見仏記7 仏像ロケ隊がゆく みんなのレビュー
- 著者:いとう せいこう, 著者:みうら じゅん
- 税込価格:704円(6pt)
- 出版社:KADOKAWA
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紙の本
時間の流れを、どの巻以上に感じる
2018/05/30 05:42
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
メディアミックス編ということで、いつもの『見仏記』とちょっと違う。
ロケで喋っていることはあえてメモを取っていなかったなど、いつもの部分に比べるといとうさんが「覚えていない」と言及することが多い。しかしロケ隊抜きに二人で出かけたパートでは、いつもの文章になる。その違いが最初は物足りなく感じたけれど、読み終わってみれば面白い。
そして当初の頃のいとうさんのみうらさんへのツッコミがやわらかくなっているのを感じる。
ふたりとも「老い」について言及しているが、そればかりではなく、二人の仏友として過ごしてきた時間の積み重ねが確かにあるからだと思う。
東寺のようにこれまで何度も書かれてきたお寺もあるが、毎回気づくこと・考えることが違うから「またかよ」と読者が思うこともない。私自身、いくつか行ったことのあるお寺もあるが、「あのときとも配置とか見せ方変わってるの!?」と驚かされる。
仏像がすごしてきた時間に比べれば、人間の一生などたいしたことはなく、けれどその短い時間の中で人間はおたおたしつつ時間の経過に愕然とする。
そういうものさし、あったほうがいい。
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