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株式投資をなんとなくやって、儲かったり損したり、401kも会社でやってはいるもののイマイチ理解してないない。いくつか流行りの本を読んでも納得出来ていない自分がいた。
急いでない、確実に儲けを出したい。安く買って高く売ればいいんだよなぁ… じゃあ、幾らなら安いのか??
タイヤ交換で訪れたガソリンスタンドのテレビでボビーオロゴンが、「殆どの人は、ポートフォリオ管理が出来ていない」って。
「ポートフォリオ管理?」、聞いたことあるけどちゃんと考えた事なかったなと、検索を掛けたらこの本が引っかかった。
この本を開いた瞬間は、業務でファイナンスを使う人向けの教科書か?という感じがしたが、目次を見ると一章にプライシング理論、二章にポートフォリオ管理、三章にリスク管理、四章に統計分析と続いていて、知っていて損しない雰囲気。
一章のプライシング理論では、債権、株式、不動産、企業、プロジェクトの本来価値の求め方が数式ではなく文章で短く解説されている。投資して得られる価値の算出の方法がシンプルに書かれていて、分かりやすい。物の本だと、DCF法の計算式がつらつらと書かれていたりするのだが、乳牛の喩えは分かりやすい。将来、牛が提供する牛乳、将来の牛乳の価値の相場=期待収益率を割り引いて現在価値を求める、全ての将来キャッシュフローの割引現在価値を合計したものが、牛の値段。(『みんなの意見は案外正しい』のお話を思い出してしまった。あっちは、投資家のスタイルへの風刺だから全然違う話なのだが。)
株式では、期待収益率の出し方で、CAPMが出てくるのだが、ここで期待収益率はリスクと関係していて、リスクには市場リスクと個別リスクがあって、「ファイナンス理論では、収益の源泉となりうるのは市場リスクのみであり、個別リスクは収益の源泉となり得ないと考える」と… これは、ポートフォリオ理論の章を読むと、複数の株式を持つ事で、個別リスクは考えなくて良くなるという事になるのかな。
二章は、ポートフォリオ理論だが、CAPMの説明。
全ての資産を「無リスク資産」、「リスク性資産」に分ける。無リスク資産は、国債や現金。リスク性資産を市場ポートフォリオ(市場に存在する全てのリスク性資産を時価総額に比例して保有)に一致させる。自身のポートフォリオで、このリスク資産の比率を好みで決めるのは、まあ、分かる。
このまま無難な感じかと思いきや、ハイリスクハイリターン狙いの人は、お金を借りて投資とな。そして、理論的な裏付けが書かれているが、結論としては、市場ポートフォリオが理論的にはベスト。ただ、市場ポートフォリオって地球上に存在する全ての資産か?というとそこまで考えなくても、市場のインデックスでも良さげ。TOPIXとか日経平均、インデックス運用商品があるのでそれでいいと。この本では、ここで終わりではなく、その先にある、そうは言っても一つのリスクファクターじゃあ良からんだろうって最新の理論も書かれているが、お腹いっぱい。
二章のまとめは、ここまで読み進めてきた理論だけでなく、人的資源にもすこし触れていて、トータル・ウェルス考えろよとか、手数料に気を付けろなど当たり前なんだけど親切だ。
三章のリスクでは、市場リスクと信用リスクの考え方が書かれていて、長期保有、定期的購入、レバレッジかけないスタイルならそこまで深く意識しなくても良さそう。
ここまで読み進めて、もう、TOPIXと日経平均で良いやという気分なら四章の統計分析はいらないかという気分になる。業務で使うならやるけど気分的にはもうお腹いっぱい。
筆者は、冨島佑允氏、物理学やって銀行にクオンツとして採用されて、外資系保険会社の運用部門という、流行りの人。 個人的に、疑問に思っていたことを理論的に整理して解説して貰えた感じで、非常に役に立った(自分の理解が追いついていない部分はままあるが)。
この本の想定読者って、まあまあマニアックな気もするから、株をやりたいんだけどと言って手始めに読む感じではないし、ある程度ファイナンス理論の初歩的な用語は聞いたことあって、債権とか株って何?とか区別がつくくらいの知識が有るのが前提かもしれない。
同時に『ウォール街のランダムウォーカー』を読んでいたのだが、この本と言いたいポイント(市場に掛けろ)は大体同じかなと思うので、好き者の人は両方、そうじゃない人で、仕組みを知りたい人は、この本がページ数も少なくて効率いいと思う。
前にも同じような用語を使っていた本があったよなぁと思って探してみたら、『ざっくり分かるファイナンス』だった。企業価値の考え方をはかる時に内側から見るか外側から見るかで、こちらの本の方が外側から見ているので理解しやすいかもしれない。
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よくまとめてあって教科書みたいだった。
日本人の頭いい人って感じだった。カッコいい。
もう2階読んでみる
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投資の実践入門編といった本。ここまで具体的な本は初めて出会ったかも。
「本当の価値を計算する」「正しい投資先を選択・意思決定する」「ポートフォリオとは」「リスク分析する方法」を一通り学ぶことができる。
つまり、プロの投資家が何をやっているかを学ぶことができた。
何度も読み返したい本。
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エクセルで統計処理してVaRやβ値を出す方法が丁寧に書かれています。読むだけじゃなくて、実際に手を動かすことで腑に落ちる度合いが段違いですね。
用語を知っている人が理解を深める用途として使うのに最適です。