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死にたくなければ、私が夢中になれるお話をしてよ 死の直前、男たちに物語をねだる玲緒奈。ある夜、男が語った〈物語〉は玲緒奈を虜にしていく。時空を超えた世界にリアルが紛れ込み、交錯する物語は、やがて……。現代の「千夜一夜物語」文庫化。解説・野田秀樹。
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あらすじ(背表紙より)
「婚約者が自殺した」との報せを受けた玲緒奈。しかし彼女には、次に殺す予定の別の婚約者がいた。男を惑わし、財産を奪い、殺す。玲緒奈には不思議な掟があった。夜が始まると彼女は言う。「私が夢中になれるようなお話をしてよ」死の直前、男の語る話の内容で命の長さは決まる。命を懸けた究極の物語が始まる。読売文学賞受賞作。
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婚約者を拘束し、自分を満足させる物語ができなければ財産を奪って殺すという掟を持つ女。男は話の面白さで生き残る時間が決まる。いつものように男に話をさせるのだが、話に出てくる人物がまた別の物語を語り出し、その物語の登場人物がまた別の物語を語り出す。どこまでも続くと思われる劇中劇中劇中・・・劇が、いつの間にか一点に集約され予想外の結末を迎える。小説の構成も高度に仕組まれていてとても面白いし、そこで語られるセリフにも惹かれる。「本物よりも本物らしく。高揚もカタルシスも不要」「一体感というのは中毒だ」