心を掻き立てる源泉として機能してしまう その快感得たさに獲物を探し出す 生け贄が差し出されれば 自分で意思決定することを楽しいと感じる人は東アジアでは3割もいません ヨーロッパでは6割近くが自分で意思決定したいタイプです 日本においては少数派だった、火山の為に土が米作に適さなかったり、米作よりも海運が盛んであったりする地域、すなわち薩摩や長州の人々が、より合理的な意思決定を選択、採用したことで、大きな節目をつくっていったというのは示唆的です。 シャープにはガバナンスがなかった 暗黙裡��求められ セロトニントランスポーターの密度が低い ジンバルドーの「スタンフォード監獄実験」 アドルフ・ヒトラーと、サード・ウェーブ実験 正義中毒 承認欲求ジャンキー 二元論で語られていく風潮 マウンティング合戦 はるななさん榛名山 総括 敵愾心剥き出しの行動 出征して無事に帰還 金銭的窮乏あるいは大成功 自分の考えを正当化する為の舌戦に過ぎない 厭わしく思い始める状況に陥れば 「あなたのためを思っている」という愛は、時に簡単に虐待に変わってしまうことさえあるのです。 東に向かって全力疾走しているつもりが、西に向かって暴走していた…。
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主旨は判るが、似たような解説の繰り返し。
新聞のコラムで収まるような内容を、専門家が片手間で書き上げると恐らくこうなるのだろう。
これが今の新書の実態だと改めて確認。
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シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感。中野信子先生の著書。日本大学アメフト部のタックル問題、芸能人や有名人の不倫問題がメディアやインターネットで大きな話題になっている背景にはシャーデンフロイデがあると理解できました。自分とは直接関係なくて利害関係者でもないのに、気に入らなければ徹底的に攻撃して痛めつける、時には上から目線で容赦ない誹謗中傷、度を過ぎた罵詈雑言すら厭わない。日本社会とシャーデンフロイデは切っても切り離せないのかも。
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主張はそれなりに事象をうまく説明していることもあるだけに、それほど間違ってはいなそうだという印象を持つ。
でもね、論理を展開していく際の根拠が、だれそれの実験で明らかになった。とか言い切っている上に引用も出典もなし。新書だし、そこまで書かなくてもいいでしょ、っていうつもりでそうしてるんならまだいいんだけど、たぶん本人はわかってない。わかってたらだれかの1回の実験ごときで人の普遍的性質なんかが明らかになるわけないってことくらいわかるはずで、こんな書き方にはならない。
科学リテラシーが長谷川豊氏レベルだと思う。
ただけっこう現代社会のネット民の行動を説明できている部分はあり、そこそこ面白かったので☆2つ。
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シャーデンフロイデという言葉を知りました。建て前や道徳というのは、あやしいものだなと。この本を読むと思う。
オキシトシン
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いじめの発生する理由、戦争が起こる原因、ネットで炎上が起こる理由。これらを、この本ほど見事に説明しているものはないと思う。戦って生き延びてきた人類の宿命とはいえ、なんとか上記の発生を回避する方法はないものだろうか。こうした心理があることを常に認識し自分を振り返ることぐらいしか思いつかない。